靖国神社:朝鮮戦争で殉職海保職員の「合祀」拒否

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060904k0000m040081000c.html

(毎日)


この毎日記事、悪意に満ちてると思ってしまうのですが・・・


近年合祀された数十柱の御霊は合祀もれとされています。

もともと国家護持の神社が戦後の憲法下の政教分離において

宗教法人となるわけですが、あくまで靖国は陛下の御社です。

その現状と絶対基準の中で靖国は苦心を重ねる事となります。

従前は旧厚生省の祭神名簿通知によって合祀基準の充足を

確認しえたわけですが昭和60年の社会党野田哲の質問に対し

増岡厚相が「適切ではない。止める。」としたものですから

以後、厚生省の記録を靖国側が閲覧して確認する事で

合祀を成す事が出来ました。

しかしそれも昨今の個人情報保護法の関連で困難を極めて

います。

靖国の合祀慰霊はその合祀基準を担保するためにも

政府関与無しには本来成り立たないわけです。

靖国が「大東亜戦争まで」と回答したのはそこまではかろうじて

政府関与の形式が整うのですがその後については

靖国単独で公務死と判断することが出来ないのです。

戦前であれば特旨をもって合祀することも可能でしたが

それでは陛下に政禍が及びます。


靖国は現行憲法下と祭祀の絶対原則の乖離の中で

大変な苦労を重ねているのです。


中谷さんのお気持ちは痛いほどわかります。

しかしその判断を靖国に求めるのはあまりにも酷です。


先の大戦下においても特務に殉じられ、それが非公式であるが故に

靖国に祀られておられない方が多数おられます。


中谷坂太郎さんは確かに公務に殉じられたと思います。

しかしそれが

・特務である事

・朝鮮戦争である事

が壁となり

現行憲法下であることが悲劇となっています。


しかしながら合祀を求めるのは靖国に対してではありません。

まず国に公務死であることの確認をしなければなりません。

その後現憲法下においても戦没者(合祀基準を満たす)との

司法判断を得なくてはなりません。

その判断を靖国に求めるのはあまりにも酷です。


毎日は「靖国が無下に断った」ように報道するのは

無知か悪意しかありません。


もし靖国がこの請求に対し主観的判断から合祀を認めたとしましょう。

(もちろん実態として靖国独断では絶対に出来ません)

すると毎日はこう報道するでしょう。

「朝鮮戦争特務殉死者を合祀。政教分離論争に波紋」


どちらにしろ残念なのはこの記事内容をもって少なからず

靖国批判がおこることです。

「靖国は冷たい」


そんな短絡的な気持ちは持たないようにしましょう。


----追記----

【地域と安保】より

戦後三十年余りたって当時の海上保安庁長官の手記が出版され、

全容が明らかになる。坂太郎さんが勲八等白色桐葉章を受け、

朝鮮戦争での「戦死」が公認されたのは、七九年のことだった。


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公務死としての判断は出されていました。

あとは国がどの様に対応するかです。