sacai 2015-16 AW !!! | ダイコ★ブログ

sacai 2015-16 AW !!!





 はい。今日は大人気のブランド、sacai(サカイ)のリポートをしたいと思いますよ。



 
 毎シーズンパリコレスケジュールの4日目の朝にプレゼンテーション形式で作品を発表するこのブランドですが、今回の会場はRue Saint Honoréにある由緒正しきOratoire Du Louvre(オラトワール・デュ・ルーヴル教会)での開催です。




 この教会は1612年に建設が始まり、翌1613年ルイ13世の統治下でルーブル宮殿の王家の教会となります。1811年ナポレオンの命によりプロテスタントの洗礼教会となります。


 パリの重要な文化遺産である事は当然で、
Rue Saint Honoréという最高のロケーションにありCHANELのカンボン通りの本店にも程近く、ショッピングの合間にホッと出来る場所ですねぇ。。。。教会としてだけではなくクラシックミュージックを中心とする様々なライブ等も頻繁に開催されていて、6月の夏至の日にPARIS中を上げて行われるFête de la Musique(フェット・ド・ラ・ミュージック=音楽祭)の時には実に素晴らしいコンサート等が行われます。



 にしても、、、、、、教会で、、、、しかも400年も近く前に建造された偉大な建造物をプレゼンテーション会場に。。。。。。。。。日本では、まず無理!!!!!!!!





 『日常の上に成り立つデザイン』というブランド創立時より追求するエターナルなテーマをメソッドに、リアルクローズの中では定番とも言える私達が普段気軽に袖を通している、オーセンティックなアイテムをベースコレクションをクリエイトしている今最も日本が誇るブランド、サカイ。。。。


 デザイナー阿部千登勢は日常の中に生まれるさり気ない甘美な違和感を、いつも遊び心たっぷりに見せてくれます。。。実際にデイリーで着て生活をするという絶対的なルールの中で、時に自分自身をアゲてくれる楽しい要素や何気なく人に気付かれて話題になるようなユニークなディテールを秀逸に鏤め、パリコレをスタートした2011-12 AW COLLECTIONより絶大に世界中のファショニスタ達に支持され、毎シーズンスケールアップして行く会場のセレクトやプレゼンテーションの内容等にこのブランドの勢いを感じます。



 まぁ、このブランドがいかに人気かは、皆様のほうが良くご存知の事でしょう。。。。



 今回のコレクションのキーワードは『unexpected(思いがけない)』。。。。一見するとクラシカルなアイテムをオリジナリティ溢れる素材使いや、構造自体にメスを入れたデザインで再解釈し、私達の先入観を心地よく裏切ってくれます。。。。


 まず、ファーストルックにはこちらはグレー1トーンのルックが登場します。一見するとグレー一色に見えますが、ジャケットとパンツに使われているのはヘアラインのハウンドトゥースというクラシカルなファブリックです。

 
 本来の機能から取り出したデザインの胸元の雨よけやフラップポケット等がアクセントになったジャケットには、フロントにナイロンのディテールが取り付けられたコンバータのアイテムになっています。ジャケットの下にはキルティング加工のシャツを合わせ、襟元からインナーのネイビーをまるでスポーツウエアのラインのように少しだけ覗かせます。


 パンツはタックを入れながらも全体的にほっそり仕上げ裾にはカフスを施し、ルック全体で見ると実にクラシカルですが、要所要所にサカイらしいアイディアをふんだんに盛り込んだ拘りのルックです。


 こちらの実にシックなルックも思いがけないアイディアが詰まっています。


 クラシカルなヘリンボーンで仕立てたルックですが、使われているのはニット。。。。しかも裏返しで使用する事で不規則な楽しさを取入れています。ニットを使用する事で全体に柔らくふっくらした印象に仕上がり、インナーに同じヘリンボーンにホワイトのリブを施したニットや、また同じニットの表側のヘリンボーンを使用したマフラーを施し、トップスをアンサンブルのようなムードにまとめているのもスタイリッシュです。


 ジャケットはこちらのルックではスタンドカラーにしてボタンを留める着方ですが、テイラードに仕立てられているのでそのようにも楽しめます。襟裏にブラックの別布をアクセントで施し、ラペルにボタンが施してあるのでこういう風に着こなせますね。。。。イギリスのハンティング シーン由来の伝統的なテクニックを実にモダンに解釈したアイテムです。。。。


 Women'sで様々に姿を変え、毎シーズン奪い合いにもなる程人気のライダースジャケットもメンズコレクションに登場し、サカイの男子ファンも恐らく嬉しい事でございましょう。。。


