今回、ディーゼル乗用車に触れる機会を作られたBoschさんですが、そこに車を提供された企業が非常に偏っていたことは、疑いも無い事実です。 勿論日本の企業は一切この催しに車を準備していないのも来場者の方々には、奇異に感じられたものと思います。 従来ならこのような催しには、黙っていても車を提供するのがお決まりの日本自動車業界ですが、出てこない理由はいったい何処にあるかを、独自に調査してきた中、BOSCH Super Clean Diesel Auto FESTA 2006中に、ある人物の会話から、その理由を垣間見ることができたのでここに報告して、皆さんにも考えてもらおうと思います。


従来日本のメーカーは、

1.ディーゼル車はイメージが悪く今しばらくは市場に受け入れられる地盤が無い。

2.日本の排気ガス規制は非常にハードルが高く市場規模を考えると開発費が嵩み対応困難。

3.現在ガソリンでも十分な燃費削減ができている。同時に日本にはハイブリットが存在しディーゼルの入り込む余地は無い。

と言うのが表向きのディーゼル車導入をしない理由でした。

特にハイブリット車を持つメーカーおよびそのライセンスを受けるメーカーからすれば、ディーゼル車導入は、ハイブリットのマーケットを食らう侵略車!になり開発費を回収できなくなるばかりでなく、将来ディーゼルハイブリット導入時には、海外他社にハイブリット技術の優位性を保てなくなるために、今のうちにハイブリットを進化させるためにも日本国内および米国市場にはディーゼルを投入したくないとの思惑があると言われてきました。 


でもMAZDAやMMMCはどちらもハイブリットを持たず(製品として)同時にディーゼルに関しては、国内に投入しやすい環境にあると言えます。まあ、MMMCは現在の環境において、少しでもイメージが落ちる行動は、企業にとって死活問題でもあり、期待できないので無理は言いませんが、 MAZDAまでが、今回BOSCH Super Clean Diesel Auto FESTA 2006に車の提供ができないのは、どうも納得がいかないところでした。

でも、今回MBや海外メーカーが一番苦労しているところが、新短期規制(2003年)新長期規制(2005年)ポスト新長期規制(2007年)と急変していく排気ガス規制にいかに対応するかが、大きな課題になっていることです。ちなみにEuro2(1996年)Euro3(2000年)Euro4(2005年)と少なくとも1車種の短いモデルチェンジ周期と同じで、開発も十分着いていける期間でした。 ところが日本の規制は、たったの2年で大幅に規制値が変わり、同時にポスト新長期は、単に無知な首相の一声で日本は一番厳しい基準にしようと言う事で決まった経緯があります。 (これもディーゼル投入を遅らそうとするある企業の働きかけとも陰では言われています。あながち嘘ではないようなのでそれでも一流企業化と批判した時期もあります。 ところが、どうもディーゼル乗用車導入を遅らせているのは1社ではなく、自動車工業会全体の意向が反映しているとある筋から言われて納得したので、その真意は別に皆さんに考えてもらうために、記載します。) 日本のメーカーは、この短期間の規制強化では、技術開発・投資・開発費回収のサイクルが短すぎてとても対応しきれないと言うことで、規制自体に反対してきた経緯から、今後このような規制の仕方があっては困るとして、ポスト新長期まで新車の投入は見合わせると言う内密な同意がある。 つまり新長期規制では、新車投入は行わず、ポスト新長期になって初めて導入してやろう。 困るのは国であって俺たちではない。国の身勝手な規制について行っては今後同じような事をやられては、無駄な投資を避けられたい。 との意向でもっぱら、ポスト新長期規制しか目に無いのが実情だと言うのです。 事実T社は、ポスト新長期達成車を来年2月販売で動いていたようです。 ハイブリットとの兼ね合いで販売は遅らすとの情報もありますが、来年10月までには、V6-4.0L程度(実際の排気量も手元にありますがこれ以上はやめときます)のSUVが登場予定です。


さて、これからが本題です。 MAZDAとHonda、そしてToyotaは海外で新長期規制達成できると思われるレベルの車両を販売。特にToyotaの欧州ディーラーに行くとガソリン車は展示されていない。 そして

Model

Engine size

Power output

Yaris and Yaris Verso

1.4-litre D-4D

74bhp

Corolla and Corolla Verso

2.0-litre D-4D

89bhp

Corolla (T Spirit)

2.0-litre D-4D

109bhp

Avensis

2.0-litre D-4D

109bhp

Avensis Verso

2.0-litre D-4D

114bhp

RAV4

2.0-litre D-4D

114bhp

Previa

2.0-litre D-4D

114bhp

Land Cruiser Colorado

3.0-litre D-4D

161bhp

Land Cruiser Amazon

4.2-litre

201bhp

このラインナップを見てください。 最近では177hpのISやAvensisも導入とてもディーゼルを日本に出せないはずは無い状況です。

では、出さないその真意が、規制に対する不満を表しているのなら、日本の自動車メーカー(いすゞや日野さんは除いて)は、企業倫理を持たない利益だけを追い求める最低の企業だと思います。 たとえどんなに規制が変化しても環境を考えるのは企業として当たり前でありながら、黒煙を吹く直噴ガソリン車を低公害指定してもらって販売するなどもってのほかです。まして、トラブル隠しにEGRをカットしてNOx垂れ流しにさせて問題隠しを行うなど企業体質は、不正軽油を使うよりもっと悪質な企業体質ではないでしょうか。

自社の製品が使われていなくとも、ディーゼル普及を目指し多額の費用を投じてまで努力する企業と環境より自社・業界の面子を重んじる日本自動車工業、このままでは悪の象徴と言われても仕方がないと思います。 是非本年度中(来年4月まで)にディーゼル乗用車を投入して欲しいものです。 会社の評価は、その規模ではなく倫理でされる時代はすぐに来ますよ。急には変えられませんから、これ読んだらもう一度考えてみてください。 

一番販売に近いMAZDAさん! 今一番旬な事ができるのはMAZDAさんですよ。 待っていると、どこかの会社にポスト新長期達成車を先越されますよ。 そうNissanさんもこのままでいいんですか? また良いとこ取りされてしまいますよ。


MBはがんばっておられるし、PSAさん、そろそろ動きましょう、日本のきれいな空気と温暖化防止のために。 Boschさんもがんばってください。 どうして日本の会社は、もっと動けないのかな? 経営陣が悪いんでしょうか? 奮起期待します。