なんで、いつも、そんなに不安そうなの?
抱くたびに不安で揺れる瞳の色。

オレが側にいるのに。
こんなに近くにいるのに。
カズの中にまで、入り込んで。

抱きしめて。
不安を取り除いてやりたい。
こんなに、強く、抱きしめてるのに。

それでも、消えない。
不安の色。



最初はカズから。
でも、きっと、今ではオレの方が、カズを求めてる。
不安にかられて、オレの前から、消えていなくならない?
カズの目を覗きこむたびに、怖くなる。


抵抗されて。
その恐怖が大きくなった。
オレから、逃げるの?

腕を抑えつけて。

腕を振り払うように動かされて、もっと強く、抑えて。


付けてしまった、傷。
その紅さはオレの心に刻み込まれた。



その傷を愛おしそうに見ているカズの瞳を覗きこんだ。
薄くなってた不安の色。

その傷を愛おしそうに撫でて。
満足そうに、オレに見せた。