ワタルの独立起業物語(第31話) | 関西の若手起業家と専門家が学び合う【独立起業研究会】ブログ

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ワタルの独立起業物語(第31話)

前回はこちら

ワタルは呼び出しの電話を受け、サガワの会社へ向かっていた。
誰か紹介したい人がいると言っていたが・・・?

新しいお客さんだったらいいな~なんてことを考えていたら、
サガワの会社へ着いた。
応接室へ通されると、サガワと一緒に女性が座っている。
年はワタルと同じぐらいだろうか。

サガワ「ワタル君、急に呼び出してすまなかったね。
    こちらの女性はヤマカワさん。
    3年前までうちの会社で働いてもらっていたんだよ」

ヤマカワ「初めまして、ヤマカワと申します」

ワタル「ああ、初めまして。ワタルといいます。
    こちらにお勤めだったんですね。
    サガワさんにはいつもお世話になってまして・・・」

サ「本当だ、いつもお世話しているよ(笑)
  あいさつも済んだところでワタル君、
  単刀直入に言うと、このヤマカワさんに君の会社で
  働いてもらったらどうかな?という話なんだ」

ワ「え?石原コーヒーでですか?ずいぶん急な話ですね・・・」

サ「確かに(笑)でも、今日明日にという話じゃないんだ。
  リュウジ君とは近い将来別れる予定なんだろう?
  そうなったら君1人じゃないか。
  事務作業も営業も全部やってちゃ大変だよ?」

サガワの言う通りだ。これまではリュウジは主に営業、
ワタルは主に納品や経理等の事務作業と役割分担ができていたが
これを全部自分がやるのは大変だ・・・

サ「もう少し詳しく事情を話すと、ヤマカワさんはうちの会社で
  営業のバックアップから経理まで幅広い仕事をしてくれていて
  私もずいぶんと頼りにしていたんだよ。
  結婚してもしばらくは来てくれていたんだけど、旦那さんの転勤で
  退職することになったんだ。でも・・・」

ヤ「あの・・・実はつい先日離婚が成立しまして、1歳の子を連れて
  実家の方に帰って来た次第なんです」

ワ「そうなんですか・・・」

サ「本来ならうちに戻って来て欲しいところなんだが
  代わりに雇った人も頑張ってくれているんでね・・・
  そこで君に話をしてみたってわけなんだ。
  どうだい?人柄と仕事振りは保証するよ」

ワ「確かに人手は必要になりますけど・・・
  今のところは最悪、嫁にでも手伝ってもらえば
  いいかなと思っていたんですが・・・」

サ「もちろん、無理にとは言わない。あくまで推薦だよ。
  ただこれは私の考えなんだが、身内はどうしても甘えが出る。
  特に奥さんなんかだったら、事務でミスがあっても
  真剣に怒れないだろう?本人だって好きで手伝ってるんじゃ
  ないことも多いし・・・」

ワ「そうですね・・・うちの嫁だと子供の世話もあるし、
  イヤイヤだろうなあ」

サ「実は私も事業を始めた頃、痛い目にあってね(笑)
  お客さんからは怒られ、嫁からは『じゃあ頼まないでよ!』
  って逆ギレされて。もちろん、身内は全部ダメだとは言わない。
  夫婦といえども公私の区別をつけてきっちりできている
  人もいるよ。でもワタル君、きみはそうじゃないだろう?」

ワ「おっしゃる通りです。ケンカになるのが目に浮かびます」

サ「だったら考えてみてくれよ。私の顔を立ててさ」

ワ「そうですね・・・今すぐお返事はできませんが
  前向きに検討します」

ヤ「ありがとうございます。私も帰って来たばかりなのと
  精神的にも疲れたのでしばらくは休もうかと・・・
  ゆっくりお考えになってお返事くだされば結構です。
  あ、子供のことは私の母が見てくれるといってますので
  仕事するのに問題は無いと思いますので・・・」

ワ「うん、よろしく頼むよ。じゃあ今日はこのくらいで・・・」

ヤマカワと連絡先を交換し、ワタルはサガワの会社を出た。
ん?そういえばヤマカワさんとこは母子家庭になるのかな?
以前社労士のカミノさんが助成金のセミナーで
母子家庭の母親を雇ったら助成金がもらえるって言ってたような?
でもハローワークで雇わないとダメだったけ?
まあいいや、カミノさんに今度会ったら聞いてみよっと。

ワタルは会社へ戻った。明日は独立起業研究会のセミナーがある。
今回の講師はイシハラさんのはずだ。どんな話が聞けるのかな?

次週へ続く