ドキュメンタリー「MATSUTANI」上映会 | 平岡秀幸 ・ ブログで読む演技論

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 映像作家の奥村恵美子さんから、パリ在住の美術家松谷武判氏の創作を追ったドキュメンタリー映画「MATSUTANI1.2.3」の上映会の案内をいただき、妻と二人京都の北の小さな画廊に出かけた。

 奥村さんが松谷さんの作品に感銘を受け、仲間の映像作家の藤原次郎さんと二人で作った作品だ。

 解説もナレーションもなく、時折流れるBGMに乗って、松谷さんの創作過程をカメラが追う。

 映像にすると、作品を生で見た時の迫力は薄れるが、光線の加減や取り巻く風景によって、作品の持つ静謐さは一層際立っている。


 人の声が聞こえるのは、松谷さん自身のインタビューに答える声だけだ。

 印象に残った言葉がある。

 「他人の影響を受けているうちはまだまだだ。自分で自分の影響を受けるようにならなくてはいけない。」

 松谷さん自身、戦後間もないころフランスに渡り、独創的な作品を作り出すために苦しんだからこその言葉だ。


 芸術家を追ったドキュメンタリー映画や自伝は、創作過程に触れることができるので、とても刺激的だ。

 エネルギーをもらうことができる。


 今回は描かれている松谷さんだけでなく、映像作家のお二人からも刺激を受けた。

 一般の人からはほとんど知られることのない作品を、じっくりと丁寧に作っておられる。

 海外の映画祭にも出品し、賞ももらっている。

 何事も地道に続けなければいけない。


 松谷さんご自身ともお会いすることができたので、昨年の奈良の個展の時のパフォーマンスの話などをした。


 久しぶりに北大路近辺も歩き、気分の良い一日だった。