悪魔が来りて笛を吹く | 圭一ブログ

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圭一のブログです。1984年宮崎県生まれ

悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)/横溝 正史

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宮崎から東京までの新幹線の中で、一気読みしました。

日本を代表する名探偵、金田一耕助が出てきます。
何度も映画化、ドラマ化されている、横溝正史の代表作です。

いわゆる斜陽族、没落する華族を主な登場人物にして舞台は六本木あたりのお屋敷。
ムダに美しい女は出てくるし、生活能力のない駄目男はいるわ、女中に手をつけるわ、近親相姦もありで、みんな世間体を気にするし、自殺も美しいし、殺人現場には不可解な音楽が華を添え、それがたいへん妖美でいい感じ。
なおかつミステリとしてのトリックはしっかりしていて、この時代の推理小説のレベルの高さも垣間見え、さらにどういう小説を時代が欲していたかも分かり、まさに必読の一冊です。

なにより、タイトルがいいね。そしてタイトルと小説の中身(マクロ)とトリックの要点(ミクロ)としっかりリンクしている。たまらん。