人類進化のターニングポイントなのか? | 人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

超深層心理レベルから人生のステージアップをサポートします。カウンセラー、セラピスト歴は28年です。

 

人類は、進化してゆくのだろうか?

 

ただし、遺伝子の変化を伴う生物学的な進化とは別に、精神的、文化的な進化というのがあって、本来は進歩というべきなのでしょうが、大きな質的変化を伴うのでやはり「進化」と呼びたいと思います。

 

一部の支配者やエリートではなくて、一般庶民のベースで考えた時に、例えば日本の歴史で言えば、平安時代、江戸時代、現代でどんな違いがあるでしょうか?

 

まず知識や情報の量が全然違います。なし得ることの多様性が全然違います。価値観や風習も全然違います。

 

私はかねてから、マズローの欲求階層説は個人の発達を説明するだけではなく、人類の歴史にも当てはめることができると考えてきました。

 

つまり、人類の歴史は、最初は、生存欲求を満たすのが精一杯の段階から、安全を確保すること、所属すべき集落、さらには国家を形作ること、という具合により上位の欲求を満たすように進展してきたという考え方です。

 

その観点で言えば、近代社会というのは、承認欲求が原動力になる社会であったと考えられます。生きるのに最低限必要なものだけではなく、例えば立派な家、高級車、ブランド物といったものは、快適さだけでなく、社会的な成功のシンボル、ステータスとしての意味を持ちました。

 

しかし、そうした価値観は明らかに廃れつつあり、自分らしさをより大事にするようなシフトが進んでいるように見えます。

 

マズローモデルに従えば、承認欲求の次の段階は自己実現欲求です。自己実現というのは、私の定義では、自分らしさや自分の固有の可能性を最大限に生かして社会貢献することです。

 

これは、ちょうどダニエル・ピンクの著書にある、モチベーション3.0と重なります。

 

ピンクは、人間のモチベーションを3段階に分けて説明します。1.0は本能的欲求による動機づけ、2.0は報酬と罰による動機づけ、そして3.0は、内発的動機づけです。そして、長らく、2.0が多くの企業、組織における人事管理の基本をなしてきたものの、それがだんだん機能しなくなりつつあるというのです。そして、特に不断のイノベーションが求められるような組織においては、モチベーション3.0を引き出せなければ生き残れないように変わってきているというのです。

 

内発的動機づけと言っても、ただ遊びたいというのも該当するので、ここでいう内発的動機付けというのは、何らかの社会貢献の指向性を持ったものということになるので、これはほぼ自己実現欲求と重なるのではないでしょうか?

 

ということは、人類の歴史は、承認欲求が原動力になる段階から、自己実現欲求が原動力になる段階に移行するのでしょうか?

 

私はそう確信しています。

 

多くの科学的研究鵜が、外部的動機づけよりも内発的動機づけの方が、より高いパフォーマンスが持続する、特に創造性、共感能力など人間ならではの能力について特に当てはまることを示しています。

 

そしてこうした能力を発揮するためには自由が必要なのです。

 

おそらくここに支配層のジレンマが存在するはずです。

 

先の記事で、支配層、支配層と癒着した富裕層、独立した富裕層というのをあげました。これは隣の国中国で見るとわかりやすいです。共産党の幹部、国営企業や共産党と癒着した企業の幹部、そしてしばらく前までは独立系富裕層というのも存在していました。ところが習近平政権は、独裁を強化して独立系富裕層も締め付けてきています。

 

中国は、不動産バブルが崩壊したリゼロコロナ政策を行ったりしたためだけではなく、自ら経済発展の芽を摘んできたと言えるでしょう。だから必ず自滅に向かいます。有能な人間は潰されるか、海外に逃げてゆくからです。

 

そして、先の記事で、AI化に適応して、創造性など人間的能力を発揮して働く「生産的市民」、ベーシックインカムによって最低限の生活を保障される人々、そして、AIやロボットに代替できない作業を仕事にする人々という3つの階層というのをあげました。

 

今、アメリカでもEUでも日本でも、マイナカードのような制度の導入が進められたり、不合理な移民政策が進められています。

 

おそらく、マイナカードのようなものは、将来的にはベーシックインカムの支給、顔認証システム、ワク○ン・パスポートと連動し、国民を管理、監視し、やがて出生率や寿命までコントロールされかねないと思います。

 

また、AIやロボットに代替できない作業の要員に移民があてがわれ、こうした分野での賃金の上昇を抑える鎮め石として利用されるのでしょう。

 

問題になるのは自由と管理の使い分けとバランスです。だから、学校教育などは、より自由で創造的な内容に激変しようとしている一方で、国民への管理や監視を強化しようという動きも同時に進行しているということだと思います。

 

しかし、私は歴史発展の法則、必然性は何者にも止められないと思います。

 

マズローの時代、生涯のうちに自己実現欲求を中心に生きるステージに達する人は、先進国において人口の約5%程度と言われていました。今はどうなっているのかわかりませんが、今後はその比率が増えるはずです。

 

AIとロボットが、より単純な仕事、マニュアルや指示通りの仕事、本音では誰もやりたくない仕事から代替してゆくとなると、やりたいことを仕事にできる人間と、仕事がない人間という対極への分解が起こらざるを得ません。

 

教育システムも、そういう社会構造を前提とした場合、全く違うものに変わります。

 

問題は、すでに古い教育システム、古い管理方式に適応してきてしまった大人です。しかし、人間の思考というものは、潜在意識のプログラムによって司られています。そしてそのプログラムの構造の全容がわかってきましたし、それを最適化することも可能になってきました。

 

私は、できれば全ての人が、内発的動機づけによって最大の可能性を生きられる世界を実現したいと願っています。それは以前からそれを目指していたわけですが、とてつもなく遠い道のりだと感じていました。パンデミック以降、ますます社会全体のマインドコントロールが酷くなり、ますます道のりが遠く感じられるようになっていました。

 

しかし、そうではない、確かに大きな試練はやってくるものの、それは人類の進化へのターニングポイントなのだとリアルに考えられるようになってきたのが最近です。私の認識の中で、心理学や脳科学、生命科学などだけではなく、歴史、政治、経済などまでがつながってきたからです。

 

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