状況と状態 | 平岡秀幸 ・ ブログで読む演技論

平岡秀幸 ・ ブログで読む演技論

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 前回は「虚」と「実」ということにひっかけて、状況と状態について書いた。


 稽古場で「状態」という言葉を使ってダメ出しをしたときに、しっくりと来たからだ。

 「状況」はウソでも「状態」は本当でなければならない。

 もちろんそんな書き言葉のようなダメだしではありませんが。


 「そのセリフ言うときに、その状態になってないやろ!」


 台本を読み込めば、状況は把握できる。

 一人ではただの思い込みということもある。

 読み合わせの後で、ああでもないこうでもないと議論になる。

 「お前の解釈は間違っている。」「いいや、お前こそ違う!」

 大いに議論すればよろしい。

 しかし大方の議論は状況についてで終わってしまう。


 解釈ができたとして、その解釈通りに演技ができたのかどうか。

 それが一番の問題だ。


 つまり、解釈通りの状況に置かれたときの「状態」になっていたかということだ。