粉飾のツケは、泥棒かい「ディックとジェーン」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

華々しく国家戦略としてのイメージ・アップを「税金を投入して」行えば、表向きは大成

功でなければ、国民からの批判の矢面に立たされてしまうのは、当たり前のことで

それだけに「金をかけたものは、何でも大人気」になるのは当然かも・・・。


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去年、韓国の音楽や映像産業が海外で上げた収益は、前の年より40%多い過去最

高の200億円余りに上っていることが分かりました。
これは韓国の中央銀行=韓国銀行がまとめている国際収支の統計から明らかになっ

たもので、韓国人歌手の海外公演やテレビドラマの輸出など、韓国の音楽や映像産業

が去年、海外で上げた収益は、過去最高の2億7000万ドル(日本円にして206億円)

に上りました。
これは前の年を40%余り上回り、10年前に比べると10倍以上の収益となっています。
 収益が大きく伸びた理由について韓国銀行の担当者は、韓国のテレビドラマがアジ

アで依然として好調なうえ、K-POPが日本にとどまらず、去年から広くヨーロッパな

どでも人気を集めつつあるためと分析しています。
 韓国政府は、文化産業の育成に投じる予算を毎年拡充するなど、国を挙げて、いわ

ゆる韓流ブームを後押ししており、韓国の音楽や映像産業は、今後も海外でさらに広

がる勢いを見せています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120207/t10015848141000.html



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【韓国経済】「K-POP」等、海外で好調のハズの韓国文化産業のトータル収支は大

赤字…知的財産権の使用料でも大赤字

昨年我が国が文化産業面において国外での収入が8億ドル(約8900億ウォン)に達し、
歴代最高値を記録したことが分かった。韓流熱風の影響があったと見られる。
6日韓国銀行国際収支統計によれば、昨年の我が国の文化・娯楽サービスでの収入

は前年より24.7%増えた7億9400万ドルとなり、関連する統計を集計した1980年以後で

最も多い金額となる。
これは我が国が映画・ラジオ・テレビ番組・音楽・教育・娯楽サービスなどで諸外国で

稼いだ収益をいう。
我が国の個人・文化・娯楽サービス収入は1996年までは一銭の利益もなかった。
1997年の500万ドルを皮切りに急増し2000年には1億3660万ドルを記録、2008年には

5億2750万ドルとなり初めて5億ドルを越えた。
国内大衆歌謡が海外で「K-POP」と呼ばれ、アジアを中心にヨーロッパや米国・南

米などで高い人気を得ることで、関連する収入が急増したと分析される。
国内ドラマや映画も数年前から中国・日本・東南アジアなどの各地で人気を呼んで

いる。
しかし、現時点では文化産業に収入よりも支出が上回っており、文化・娯楽サービス

面での収支は相変らずの赤字である。
昨年の文化・娯楽サービス支出は10億1780万で、トータル収支の数字はマイナス2

億2380万ドルと前年より赤字が1億6110万ドル減ったものの、今までに一度も黒字を

出すことができないでいる。
昨年の知的財産権など使用料の収入も43億2050万ドル(約4兆8300億ウォン)で史上

最大値となっているが、こちらでも収入よりも支給が多くてトータル収支は29億8120

万ドルのマイナスであった。

http://kimsoku.com/archives/6685954.html
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こういったカルチャーに対する姿勢には、民間の意識であるなら「費用対効果」の

厳密な検証が行われ、経費倒れならとっとと撤退が常道だが、そこに「他人の金を

使いたい放題」の思考法が蔓延する政府であれば、そこは「湯水の如く、垂れ流す」

のも厭わないとなりそうで、上の記事と下の記事を勘案すれば、経費増大の不良コン

テンツの類いとなり、後々これで矢面に立たされる人は「行くも引くも地獄」のそれなん

だろう。

まして「マネロン」と揶揄される南から北への資金供給に日本を絡めて、売れたはずの

ものは、結局二割五部を除いて「資金源」のそれとなれば、まさに「粉飾」の臭さが漂い

そうである。


こういった収支の「粉飾」は、大概収益悪化の企業には自己保身の役員がいるから、

監視をすり抜けて状態をますます悪化させてしまうのは歴史上に様々な事例が存在

している。

その中に、時価総額云々の株価操作で「企業収益」を粉飾し続けて、結果的につじつま

が合わなくなって、敢え無く破綻した企業として「エンロン」という、マネロン並みの胡散

臭い企業があった。

そのエンロンの手口の汚さと、そこで働く人間の「青天の霹靂」とその後の行動を、笑い

で描いていたのが「ディックとジェーン 復讐は最高」という映画である。


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http://www.youtube.com/watch?v=ubWVznIj_xg

「ディック&ジェーン 復讐は最高!」 〇五年公開作


七十七年のコメディ映画のリメイクなのだが、設定を変えてIT企業倒産ものとして、そ

こで働いていた高給取りが、一転して「貧乏から思いつく職業」として夫婦での「泥棒稼

業」と、大きな流れは前作のままブラック・ユーモアを交えて、失業者を皮肉ったり実在

の会社を毒づいたりと、社会的認知度の高い「破綻事案」を笑いながら、庶民の逞しさ

は何でも「生き抜いていく」のに、笑いは欠かせないとばかり、笑わせようとするのだが

それのほとんどが会話中心となってくると、主演のジム・キャリーの笑いの質と少々違

いがありそうで、またリメイクのそれとの違いが鮮明にないから、だんだん笑いが飽き

てしまい、まして邦題の復讐とは破綻した会社の最高責任者のあざといやり方に対して

のものだが、それがあっけなく・・・。

泥棒稼業への短絡的思考法と共に、二番煎じはダメだなぁ・・・、と、感想はそれだけ・・・。

現代風にアレンジされた物語は、笑いのツボも変化しているのだろうが、どうにもベタな

ものが登場してしまうと、新鮮味が・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=zpandB5iqNc

「おかしな泥棒 ディック&ジェーン」 七十七年公開作


こちらは設定が突拍子もない宇宙航空会社の斜陽化でのリストラで突然クビになり、

そして思いつくのが「泥棒稼業」というものだが、そこはエリートと目された職業が最

初は邪魔をして、「いい人」ぶりを遺憾なく発揮して失敗の連続と、演技と会話の妙

だけで愉しませる。

このトンでも夫婦を演じるのが、ジェーン・フォンダとジョージ・シーゲルの芸達者、

シリアスからこんなドタバタまでを上手くこなしている。

ただリストラのための解雇から、いろいろあって一躍その職場に復帰して、悪党は

贈賄で逮捕とか、因果応報も描いて、さながら庶民の不満のガス抜き的コメディの

体裁・・・。


とまぁ、コメディ映画にはたぶんにブラック・ジョークがちりばめられて、チクリチクリ

と社会ネタを笑いに変えるのだが、ある程度の寛容さが客にあれば受け入れられる

が、今の世の中ではその寛容さが失われているから、どこぞの人々同様、なんにで

も噛み付いて「褒める以外ない」なんてのが存在してしまうと、とっても暗い世の中

と言わざる得ない。


おかしな泥棒ディック&ジェーン(1977) [DVD]/ジョージ・シーガル,ジェーン・フォンダ
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                             といったところで、またのお越しを・・・。