TOGA 2014 SS !!! | ダイコ★ブログ

TOGA 2014 SS !!!



 続いてはTOGA(トーガ)のプレゼンテーションにお邪魔して来ました。会場となったのは、3区にあるLa Gaite Lyrique。こちらは元々劇場だった場所を改装して美術館にした場所で、コンテンポラリーアートを中心とする現代美術館です。


 この美術館には歴史を感じさせるクラシカルなインテリアをそのまま生かしたサロンがあり、前回の2013 FW Haute Coutureの時、あのVIKTOR&ROLFと3ショットをさせて頂いた、私的にはかなり思い出の深い場所ですね。




 プレゼンテーションのBGMはなんと生ピアノ。グランドピアノが会場に持ち込まれ、優雅なムードとピッタリでしたね。こういう演出がしっくり似合ってしまうのが、パリの素敵な所ですよね。



 さて、今回こちらの素敵なサロンでモデルを使っての新作のプレゼンテーションが発表されました。もともとヨーロピアンなテーストをアーティスティック且つコンテポラリーに表現する事が得意なこのブランドらしい、アイディアとオリジナリティーに溢れた作品が会場を華やかに飾りましたね。


 今回のテーマは"Line(ライン), Block(ブロック), Tribal(トライバル)"。デザイナーの吉田泰子さんはよりストイックなアイディアによりコレクションをクリエイトしたようで、複雑に考える事を否定しより単純化する事で、力強いデザインを目指しました。シルエットはコンテンポラリーなのに実にフェミニンです。トップスはストレート、またはフレアーのラインをハイウエストでマークし、広がるスカートやパンツ、タイトスカートでまとめます。少しだけ立ち上がったハイネックのカラーのデザインや、ショルダーやスリーブにボリュームを持たせたディテールなどオリジナリティーに溢れています。


 カラーはモノトーンを中心に、ターコイズやジェイド(琥珀)、アゲート(瑪瑙)など宝石のカラーにインスパイヤされたようなパレッドで、デコレーションにも使われた大きめのジェムストーンのパーツとリンクし、実に楽しく、このブランドの得意とするエッジィなテイストを強く感じられましたね。


 では、ファーストルックから見て行きましょう。ノースリーブのトップスは、ブロックでキュビズム絵画のように違素材の組み合わせで色面構成され、大理石のようなピンクのジェムストーンのモチーフが華やかにセンターを飾ります。ウエストにはレザーのコルセットと、同じく大理石のようなテクスチャーの樹脂製のベルトをあしらい、スカートは縦のラインを強調したインバーティドプリーツのアイテムで、サイドのタックが流動的な印象です。



 今回注目の一つが、こちらのコンテンポラリー且つトライバルな要素も見せる様々なジェムストーンのデコレーションです。かなり大きめの樹脂製のパーツですが、直線的にアイテムの上にデコレーションされ、生地自体のカッティングと合わせてオリジナリティ溢れる世界観を表現していましたね。


 ジェイド(琥珀)やアゲート(瑪瑙)、大理石風のビジューはデコレーションとアクセサリーの両方で取り入れられ、アーティスティックなルックに仕上がり、様々な大理石を用いられて作られたこちらのサロンのインテリアに見事にマッチしていました。


 より、単純かされたシルエットや直線的なカラーブロックは同時にスポーティーな印象も感じられましたね。TOGAが目指す様々な魅力を兼ね備えた女性像のように、その中に同時にエレガントさやアバンギャルドさも感じられるのは見事な匙加減です。


 胸元、肩、袖の部分をボリューミーに仕立てされたトップスは、ウエストで大胆なタックによりまとめられ、ほっそりとしたタイトスカートのボトムス部分にエレガントに繋がります。鮮やかなスカイブルーのマテリアルにはブラックやホワイトのカラーをまるでテープを貼ったようなダイナミックなカッティッグが施されます。


 センターには鼈甲風のジェムストーンが飾られ、シンメトリーなデザインが何か独自の民族の儀式衣装等を彷彿させるスピリチュアルなムードも素敵でしたね。


 アヴァンギャルドなデザインを得意とするブランドの中には、よりユニセックスな方向にクリエイションし、セクシャリティーを明確にしないデザイナーも少なくはないのですが、トーガはそんな中にもきちんとしたフェミニンさを追求してきたブランドです。


 逆にメンズは実に男っぽく性差がはっきりしていて、スタイルの中に独特のセクシーが感じられて、日本のブランドの中でこれだけ上手にこういうテイストを作品に込められるデザイナーは以外と少ないんですね。。。ほら、どう考えてもセックス下手そうな、ストレートの男子が作ってる服って多いじゃない。。。。。大嫌いなんですけど、そういうの。。。。

 

 こちらのトップスも実に女っぷりを上げてくれるアイテムで、 襟元は禁欲的なまでにしっかりと肌を覆い、中に一枚シャツを着ているようなディテールも重装備です。エッジィな肩や胸元のジェムストーンのデコレーションもガードの固さを表現しつつも、パスフリーブの袖口の部分にのみシースルーのマテリアルを使い、多くの女性が自身を持って見せる事の出来る部分、肘から手首までを露にするディテールが実に艶やかですね。


