腕の赤い2本の線を見ると、蘇る。




呼ばれるごとに上擦っていく声。

その声に応えて、耳元で呼ぶと・・蕩けて、蠢く。

掴まれてた腕に、縋りつく力。

目から零れた一滴のその甘さ。

その瞬間。
オレの腕を抉りながら、滑り落ちていく爪先。

謝りながら、血を舐めとっていく感触。



血の味と匂いのする・・キス。