日本最初のラベンダー栽培の地 | Movin' in the Right Direction

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羊ヶ丘展望台より札幌ドームを望む

昨日はたまたま国道36号を走っていて、清田橋の交番の横で
シートベルトや携帯の検問をしている警官が座っている後に
ラベンダーが咲いているのを見つけた。

一方通行の出口だったので、交番のある一角を一回りして、
駐車禁止の標識がないことを確認した上で車を停め(笑)
厚別川の土手に咲いているラベンダーをカメラに収めた。

「もっと咲いている所はないだろうか…?」
札幌のラベンダーの名所として知られている幌見峠は2009年の長雨で
約7割の株が枯れてしまい、今年の公開は中止になってしまった。

家に帰ってネットで調べてみると、南区の南沢神社及び東海大学の
札幌キャンパスでまとまったラベンダーが見られる事がわかった。

京都の北野天満宮から菅原道真公を分祀した南沢神社脇の斜面には
一面にラベンダーが植えられ「ラベンダー発祥の地」の碑が建っている。

南沢神社1

南沢神社2

ラベンダー発祥の地の碑


碑文には以下のように記されている。

「ラベンダーの原産は南フランスで、昭和12年曽田政治氏がその種子を入手し、3年間の試験栽培の後、昭和15年に南ノ沢農場を開設して、日本で初めて香料原料として本格的にラベンダーの苗を栽培し始めた。

最盛期の昭和30年代には、紫の絨毯を敷いたかのような美しい風景が広がり、その素晴らしさは今でも語り継がれている。

この貴重な事実を顕彰し、ラベンダーを南沢のまちづくりの象徴とするため、ここにその由来を標す。

南沢地区町内会連合会
南沢まちづくり委員会」

「南沢のラベンダーの歴史

1937(昭和12)年
 曽田香料(株)の創業者である曽田政治氏が、フランスのアントワン・ヴァイル社からラベンダーの種子を5kg入手する

1938(昭和13)年
札幌、北見、千葉、倉敷でラベンダーの試験栽培を実施した結果、北海道が栽培に最も適しているとの結果を得る。

1940(昭和15)年
南沢の地に同社の「南ノ沢農場(主任 麻田正吉氏)」が開設され、本格的に植付けが開始される

1941(昭和16)年
北海道岩内郡発足(はったり)村(共和町)同社の直営農場が開設される

1942(昭和17)年
南沢及び岩内の農場に蒸留機が設置され、日本最初のラベンダーオイルが採取される

1948(昭和23)年
北海道上富良野地区でラベンダー栽培が開始される

1972(昭和47)年頃
安い輸入香料などの影響を受け、ラベンダー栽培事業が衰退に向かう

1980(昭和55)年
(株)サッポロ曽田農場解散」

曽田香料の札幌工場は西区琴似にあったらしく、
ハマナスの香油などを精製していたらしいが現存しない。




東海大学札幌キャンパスは南沢神社から車で4~5分の所だ。
学生用駐車場をラベンダー見学客にも無料で開放している。
正門を入るとすぐに一面の紫の絨毯が目に飛び込んでくる。

$Movin' in the Right Direction-東海大学

立札があり、ラベンダー畑の由来が書かれていた。

「このラベンダーは、曽田香料株式会社南沢農場において、ラベンダーオイル抽出用として栽培された、由緒ある株です。

1947年(昭和22年)、当時の農場責任者である麻田志信氏より譲り受けた同じ南の沢在住の田中喜代松氏の手で、今日に至るまで大切に育てられてきたものです。

この度の本学の「ラベンダーキャンパス化計画」の第1期植栽工事に際し田中氏より寄贈されたもので、日本のラベンダー栽培発祥の地としての歴史を語り継ぐとともに、これからもこの株を大切に育てて行きたいものです。
2002年5月 東海大学」


ここには「濃紫早咲3号」「オカムラサキ」の2つの品種が植えられている。

濃紫早咲3号
原産地 地中海沿岸
開花時期 7月上旬~3週間
特性 花のつぼみが大きく彩が見事。開花が他より早く楽しめる。

$Movin' in the Right Direction-東海大学濃紫早咲3号

$Movin' in the Right Direction-東海大学濃紫早咲3号

オカムラサキ
原産地 地中海沿岸
開花時期 7月中旬~3週間
特性 花穂がほっそり長く香りが豊か。ドライフラワーなどの利用も楽しめる。

$Movin' in the Right Direction-東海大学オカムラサキ

$Movin' in the Right Direction-東海大学オカムラサキ