 見せる部分と見せない部分のコントラストを上手に使い、安心したセクシーさを表現した、実に良く出来たアイテムだと思います。



 こちらは今回大注目のマテリアルを使ったルックです。まるで蛇が蛇行するのような、流動的なパターンを施したジャカードは、アールヌーヴォー的な退廃的なムードと、モダンアートのようなスタイリッシュな印象を持つ個性的な素材でしたね。


 様々なアイテムになってルックに登場するこのマテリアルですが、こちらは小さなトップスとパンツのセットアップで、コンビネゾンのようなフォーマルな印象が素敵ですね。トップスはホワイトの小さなカラーが施され、センターにはブラックのラメのラインが施されます。さらにその上にマーブルや、ガーネット、アゲートのようなカラーのジェムストーンを飾り、インパクト大ですね。


 同じマテリアルのほっそりとしたパンツ、起毛したニットのカーディガンをコーディネイトして、ブラックのラメのブロックとリンクするようにブラックの光沢のある素材のブレスレットを左右に施します。




 同じマテリアルはコートでも登場しましたよ。こちらのジャカードのカラーは麻のようなプリミティブなイメージで、トライバルな印象もすてきですね。ショルダーやスリーブに程よいボリュームを取ったコートには、デザインポイントともなっているレザーの大きなパッチポケットが施されます。


 インナーにはジェムストーンとカラーブロックのトップスと、ボトムはショートパンツの上にハイウエストのタイトスカートを重ね、レイヤーを楽しんだアイテムがコーディネイトされ個性的なムードですね。



 ニットはこちらの起毛のマテリアルが注目でしたね。ブラックやアンバー、レッド等のカラーで登場していて、アバンギャルドで素敵でしたね。ツイードのパターンのように織った素材でパターンの間から長めの糸が飛び出し、ファーのような印象でしたね。


 こちらのようにアンサンブルで着るのも良し、カーディガンを肩から掛けて着るのも良し、先に登場したスタイリングのようにカーディガンだけをファーのボレロのように肩から羽織るも良しといろいろ楽しめそうなアイテムでしたね。



 フラワーモチーフのジャカードのマテリアルも登場していましたが、ボタニカルなパターンもこのブランドらしくエッジィに取入れられていて素敵でしたね。ショルダーに複雑なカッティングを施し左右に張り出したスリーブにはブラックのラメのマテリアルで切り替えを施し個性的なトップスを作り出します。


 スカートはウエストのサイドにレザーを用い、こちらもやはりコンテンポラリーな印象のハイウエストのタイトスカードです。セットアップする事でドレスのような効果を生み出しているのが面白く、もちろんそれぞれのアイテムで楽しむ事も出来ますよ。


 フラワーモチーフは他にモノトーンのジャカードや、ホワイトにゴールドでエンブロイダリーが施されたマテリアルなどありましたが、どれもエンジィでモードな感じに取入れられていて素敵でしたね。



 今回ルックを構成していたのはオリジナリティ溢れるスタイリングの妙技。一見プレーンなドレスに見えるようなルックは、個々のアイテムを複雑にレイヤーする事で作り出されていたりと想定外のスタイルが実に新鮮でしたね。


 こちらは一見エレガントなソワレのように見えますが、ラメのマテリアルのコンビネゾンにロングジレをレイヤーして、ジェムストーンのベルトでウエストマークしたというスタイリングのルックで面白かったですね。他にふんわりとしたロマンティックなスカートも実はパンツだったりと、想定外の面白いアイディアが詰まったアイテムが豊富でしたね。 




 はい、素敵な会場の中のモデルちゃんがプレゼンテーションを行っていたブースに乱入してパシャリ!実は私のこの現場証拠写真が一番リアクションが多いという驚きの事実が判明しました。。。。ちゃんと裏取ってリポートしてますので、本文のほうもちゃんと目を通して下さいまし。私の画像は。。。。おもろいだけですから。。。




 前シーズンから5年ぶりにパリでのプレゼンテーションを復活させたトーガですが、やはりこの個性的なスタイルはパリで絶大に支持されているようです。オペラやパーティーと只でさえ、日本よりもフォーマルな場が多いパリ。しかもコレクションシーズンに世界中から集まるバイヤーやジャーナリスト達は、デイリーでも比較的自由にファッションを楽しめるライイフスタイルを送っている人達が多く、個人主義を尊重する文化根付いてるために、それぞれが周りを気にせずに自由にファッションを楽しめる環境にあります。


 個性的なスタイルを求めるハイセンスなファショニスタ達にとって、人と同じは大罪でより個性的なスタイルを求め、このブランドのような独自なスタイルをきちんと持っているブランドはとても評価されます。


 トレンドや時代の気分も取入れながらも、確固とした美意識を感じさせたコレクションは、周りの意見に流されやすかったり、無難な物を求めがちな日本のマーケットより、自立した世界的なマーケットのほうがより評価が高そうな気がしますね。


 いやぁ、もっともっと世界で活躍して頂きたいですね。このブランドの研ぎすまされたスタイルは、自立した強い意志を持った女性にこそ似合うスタイルだと思いますね。優柔不断な日本のマーケットは海外セレブが着たとか、そうゆう服本来の良さではない部分で左右されていますからね。。。今回のプレゼンテーションを見せて頂いて、世界の名だたるアーティスト達がこのブランドのドレスに袖を通す日はそう遠くないんじゃないかと感じさせる、TOGA(トーガ)の2014 SS コレクションでした。



 TOGA 2013-14 FWの東京でのプレゼンテーションのリポートはこちらからどうぞ。


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