素直で純真な中年 | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

時折たかしに感動させられることがある。
40代も半ばに来た立派なオジサンなのに、まるで高校生と話しているような気持ちになるのだ。
ポーズ?受け狙い?といろいろ考えてみたものの、基本性格から考えてみると、やはりウブというのが正しいのだろうと解った。
世の中を渡っていくのに身につけた軽さだと思っていたものは、実はかなりのパーセンテージで元々の軽やかさらしい。こんなに素直で純真な中年がいて良いのだろうかとたまに当惑してしまう。なんだか箱にでも入っているみたい。



過去知り合った男性たちとは真逆のベクトルだった。
皆、背負えないものを無理に背負うことが男らしいことだという幻想に囚われていた。男らしさという幻想を証明しようと躍起になっていた。
弱さを隠し、無い力を振り絞り、欺き、無理を重ねて生きていた。


そんなに無理することないのにね。
淡々と背負えるものだけを背負って、出来ないことは素直に出来ないと言い、楽しく生きていければ良いのにと、いつも思っていたのだった。


たかしはそんな人物で、それは新鮮な驚きだった。




いつまでもそんな風でいてね。