 コンパクトなシルエット、滑らかなレザーで仕立てられたジャケットにも気の効いたテクニックが伺えます。。。。まず、特徴的なのがスタンド カラー。オーセンティックなダブルフロントのライダースの場合、襟が付く事が多いのですが、顔の廻りを飾る一番のポイントの襟を外す事ですっきりまとめ、新たなムードを感じさせます。


 スリーブにはいくつもの個性的なカッティングを施しワイルドなムードで、袖口に短めのジップを付け、ジップを開ける事で袖口がパッと花のように広がるディテールも実にチャーミングですね。。。フロントのジップの部分にはグラグランリボンを使用しているのも、サカイの特徴的なディテールで嬉しいですねぇ~。。。。



 AWらしい暖かそうなボアのアイテムも登場していましたが、その取入れ方にもデザイナーの阿部千登勢さんの唯一無二のファブリック セレクトのセンスが冴え渡ります。


 こちら、表地にはスエードを用い、裏側にメランジェされたモコモコのボアをライニングしています。デザインは伝統的なジャケットをベースにし、胸元の切り替えやたまぶちの胸ポケット等ユーテリテイーを感じさせ、身頃のポケットのフラップの裏側やカフス等から内側のボアを少し覗かせるのもチャーミングですね。


 インナーのジップブルゾンは対照的に実にコンテンポラリーなアイテムです。フロントジップやライナーのような生地のポケット、パインピングのディテール等スポーティーな要素を取り込んでいますが、トップスのライナーと同じボアで仕上げる事で不思議な統一感が生まれます。


 このジャケットの裏地とインナーのファブリックを同じにするテクニックは実はWomen'sのHaute Coutureのタイユール(テイラード)等ではクラシカルなテクニックで、イヴ・サンローラン等ではブラックスーツにライナーがオペラピンク、同じオペラピンクのブラウス等をインナーに合わせて、ランウェイでモデルが歩きながら脱ぐと会場から歓声が上がるという光景を良く目にしました。


 そんなエレガントなスタイリングをさらりとメンズウェアにも取入れてくる。。。。。素敵ですねぇ~。。。。



 サカイのメンズウエアを物語る上では欠かせない、スポーツテイストやアウトドア的なユーティリティーのディテールも、今シーズンは少しシックなアイティチュードで登場していましたね。。。


 こちら、ランダムに撚られた糸で甘く織り上げられたツイードを使用したプルオーバー。ファブリックの独特のテクスチャーが印象的でしたね。


 ユーティリティーのディテールを演出しているのがライナーに使用したプルオーバー。オーセンテックなプレイドをベースに、施したフードにはドローストリング、ニットのヘムから覗く裾にもドローストリングを施し、そのディテールを覗かせる事で一気にルックをスポーティーに仕上げます。


 サカイのアイテムにおいてこういう細かいディテールはもはや芸術的なまでに見事ですね。クラシカルのシャツの裾にあえてリブのディテールとか、Tシャツのヘムにドローストリングが施してあったりと、アイテム同士をレイヤーするとちゃんとその部分が見えるように出来ているのは、細かい所に拘るファショニスタ男子達のハートを鷲掴みにしていますね。。。
 


 ヘリンボーンのアイデアをさらに進化させてアイテムとして注目だったのが、こちらのケープです。


 3Dの畝がユニークなファブリックでボディーを作り、ヘムにはフリンジのディテールでフォーキーなムードをプラスします。反対に襟元はミリタリーのパーカーのディテールを取り入れ、デイリーでも違和感なく取入れられそうな、スタイリッシュでインパクトのあるケープに仕立てています。


 こちら襟元はカーキ、ヘリンボーンの部分はホワイトのチャーミングなカラーリングのアイテムもございましたよ。。。。


 クラシカルなファブリックが中心だった今回、こちらのレオパードのプリントは実にキャッチーに映りましたね。


 少し起毛したフワフワのジャカード織りのファブリックで表現されたレオパードは、グレー、ブルー、ブラックと鉄板の男子カラーで仕上げてあるので、レオパードが苦手という男子にもトライしやすいですし、クラシカルなツィードやヘリンボーントとの相性もバツグンでしたね。


 こちらはアウトドア ジャケットのディティールをベースに作られており、ポケットのディテールやカフスや襟元から覗くグログランのディテール等が効果的に取入れられていて、やはりカラーのせいか実にクラシカルなムードでしたね。。。


 こちらはミックス ツイードを使用したバルマカーンコートですが、ブラウンベースの中にブルーのラインがアクセントになっていて、実にチャーミングなアイテムでしたね。


 撚りの甘いサクサクのツイードに、ライニングで同じブラウンベースのチェックを用い、フードや前立てからチラ見えする感じが芸が細かいですね。インナーには裏地と同じチェックのトップを合わせ、レイヤーを楽しんでいます。


