ある胃がん患者さん | 自分目線の闘病記録など・・・

2014年5月21日 術後9週間と2日


ある胃がん患者さん




職場復帰3日目。

職場ではつつがなく、そして少しずついろいろ進めはじめられたので

特段の記載はないとして、ある胃がん患者さんとのセッションについて綴ってみたいと思います。


ブログ上では、たくさんのイーガンフレンズの方々とお知り合いになれて、

いつも楽しくそして助けられて過ごしているものの、

リアルな場での胃がん患者さんと会話をしたのはその日が初めてだった。


病院の「がん患者情報センター」でとりとめもない話をピアサポーターさんと話して盛り上がっていた時のこと。

楚々としたご婦人が来室された。

ご婦人は、年の頃60代なかばといったところか。

ピアサポーターさんとは旧知の仲らしい。


で、ピアサポーターさんがわたしのことを紹介してくれた

「こちらも胃なんですよ」

わたし「はい。術後8週間なんです。」

ご婦人「8か月って言うと・・・去年の9月頃?お元気ねぇ」

わたし「え?いえいえ。8週間です。3月にオペでした」

ご婦人「まだ2か月?!信じられないわ。どういうことかしら」

わたし「来週から仕事に復帰するつもりなんですよ」

ご婦人「どういうことかしら??術後2か月でお仕事ができるの?」

としきりにピアサポーターさんに助けを求めている。


よくよく伺うとご婦人は

・4年前に腹腔鏡にて胃の3分の2を切除

・確定診断は1a

・ケモセラピー等追加治療なし

・本日は半年ぶりの診察で、採血を終え受診待ち状態

・いまだに、毎日下痢・腹痛・動悸・めまいに悩まされているという

・そして、一日の大半を布団の中で過ごしているとのこと

医師から、そんなにひどくダンピング症状が出る人は滅多にいないと言われたという。


で、一番驚いたのが、

「胃を3分の2を切除したが、そのほとんどが病変がない部分だということで、手術をするかどうかずいぶん迷った」

という話。

「え?迷うって手術することと何を迷うんですか?放置していたらどんどん進行しちゃうじゃないですか??」

「だって、ほとんどが健康な胃なのよ。取ってみても、ほら、やっぱりほとんどが異常がなかったのよ。取らなきゃよかったって今でも思うのよ」

胃がんの仕組みやどうしてどのようなオペが必要なのかと言う説明を理解できなかったのだろうか?

納得できないままに、手術同意書にサインしてしまったのだろうか?

術後4年も経っても、自分の病気に対する認識が浅いのだろうか?

いまだに、主治医との関係性が悪いらしく、診察の度に、診察室を出たとたんに涙が溢れるという。


ご婦人の主治医は、わたしの主治医の上司に当たる医師なのだけど、

ピアサポーターさんの主治医でもあるらしい。

とにかく、怖くて、診察の度に何かしら怒られて

「どうしてこんなに怒られて怖い思いをしないといけないんだろう・・」となるらしい。

それに比べればわたしの主治医はそこまでの威圧感はないからいいんだけど。

 憂鬱そうに診察を待っているご婦人を前にして、何と声を掛けたらいいのか、結局何も言えずにお別れしてしまった。

 「具合が悪いって事ばかりに神経が集中して、寝たきりになっちゃっている

のでは?少しお外に出てみて別の楽しみを見つけてみてはいかがですか?」

 とは、やはり初対面の方には言えなかった。

 某内科医師によれば「がん患者さんは、仕事をしながら治療に当たるべし」とのこと。

 その方が、神経が病気にばかり集中しないで、予後がいいそうな。

 わかる気がします。






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