今年もクリスマスが近づいてきました!
クリスマスイブを楽しく過ごす予定の人も、一人でコスリマスインブな人も、クリスマスといえばBMJ!
今年もBMJがやってくれました!!
参照:今年もきた! BMJのクリスマス特集!!
例によっていろいろ面白い文献がありましたが、今年僕の中でHotなのが
ゾンビの総説
未だ謎に包まれるゾンビの生物学的知見や、疫学、感染経路などについてまとめてくれています
参考文献欄には往年の名作から最近のゾンビ映画まで並んでおりますw
Tara C Smith.
Zombie infections: epidemiology, treatment, and prevention.
BMJ 2015; 351
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h6423 (Published 14 December 2015)
この文献・・・
ゾンビも医療界で主要な部分になってきた
という衝撃的な文章からはじまりますw
まじかww
僕はまだゾンビを見たことがないので真剣に勉強しなくてはなりません・・・
以下文献のまとめです
定義
ゾンビのエキスパートであるMatt Mogkはゾンビを3つの診断基準で定義
1.死体を生き返らせたもの
2.容赦なく攻撃的
3.生物学的に感染されたもので感染性をもつ
ただし定義は“rage” zombiesの登場で変わってきている
rage zombiesは感染しているけど生きているゾンビ
→Bacillus vampirisの感染によるヴァンパイアに近い
歴史
ゾンビの記述は1500年代まで遡る
ハイチのゾンビが最も詳細に記載されている
→ブードゥーの司祭により制御されたと考えられる
→テトロドトキシンのような神経毒により作り出されたのではないか
→睡眠時に似た状態を作り出す
最近のアウトブレイクに見られるようなものは上記のような宗教や化学によるものではなく、咬むことで伝染する
Solanum virus(ゾンビ化ウイルス)が最も広く研究されている
アウトブレイクを起こしているが、自然界の貯蔵庫は見つけられていない
致死率は100%
感染者にさらされたら必ずソンビ化する
動物も感染したら死ぬので、動物宿主からヒト感染する経路は考えにくい
ウイルスは自然界に数千年前から存在していたと考えるが、都市化や商業・旅行による自然界の相互連絡により急激に現れてきていると考えられている
このウイルスが近年のアメリカのアウトブレイクの原因かどうかは検討されていない
rage zombiesは最近の存在
1973年にペンシルバニアで兵器化されたTrixie virusが事故で撒き散らされ、2010年のアイオワのアウトブレイクの原因にもなった
二つとも軍用機が運搬中に小さな町の水源に墜落して起こった
住人はウイルスを摂取して感染し、さらにもしかすると空気中の飛散で感染したかもしれない
アウトブレイクは軍の介入で鎮火され、強制隔離されたが生存の代償は大きかった
→感染者はまだ残っている
2002年にロンドンで起きたエピデミックはブリテン島の隔離を招いた
このアウトブレイクはエボラの遺伝子組み換えウイルスによるもの
潜伏期が数秒で、感染者が素早く強いため、国中に蔓延し国境閉鎖を余儀なくされた
アウトブレイクから28週後、ほぼ全てのゾンビは餓死した
無症候性のキャリアもおり、感染の第二波がはじまろうとしている
症状と潜伏期
感染の症状は病原によらず単一的
潜伏期は様々で発症まで数秒から数日
感染者は臨床的に死亡したのちに蘇るか、死亡せずとも前者と同じく強暴性を獲得してヒトの肉を好むようになる
その他の症状は、よたよた歩き、うめき声、知性や人間性の消失、肉が崩れ落ちるなど
まれに知性があり、自己認識もあり、肉を食べないゾンビもいる
病因と伝染
アウトブレイクは咬むことで起こる
その他の感染経路は昆虫や動物
トコジラミや蚊を媒介した例がある
ペスト菌、冬虫夏草、プリオンタンパクが原因となったことも
治療と予防
ゾンビアウトブレイクは発生が速く、その社会破壊的な性格も相まって、治療や予防は調査が進んでいない
咬まれた部分の切断は有効だったことがある
コスト面や、病因・感染ゾンビの適切な封じ込めの問題からワクチン研究は難しい
効果的な治療が開発されたとしても、永久的に再ゾンビ化を防ぐ必要がある
この領域はさらなる研究が望まれる
倫理上の検討事項
ゾンビアウトブレイクは高コストで、制御できず、生命維持に有害である
隔離はしばしば失敗する
感染しているけど発病していないだけのヒトを判断するのが困難である
栄養源が枯渇すると、ゾンビは何日か何週間かかけて国を横断する
完全な感染の制御はなかなか達成されない
特別な例外として2004年のロンドンのアウトブレイクがある
→軍の力で感染を取り除き、残ったゾンビを労働力や見世物にした
いくつかのゾンビ感染は大規模で、人類絶滅の危機に瀕する
人口が密集していない地域では生存可能性が少し高く出るが、ゾンビは結局全体に広がる
アメリカ疾病予防管理センターが起こりうるゾンビアウトブレイクに対して準備しておくべきことを公表しているが、多くの国では対策がされていない
というわけで・・・
一刻も早い国を挙げたゾンビ対策と、治療法の確立が望まれます!!!
