渡辺被告に無期求刑 台湾女子大生殺害「鬼畜にも劣る行為」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news002.htm
(読売:山梨)
日本を観光旅行中の台湾人女子大生、蕭任喬(しょうにんきょう)さん(当時21歳)を殺害したなど
として、殺人や婦女暴行、逮捕監禁など六つの罪に問われている富士吉田市上吉田、無職渡辺
高裕被告(28)の論告求刑公判が20日、甲府地裁(渡辺康裁判長)であった。検察側は一連の
犯行を「鬼畜にも劣る行為。卑劣、冷酷の極みで酌量の余地は皆無」として無期懲役を求刑した。
論告などによると、渡辺被告は2004年6月29日、同市上吉田の東富士五湖道路側道に止め
た車の中で、蕭さんの首をマフラーなどで絞めて殺害、側道脇の側溝に遺体を捨てた。
渡辺被告は28日夜、電話をかけにホテルを出て一人で歩いていた蕭さんに声をかけ、脅して
無理やり車に乗せた。ビニールテープで縛ってトランクに入れるなどし15時間以上にわたって連
れ回し、殺害の直前に車中で蕭さんに乱暴したとされる。
渡辺被告は捜査段階で容疑をいずれも認めていたが、公判では一転、「声をかけたら、蕭さんが
車に乗ってきた。乱暴したわけではない」などと供述。わいせつ目的略取、逮捕監禁、婦女暴行の
三つの罪で否認に転じた。
蕭任喬(ショウレンチョウ)さん
当時マスコミにも大きく取り上げられ台湾でも大きく報道されました。
http://www.ettoday.com/2004/07/06/153-1654273.htm
台湾は親日的だとよく言われますが、それはあくまでわが国統治下の時代を知る
高齢者が基礎となっており、現代のジャパニーズカルチャーへの親しみなども
その土台の上にあるといえます。
しかし戦後の反日教育、外省人流入など、また近年のわが国の台湾に対する
稚拙な対応により、その土台も磐石ではありません。
日本語を話す人口も約150万人程度になり、それも年々1割ずつ減っていると
言われています。
私も以前、勤務先の台湾事務所の仕事で頻繁に渡台しましたが年々微妙に
変化する対日感情を感じます。(もちろん悪化という意味だけではなく親近感
の度合い)
その中でこの蕭任喬さんは日本語を学びそして来日し悲劇に会われたのです。
そんな状況でご遺族から所轄警察署に礼状が送られます。
↓
毎日新聞 平成16年8.14
台湾人女子大生殺害 富士吉田署に遺族から礼状 /山梨
6月末に観光で来日した台湾人女子大生、蕭任喬(ショウレンチョウ)さん
(21)が殺害され遺体が富士吉田市で見つかった事件で、捜査本部の
置かれた富士吉田署に、遺族から「被害者が安らかに眠ることが
できます」などと事件の迅速な処理に対する礼状が届いた。
この事件では、同市上吉田、無職、渡辺高裕被告(25)が殺人、
死体遺棄、わいせつ目的略取など六つの罪で甲府地裁に起訴されている。
礼状は、台湾の駐日大使館にあたる台北駐日経済文化代表処にメールで
届き、日本語に訳されて原文とともに9日に同署に郵送された。葬儀や
宿泊の手配などにも「ご協力に厚く御礼申し上げます。警察の能力、
熱意に感動しました」と謝意を表している。同署の青柳一郎副署長は
「何より事件を早期解決できたことがよかった」と話した。
礼状には「日本と台湾の友情が永遠に継続するよう期待します」
と結んであった。
わが国でのお嬢さんのご不幸であるにも関わらず、ここまで両国の関係に配慮
される・・・
また
國民新聞
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H16/1607/1607059murder.html
将来は日本の大学院留学を夢見ていた蕭さんの遺志を尊重し、両親は
日台友好のため母校に奨学基金を創設する。
静宜大学の日本語学科3年に在籍、日本が好きだった蕭さんは
「卒業後は日本の大学院で勉強し、将来は貿易関係の仕事をしたい」
と友人に夢を語っていたという。こうした蕭さんの遺志を生かすため、両親
は死亡保険金や寄せられた弔慰金を、蕭さんの母校で日本語を学ぶ学生のため
の奨学基金として設立し役立てる意向を示した。
先に書きましたように台湾では年々日本語を話せる人が減っています。
それはすなわちわが国への本当の理解者の減少をも意味します。
日本語を学ぶための教育基金とはすなわち日台交流の基礎となるのです。
また上記の國民新聞にもあるように、日頃日台交流に努める両国の関係団体も
弔慰をまとめご遺族に届けます。http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H16/1609/1609067sympathy.html
この様に、台湾の親日感はそこに自然にあるだけではなく、両国の団体はじめ
個々の有志の活動の上にあります。
日本李登輝友の会
台湾研究フォーラム
http://www.nittaikyo-ei.join-us.jp/rondantaiwan.html
etc・・・
そんな両国親善の動きとそしてなによりご遺族のお気持ちに対し
この渡辺被告が法廷でどのような態度を取ったのか。
前回と8月の公判の様子を読売新聞が伝えています。
読売新聞 10.2
渡辺被告は「初めは死刑で構わないと思っていたが、嘆願書を見てやり直そうと考えた」と供述。
遺族から約1億5000万円の損害賠償を求められている民事訴訟で約1500万円を支払う意思
を示しているが、渡辺被告は「それ以外で相手の求める金額を支払っても良い」と述べた。
今年8月の公判で被害者の父親の錦錫さん(53)が「法廷でなければ一発殴りたい」と証言した際、「今殴れよ」と発言をし、裁判官から注意されたことについては、「気が済むなら殴
ってくれて構わないという意味だった」などと釈明した。
わが国の現状から量刑には限界があり、検察求刑も致し方ないのかもしれませんが
まさに鬼畜の所業であるこの犯罪には出来る限りの厳罰を願うばかりです。
渡辺高裕被告
この無反省な男の法廷での態度と今回の求刑を受け
今、ご遺族は果たしてどのようなお気持ちだろうか。