燃費誇大表示、韓国で集団訴訟恐れる欧米メーカー

韓国GMは29日、準中型車「シボレー・クルーズ」に対する政府の燃費検証を前に、燃費の誇張を認めました。また、購入済みの顧客に1人当たり最大 42万ウォン(約4万4000円)を補償することを国土交通部(省に相当、以下同じ)に届け出ました。補償総額は300億ウォン(約31億円)余りに達する見通しです。


 韓国GMが政府に白旗を上げたことを受け、韓国に進出している海外メーカー各社は緊張している様子です。産業通商資源部は、フォルクスワーゲンの「ティグアン2.0 TDIブ ルーモーション」、アウディの「A4 2.0 TDI」、BMWのブランド・ミニの「ミニ・クーパーDカントリーマン」、クライスラーの「ジープ・グラン ドチェロキー」の4車種で燃費が誇張されたとして、11月中に過料を科すとともに、各車のラベルに表示された燃費も是正するよう命じる方針です。その場 合、ラベルに表示される燃費が従来に比べ4-10%ほど少なくなります。


 これら海外メーカーは、今回の燃費誇張をめぐる波紋が集団訴訟につながる可能性があるとみて戦々恐々としています。過料の納付が確定すれば、ラベル変更対象の車両はティグアンが約1万台、A4が約 2700台など、計1万7000台に達します。さらに、これらの車は韓国で低燃費をうたっているため、イメージの悪化が避けられない見通しです。


  各社は「産業通商資源部傘下の二つの機関で燃費の検証を受けたが、一方では合格、もう一方では不合格と判定された」などとして、検証結果に強く反発してい ます。一部のメーカーは大手法律事務所を通じ、産業通商資源部の処分に対する取り消し訴訟を起こすことも検討しているようです。以前に燃費誇張による補償 を表明した現代自動車や韓国GMと同水準で補償するとなれば、4社の補償総額は70億ウォン(約7億2500万円)に達し、とても許容できないというわけ です。


 韓国市場で巨額の利益を得ていながらも消費者の保護には吝嗇(りんしょく)な海外メーカーに対し、国民からは厳しい 視線が注がれています。フォルクスワーゲン、アウディ、BMW、クライスラーといったグローバルメーカーが、韓国の消費者のため、その名声にふさわしい 「賢明な代案」を打ち出すよう期待しています。

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