クリスマスイブを楽しく過ごす予定の人も、一人でコスリマスインブな人も、クリスマスといえばBMJ!
今年もBMJがやってくれました!!
参照:今年もきた! BMJのクリスマス特集!!
例によっていろいろ面白い文献がありましたが、今年僕の中でHotなのが
ゾンビの総説
未だ謎に包まれるゾンビの生物学的知見や、疫学、感染経路などについてまとめてくれています
参考文献欄には往年の名作から最近のゾンビ映画まで並んでおりますw
Tara C Smith.
Zombie infections: epidemiology, treatment, and prevention.
BMJ 2015; 351
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h6423 (Published 14 December 2015)
この文献・・・
ゾンビも医療界で主要な部分になってきた
という衝撃的な文章からはじまりますw
まじかww
僕はまだゾンビを見たことがないので真剣に勉強しなくてはなりません・・・
以下文献のまとめです
定義
ゾンビのエキスパートであるMatt Mogkはゾンビを3つの診断基準で定義
1.死体を生き返らせたもの
2.容赦なく攻撃的
3.生物学的に感染されたもので感染性をもつ
ただし定義は“rage” zombiesの登場で変わってきている
rage zombiesは感染しているけど生きているゾンビ
→Bacillus vampirisの感染によるヴァンパイアに近い
歴史
ゾンビの記述は1500年代まで遡る
ハイチのゾンビが最も詳細に記載されている
→ブードゥーの司祭により制御されたと考えられる
→テトロドトキシンのような神経毒により作り出されたのではないか
→睡眠時に似た状態を作り出す
最近のアウトブレイクに見られるようなものは上記のような宗教や化学によるものではなく、咬むことで伝染する
Solanum virus(ゾンビ化ウイルス)が最も広く研究されている
アウトブレイクを起こしているが、自然界の貯蔵庫は見つけられていない
致死率は100%
感染者にさらされたら必ずソンビ化する
動物も感染したら死ぬので、動物宿主からヒト感染する経路は考えにくい
ウイルスは自然界に数千年前から存在していたと考えるが、都市化や商業・旅行による自然界の相互連絡により急激に現れてきていると考えられている
このウイルスが近年のアメリカのアウトブレイクの原因かどうかは検討されていない
rage zombiesは最近の存在
1973年にペンシルバニアで兵器化されたTrixie virusが事故で撒き散らされ、2010年のアイオワのアウトブレイクの原因にもなった
二つとも軍用機が運搬中に小さな町の水源に墜落して起こった
住人はウイルスを摂取して感染し、さらにもしかすると空気中の飛散で感染したかもしれない
アウトブレイクは軍の介入で鎮火され、強制隔離されたが生存の代償は大きかった
→感染者はまだ残っている
2002年にロンドンで起きたエピデミックはブリテン島の隔離を招いた
このアウトブレイクはエボラの遺伝子組み換えウイルスによるもの
潜伏期が数秒で、感染者が素早く強いため、国中に蔓延し国境閉鎖を余儀なくされた
アウトブレイクから28週後、ほぼ全てのゾンビは餓死した
無症候性のキャリアもおり、感染の第二波がはじまろうとしている
症状と潜伏期
感染の症状は病原によらず単一的
潜伏期は様々で発症まで数秒から数日
感染者は臨床的に死亡したのちに蘇るか、死亡せずとも前者と同じく強暴性を獲得してヒトの肉を好むようになる
その他の症状は、よたよた歩き、うめき声、知性や人間性の消失、肉が崩れ落ちるなど
まれに知性があり、自己認識もあり、肉を食べないゾンビもいる
病因と伝染
アウトブレイクは咬むことで起こる
その他の感染経路は昆虫や動物
トコジラミや蚊を媒介した例がある
ペスト菌、冬虫夏草、プリオンタンパクが原因となったことも
治療と予防
ゾンビアウトブレイクは発生が速く、その社会破壊的な性格も相まって、治療や予防は調査が進んでいない
咬まれた部分の切断は有効だったことがある
コスト面や、病因・感染ゾンビの適切な封じ込めの問題からワクチン研究は難しい
効果的な治療が開発されたとしても、永久的に再ゾンビ化を防ぐ必要がある
この領域はさらなる研究が望まれる
倫理上の検討事項
ゾンビアウトブレイクは高コストで、制御できず、生命維持に有害である
隔離はしばしば失敗する
感染しているけど発病していないだけのヒトを判断するのが困難である
栄養源が枯渇すると、ゾンビは何日か何週間かかけて国を横断する
完全な感染の制御はなかなか達成されない
特別な例外として2004年のロンドンのアウトブレイクがある
→軍の力で感染を取り除き、残ったゾンビを労働力や見世物にした
いくつかのゾンビ感染は大規模で、人類絶滅の危機に瀕する
人口が密集していない地域では生存可能性が少し高く出るが、ゾンビは結局全体に広がる
アメリカ疾病予防管理センターが起こりうるゾンビアウトブレイクに対して準備しておくべきことを公表しているが、多くの国では対策がされていない
というわけで・・・
一刻も早い国を挙げたゾンビ対策と、治療法の確立が望まれます!!!