2日目のリハが終わった後。
昼食を一緒に食べよう、と、智くんを誘おうと思って。
インターホンを鳴らしたら、ドアが開いた
すぐに開けてもらえると思ってなかったから、驚いた。

智くんも、驚いたのか・・
俺の顔をみた、一瞬後に、顔が強張った。

「智くん・・・」
そんな・・・に・・俺のこと、避けなくても・・

今日のリハの間中。
智くんに避けられて。
目も合わない。
話しかけるスキも、もらえない。

そんな・・・
智くんにそんな態度を取らせてしまうようなことをした。
そんな自分の要領の悪さに凹んでて・・



今も。
ハッキリと・・拒否されている。
気づかないフリをするには、あからさま過ぎて。

謝るキッカケも、もらえなくて。

恥ずかしがり屋の智くんが、あんなに想いを見せてくれたのに・・
俺は、それにちゃんと応えられなくて。
きっと、恥ずかしい想いだけが、智くんには、残ってる。

俺に背を向けて、食事している智くんの肩に手を置いた。
「智くん」

智くんは、ビクッとして、フォークを取り落とした。
そのまま、手を止めて・・

俯いた。



「昨夜は・・・ごめん。
ちゃんと、応えられなくて。
嬉しすぎて・・智くんがキレイ過ぎて・・・
見蕩れてた。
すごく、嬉しかったのに。
智くん・・・帰っちゃうから・・・」