一通りクリアはしたけれど | 羊飼いの戯言

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作品の感想や雑感をつらつらと述べたblog

 『ドラゴンクエスト9』を取り敢えずラスボスを撃破。

 最後は神の国に行って、堕天使エルギオス(第一形態)→邪竜バルボロス→堕天使エルギオス(第二形態)の順に連戦しましたが、途中で回復が行えるので体勢を立て直すことが出来て余裕でした。

 只でさえ第二形態の時はパラディンの「ひっさつ」が溜まって2ターン目に「パラディンガード」発動+3ターン目以降は効果が切れるまで「におうだち」という無敵状態になっていましたし、それに加えて魔法使い以外は全員パラディンの「はくあい」を100まで上げて習得していたため「みのまもり」が上がって異常に硬くなっておりました。更にエルギオスの行動パターンが打撃に終始するという偶然も重なって、ほとんどノーダメージで極めてあっさりと撃破。レベル的には30代半ば(バトルマスター・パラディン・そうりょ・まほうつかい)でした。

 この後、更に進めて「アギロのホイッスル」まで取得していますが、クエストや宝の地図ダンジョンは「やりこみ要素」でしかないのでスルーするつもりです。


 さて、ここからは反省会。ストーリー的には、元天使の主人公が人々の願いをかなえる7つのドラゴンボール女神の果実を集めてポルンガ神様を呼び出し、世界を滅ぼそうとする大魔王闇皇帝そして黒幕である堕天使を滅ぼす、という非常に既視感溢れる子供向けの内容。本来のプレイ層的には問題ないかもしれませんが、シリーズをFC時代の1からプレイしてきた大人からすると物足りなさの残る内容でした。一つ一つの女神の果実をめぐる人間模様は悪くないのですが、主人公があくまで傍観者の立場であることが多く感情移入しにくいのが問題かもしれません。土壇場で「女神の果実を食べて天使であることを捨てる」選択を迫られる場面でも、「ぶっちゃけ天使でいた時間より、人間(に近い存在)でいた時間の方が長いので、躊躇ありません。つーかそうしないとストーリー進まないんでしょ」程度の感想しか抱けませんでした。

 上記のような物語の薄さというか印象の残らなさは致命的で、多分将来的には駄作扱いされるのだろうと思います。比較するのも酷かもしれませんが、例えば過去の名作から引くならば『ドラゴンクエスト4』の『シンシアのはねぼうし(※)』一つを取っても軽く一時間はディベート出来るだけの重さを持っていますが、本作ではそういう強い印象を与えてくれる場面についぞ出会えませんでした。

 そういう意味では『ドラゴンクエスト9は一通りエルギオスまでしばいてクリアした』以上の経験は与えてくれなかったように思います。


 (※)ドラゴンクエスト4は第1-5章からなっており、1-4章で育てた仲間達が第5章で主人公・勇者の下に集結していくという構造。第5章の冒頭では勇者が生まれ育った村に魔物の群れが襲撃してくる場面がありますが、まだ未熟な勇者を守るために幼馴染のシンシアがモシャスで勇者そっくりの姿に化けて身代わりとなって討たれるというくだりがあります。魔物の群れが引き上げた後、廃墟と化した村の中をさまよっている際にシンシアと遊んだ花畑を調べると「はねぼうし」が拾えます。この「はねぼうし」を勇者にずっと持たせておくか、ふくろに入れて共に旅をするか、さっさと売り払って旅費の足しにするか、たかがデジタルデータ一つでも色々と考えて感じさせてくれる要素です。