やれば出来る!「古城の亡霊」 | 地獄のゾンビ劇場 ~ZOMBIE THEATER~

地獄のゾンビ劇場 ~ZOMBIE THEATER~

「地獄の血みどろマッスルビルダー」監督・深沢真一によるホラー映画雑学&雑談ブログ!

「古城の亡霊」

(THE TERROR)

(1963年 アメリカ 79分)

 

短期即製ぶりが語り草となっているゴシック・ホラーの佳作。


古城の亡霊ジャケ(半面)

ずいぶん前に露店で買ったDVD。500円。

 

海岸で出会った美女に心魅かれた若き将校が、

彼女を追って古い城を訪れます。

しかし愛しの美女はその城の主の妻であり、

20年も前にこの世を去っていたことが判明。

にもかかわらず、度々姿を現す美女。

どうやら近くの森に住む老婆が彼女を操っているらしい。

老婆の目的は?

美女の正体は?

 

ロジャー・コーマン作品。

「忍者と悪女」を撮影後、

名優ボリス・カーロフの契約がまだ3日残っていたため急遽企画、

セット撤収までの2日間で無理矢理撮り上げた、

・・・という逸話が有名な作品。

なので2日間で撮影された映画!

として今でもあちらこちらで語り草となっております。

 

でもこれ、

2日で撮ったのはカーロフが出演する城のセットのシーンだけなんじゃないですかね。

他の部分はもうちょっと時間かけてるのでは?

だって、かなりちゃんと出来た作品ですよ。

謎めいた展開で最後まで巧く興味を引っぱってます。

 

出演者総勢6名。

撮影場所、城のセット、海岸、森。

まあ、2日間ではないにしても、

相当な短期即製だったことは事実のようです。

 

城のセットは雰囲気抜群です(流用なので)。

マット合成による城の全景も良い雰囲気(流用なので)。

 

美女の霊は確実に実体があるので、

Jホラー的な恐怖感は皆無です。

どうやら若い女性の肉体に霊魂を憑依させている、

って設定っぽいんですが、

後半には半透明で現れることもあったりして、

急いだためか、その辺少々詰めが甘かったんですかね?

 

スプラッターな見せ場も適宜配置されてます。

鳥に襲われ両目を潰されるシーンと、

有名な顔面どろどろシーン。

他、ミイラのアップが2回。

ホラーではこういう画って、かなり重要。

1963年当時ならまあまあの刺激だったのでは?

 

なので総合的に見て、

でっち上げ企画にしてはかなりちゃんと仕上がってます。

 

単体の「ホラー映画」としてちゃんと成立してます。

 

2~3日ででっち上げた作品、って、

最近じゃ珍しくも何とも無いじゃないですか。

よくレンタル店の邦画ホラー・コーナーにある、

本格ホラーっぽいパッケージで、

中身は主観映像による心霊レポート、

みたいなオリジナルビデオ作品。

1日で撮られることもあるのだとか。

 

あれを「映画」と呼んでよいものなのかどうか正直疑問ですが、

POVでもしっかり演出された良い作品は沢山存在するので、

やはり、「映画」というくくりになるんですかねえ。

 

最近また良く観るんです。

POV作品。

即席感丸出しなものもありますねえ。

アイドルっぽい子に心霊スポットをレポートさせただけ、みたいな作品。

テレビ番組だったとしてもつまらない。

 

事業として成立させなければならない以上、

素材集めはロケ1日でも良いと思うんです。

でもその後、集めた素材を宝物に磨き上げる作業は必須ですね。

パソコンで加工したり、別撮りの画を足したり。

 

「古城の亡霊」最大の見せ場は、

有名な「顔面どろどろ」ですが、

お金をかけずにけっこう簡単な手法で巧くショッキングに見せてますよ。

 

顔にシロップかけて、更にかけて、もっとかけて、

それをオーバーラップさせて見せてるだけ。

仕上げは紙粘土か何かででっち上げたっぽいお人形に、溶かしチョコレートをかけただけ、

・・・みたいな感じ。

 

DVDのジャケットに写真が出てたんでお見せしちゃいます。

ネタバレっぽいけど、もうあちこちに出てる有名な画ですからね。

 


古城の亡霊顔面崩壊

 

・・・・・手作り感。

 

 

 

 


映画(オカルト・ホラー) ブログランキングへ

 

にほんブログ村 映画ブログ ホラー・サスペンス映画へ
にほんブログ村