先日、ある不動産会社の営業マンの方と食事をさせてもらった。その方は素晴らしい営業成績を上げています。僕は、何故彼がそんなに卓越した成果を上げる事ができるのか?その正体が知りたく色々とヒアリングさせて貰いました。聞いていて感動のエピソードが幾つかあり、なるほどね!と腹に落ちました。許可を頂いたので、簡単にエピソードを幾つか記したいと思います。

ある大手企業で働く管理職の方がお客さんの話。やっぱり仕事が忙しく、帰宅時間も遅いし休日出勤もある状態だという。そして家を買いたいと思ってから数年購入できていない状況だったそうです。彼はそのご夫婦にいつも通り希望をヒアリングしていると何となく違和感があったという。そこで奥さんと旦那さんに一通り希望を聞いた後、「では、行きましょう!」と言って物件ではなく焼き鳥屋に行ったらしい。「え!?」ってお客さんは当然言う。そこで彼は「私が言うのもおこがましいですが、旦那さんと奥さんはきっと自宅購入に関する会話がまだまだ少ないのではないかと思いまして、私と3人でもう少し話をしてみませんか?」と提案したそうです。そこでの数時間の会話は決して会社では聞くことが出来なかった本音がポロポロと出てきたようで、後日まとめてみたら最初に聞いたニーズと大きく違っていたようです。そして焼き鳥屋で聞いた話から最もニーズに近い物件を3つ探し、その物件の管理人や住民にもヒアリングしてメリット・デメリットを提示して提案し、結果、大変喜んでくれ契約に至ったそうです。

もう一組は、お子さんの学校に合わせて引越しをしようと考えているのだが、まだどの学校に行くかは決まっておらず、その為に家もまだ決めてられていない、というお客様の話。その営業マンが何をしたかと言うと希望のエリア二区を聞いた後、その区にある学校全てに電話をし、全学校の校長と教頭にインタビューをして、数日かけて全学校のリストを作ったらしい。ネットで調べても絶対に出てない情報を自らの行動で掴み、お客さんにリストを渡したと言う。もちろんお客さんは大感動してくれたようだ。そしてそのお客様はようやく学校を絞り込む事ができ、その近辺の物件に当たりをつける事が出来、最終的に契約に至ったらしい。ちなみに彼が学校に電話している時、先輩や上司からは理解されにくかったらしいが、彼からすれば物件を薦めるよりも課題を取り除かないと購入なんて至らないと考えている訳で、だから現実的に考え、その手助けをして選びやすく手伝ってあげているだけ、そんな感覚のようだ。

彼はお客様に満足して家を購入して欲しい、という信念がある。だから2つのエピソードからも分かるように、不動産の営業マンという皆が思っている枠を超えて行動しちゃう。皆から遠回りしている、と言われるそうだが、彼からすれば最も近道を進んでいる感覚のようだ。当然のように彼のお客さんからの満足度は非常に高い。だからなのか彼の新規のお客様はほぼ全て、今までのお客様からの紹介で、常に不動産購入検討者が多数いると言う。会社や物件ではなく、個人としてお客さんが付いている訳ですね。

話を聞いていても感動して涙が出そうになった。そしてとても刺激を受けた。一流と呼ばれる方はやっぱりどこか違う。僕らも少しでも近づけられるよう、やっぱりコツコツ日々精進するしかない、と改めて思ったりしました。