 バルマカーンコートとはステンカラーコートの別名です。往年のハリウッドのミュージカルスター、フレッド・アステアが着用した事で有名になったアイテムは、元々は雨除け用のレインコートやトレンチコートから変化したと言われています。


 本来はラグランスリーブで比翼のフロント、後ろが立ち上がった独特の襟からsoutain(フランス語の支える=英語のsupport)と襟=collarを混ぜた和製英語が名前の由来で、後ろが立ち上がり前に落ちている形状からStand Fall Collerから来ているとも言われています。


 正式にはバルマカーン コートと呼びますが、これはインバネス コート(シャーロック・ホームズ等でお馴染みのケープ付きのコート)の由来となったスコットランド、インヴァネスの近郊にあるバルマカーンという地名に由来しています。



 今回新しいファブリックとして、柔らかなウールとトリコットの間にスポンジを挟み、3層構造のオリジナリティー溢れるボンディングも登場しました。一見クラシカルにも見えるこの素材は実にユニークな動きを見せ、その楽しさを十分に発揮するように変化をつけながらデザインの違うジャケットに落とし込まれています。


 こちらはドローストリングとローエッジのポケットがアクセントになったアウトドア ジャケットですが、ライナーのビビットなグリーンやグログランリボンのディテールがチャーミングで、袖をロールアップして楽しめます。


 今季また注目なのがルックを個性的にまとめているチューリップハット。70'Sに一斉を風靡したこの印象的なハットをスクエアなカッティングで施す事でモダンに仕上げ、スタリッシュでフレッシュなムードに仕上げているのも素敵でしたね。


 今回カラーパレットは実にマンリーです。ネイビー、グレー、ブラウン、カーキ等のスメンズウエアではお馴染みのタンダードカラーをベースに、グリーンやブルー、オレンジ等のアクセントを少しだけプラスするというのがポイントでしたね。


 先ほど登場したメランジェのボアを使用したジャケットを、ベージュのスエードとホワイトのボアで仕立てたこちらはまた違う表情を見せてくれていて素敵です。インナーはカーキのスーツとシャツで1トーンにまとめ、ベージュと一部分だけオレンジの指し色の入ったインパクトのあるマフラーがさらにキャッチーな印象です。


 毎回コラボを中心に個性的なシューズが登場するサカイですが、今季はフランスの伝統的なラバーソールのシューズブランド、Paraboot(パラブーツ)とのコラボレーションでスペシャルなアイテムが誕生しました。 チロリアンシューズのブーツタイプの『MUCY』をスムースレザーで仕上げ、エプロン部分には取り外し式のキルトを施して登場していましたね。


 オリジナリティー溢れるカラーリングとシューレースが素敵で、個人的にはバイカラーのアイテムは注目でしたね。。。



 
 ダークで落ち着いたカラーが中心だったコレクションですが、後半にはこんなホワイトのルックが登場し、AWのクリスマスシーズンにはバッチリの可愛らしいルックでございましたね。


 ダイナミックなヘリボーンのケープのように巻いたビッグストールに、インナーにコーデュロイのプルオーバーをコーディネイトして、その下のはシャツをレイヤーしています。


 パンツのパターンもヘリンボーンなんですが、、、、、実はこちら、ゴーデュロイをバイアスで繋ぎ合わせる事でこのパターンを描き出しているんです!!!!いやぁこれにはビックリでしたねぇ~。。。





 実にユニークで個性的なアイテムをパズルのように組合わせて、思いがけない楽しさと新しさを感じさせるサカイの2015-16 AW COLLECTION。。。。クラシカルなファブリックやデザインをベースにする事でフレンドリーさがさらに増し、カラーをベーシックにコントロールする事で、アイテム一つ一つの個性やディテールがより浮き出した素敵なアイテムが並びましたね。





 コーディネイトとして注目なのがトップスを同じトーンにまとめてボトムと思いっきりコントラストを着けたり、スーツスタイルをベースにアウターやアクセサリーでアクセントを付ける等、絶妙に取入れたセットアップスタイルでした。こうする事でコーディネイトはすっきり見え、一つ一つ綿密に計算されたアイテムはよりその効果を発揮し、スマートなプロポーションを生み出していたのは素晴らしかったですね。。。。






 ますます、フレッシュで魅力的なアイテムが勢揃いした今回、一見するとベーシックに見えますが、よ~く見ると実に個性的。。。。そんなサカイのコレクション、特にアウター等に注目してAWの個性的で楽しいスタイルにトライしてみて下さいね。。。。







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