忍者ゾンビ | 地獄のゾンビ劇場 ~ZOMBIE THEATER~

地獄のゾンビ劇場 ~ZOMBIE THEATER~

「地獄の血みどろマッスルビルダー」監督・深沢真一によるホラー映画雑学&雑談ブログ!

「忍者ゾンビ」
(NINJA ZOMBIES)
(2011年 アメリカ 78分)


忍者ゾンビ・ジャケ(表)

 

織田信長が遺した「地獄の剣」の魔力により、

現代のアメリカに忍者ゾンビたちが復活。

シェアハウスに暮らす若者たちに襲い掛かります。

町にゾンビが溢れ返る中、

若者たちは「地獄の剣」を封印するため、

日本刀やバットで武装してゾンビ発生源の墓地を目指します。

 

軽いノリのゾンビバトル・ムービー。

襲撃のスリル以外に恐怖とかは求めてないようです。

 

冒頭いきなり若い日本人男女のゆるい殺陣が始まります。

女性の方はバナナマンの日村に似ています。

もの凄い片言日本語です。

目が死んでいますがゾンビではありません。

男性の方の日本語はかなりマシですが、

日本人の顔には見えません。

 

まあ、米国製ニンジャ・ムービーの「間違った日本」にはもう慣れっこですがね。

 

その後無意味な切腹などもありつつ、舞台は現代のアメリカへ。

 

東洋人青年とそのルームメイトたちの暮らしぶりが描かれますが、

この若者たちの誰にも好感が持てません。

主人公はどう見ても日本人ではないうえ、全く花の無い顔立ち。

白人男性はガラが悪いうえ全員肥満。

 

オマケに主人公は日本人の祖先から刀を受け継ぐ役柄でありながら、

「自分は韓国人」と主張。

「韓国人と日系中国人のハーフなんだ」

ですと。

この設定必要か?

織田信長と敵対しアメリカへ渡った日本人の末裔の役なのに、

「日本人じゃない」ってどういうこと?

日本人でいいじゃない。

よっぽど日本人を演じるのが嫌だったんだね。

 

製作者の日本愛は感じ取れなくもないんですがねえ。

主役は冴えない顔立ちも含め完全にミスキャスト。

 

とにかく登場人物に魅力が無さ過ぎて前半はかなりツライです。

 

中盤以降は忍者ゾンビが次々に襲い掛かって来ます。

ゾンビメイクはけっこうしっかりと施されています。

ヌンチャクとか使ってますが、まあいいや。

 

後半は忍者ゾンビに加え、町の犠牲者もゾンビ化し、

ゾンビ映画らしく賑やかになってきます。

 

人肉の喰いちぎり描写や傷口メイクもちゃんと見せてくれます。

日本刀を使った首の切断などもCGですがそれなりに派手で楽しいです。

 

ロイド・カウフマンまで出て来て大騒ぎですよ。

 

ゾンビも大勢出て来ますし、後半はまあ、良いんじゃないですかね。

一部ゾンビバトルをスローと荘厳なBCMで処理してるのがちょっと勿体無いかな。

重くなるだけでスリルと迫力が無くなっちゃってますから。

 

あと主人公の両親、若すぎでしょ。

どう見ても二十歳前後ですよ。

まあ、インディーズにありがちですが。

子供みたいな先生、とか。

 

アメリカの若者たちがくだらないジョークを飛ばしながら戦う、

全体に軽いノリのニンジャ&ゾンビ映画。

全く笑えないのでコメディと呼べるまでには昇華してません。

登場人物のTシャツに、

「テキトーな日本語です」

とプリントされてたのが唯一面白い所か?

 

日本をリスペクトしてるのかコケにしてるのか、判断しかねる作品ですね。

 

それよりもこの映画が描いているのは、

好感の持てない若者たちが本物の友情に目覚め、成長してゆく姿。

 

こんな怪しい映画に誰もそんなもん求めてないよ!

・・・と思いつつも、後半になるほど登場人物が魅力を増しているのは事実。

 

登場人物の人間的成長を描けば、映画に1本背骨が通る、

というシナリオの基本をこんな珍妙な作品で再認識してしまいました。

 

最後まで鑑賞すればどんな作品にも学ぶべき所はあります。

 

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トホホなホラーをビール片手に笑って観れる人にのみお薦め。

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