MAISON MARTIN MARGIELA 2014 SS !!!
続いてはMAISON MARTIN MARGIELA(メゾン マルタン マルジェラ)のコレクションのリポートへと参りましょう。
しっかりとしたテーラリングのテクニックをベースに、シニカルな目線でユーモアたっぷりのスタイルを発表し、コアなファン達を始め、世界中で絶大に支持されているこのメゾンですが、ここ数シーズン肩肘張らないリラックスしたフェミニンさを追求して好評を得ています。
そんなパリが誇るアバンギャルドメゾンが今回テーマにしたのは、煌びやかなサーカスの世界です。照明が当たりキラキラと華やかに輝くスパンコールやラメのマテリアル、綱渡り芸人のビスチェ、空中ブランコ乗りのトラウザー、キャバレーコルセットと50'Sのレトロなムードを漂わせたスタイルは、楽しくロマンティックな世界です。
そんなアイテム達はしっかりとしたテーラリングのジャケットやスーツ、コート等とスイタイリングされ、新しい現代のリアルクローズに落とし込まれます。これが今回のテーマ。マニッシュなチェスターコートの内側にキラキラ輝くスパンコールのビスチェをコーディネイトしたり、かっちりとしたジャケットにシフォンをドレスを重ねたりと、クラシカルでドリーミーなサーカスのアイテムは、コンテンポラリーでリアルなエターナルなアイテムを融合する事で、新たなハーモニーを奏でます。
では、早速作品を見て行きましょうね。ファーストルックに登場するのは鮮やかなレッドのスーツです。後ろに開きを作ったプレーンなジャケットには、身頃に切り込みを入れてフラップを作るポケットを施し、あくまでもフラットな印象です。
センタープリーツをかけたゆったりとしたパンツをコーディネイトして、マニッシュにスタイリングしていましたが、ファーストルックという事もありサーカスのオープニングで観客を盛り上げる役割のピエロの衣装のような感じがしましたね。
今迄とは少しムードの違う、こんなラメとスパンコールのブラトップ等も登場していましたよ。大胆なビジューモチーフのキラキラ光るアイテムは、ジャケットの上に重ねて新しいスタイルを作り出します。
このメゾンにはMaison Martin Margiela ‘Artisanal’ (メゾン マルタン マルジェラ ‘アーティザナル’ )というHaute Coutureのコレクションがあり、世界中から集めた様々なモチーフやヴィンテージのドレス等を使って作品を発表しているのは、皆さんもご存知でしょう。そちらの制作の途中、様々なクラシカルなアイテムを解釈する中で誕生したような今回のコレクションですが、ストラップやバックのホックのディテールもどこかレトロで、ハードな動きにも耐えられるサーカスのコスチュームに無くてはならない要素迄再現したような拘りが感じられますね。
このストラップのゴツい所や、プリミティブなカッティングがレトロで、実に可愛いんですよね。。。
軽業師やピエロの衣装をイメージさせるドミノのデザインも、メゾン マルタン マルジェラらしく解釈されて登場していましたね。パブロ・ピカソを始めとして、様々な画家達がモチーフにして来たアルルカンのコスチューム等に見られる、このジオメトリックなモチーフもこんな洗練されたスタイルで再解釈されていましたね。
ジャケットに大きくカッティングで表現したパターンはダイナミックな印象で、菱形を変形させ、サイドからさらに少し覗かせる事で、ウエストを細く見せる効果もあります。前中心に向かって斜めにカットされたヘムは、キャバレーコルセットのディティールを取り入れ、ショートパンツと取り外し可能なアクセサリー・スリーブで、コンテンポラリーなサーカスの世界を実に巧みに表現していましたね。
こんな優しいイメージのシフォンのドレスも登場していました。サーカスのシアター・カーテンをイメージした美しいドレープのアイテムは、これ単品で見ると、『え?マルジェラ?』と思ってしまう程、フェミニンでエレガントですが、こちらのアイテムもコレクションではインナーにスパンコールのコルセットを重ね、さりげない透け感を楽しみ、ボトムにはメンズライクなピンストライプのトラウザーをスタイリングしていて、今シーズンのメランジェのムードを楽しんでいましたね。
このシフォンのアイテムは、ドレープをトワルの上に施し、裾をラフカットしたビスチェ等も登場し、まるでアンティークのステージコスチュームを、現代のシャープなデザインのパンツスーツにコーディネイトして、その違和感迄楽しむようなスタイリングで登場していましたよ。
こちらはシフォンのドレスとスパンコールを重ねたスタイリングのルックですね。ヴィンテージのコスチュームを彷彿させる、クラシカルなハニカムのパターンでエンブロイダリーが施されたビスチェには、今回沢山登場するコットンの綾織りのリボンがセットされます。これはジャケットなどのバックにもあしらわれていたディテールで、メンズライクなシルエットをフェミニンに楽しむのに効果的でしたね。
重ねたシフォンのドレスはエラスティックの幅広のバンドでドレープを施す事でユニークなフォルムを描き出し、もちろんこちらのルックもボトムにメンズライクなトラウザーをコーディネイトして、ビター&スイートで楽しむのをオススメします。
アクセサリーもやはりメゾン マルタン マルジェラらしく楽しかったですね。こちらは腕を通す部分のストラップにブレスレットのデザインを取入れていますが、いや、このビックリするくらいのオーバーサイズ感は溜まりませんねぇ。。。こちらショルダーバッグのタイプもあり、不思議なバランス感が楽しかったですね。
他にジュエリーでは綱渡りをする曲芸師のような、フープを使った楽しい動きを見せるネックレスや、ブレスットになるリングや、ネックレスになるブレスレットなど軽やかさを感じせ、アイテムの枠を空中ブランコのように飛び越えたアイディアが斬新でしたよ。
コレクションにも登場していたシューズは、一見エレガントですが、そこはこのメゾンのクリエイションですもの、もちろん皆様の期待を裏切りませんよぉ~~!!!
前から見ると美しいスクエアなアッパーが印象的ですが、こちらのヒール、、、、はい、宙に浮いております。サーカス芸人のアクロバティックな動きを表現して、実にユニークで躍動的なデザインが取入れられます。他にまるでヒールが足先にズレたようなデザインのシューズあり、フェミニンなテイストに『あれ?』って感じの、甘美なユーモアを取入れたメゾン マルタン マルジェラらしいアイテムになっていました。
こちらも実に可愛らしいアイテムですね。肌触りの良いベージュのショートスリーブのニットにはスパンコールで描かれた華やかなモチーフが印象的です。
Haute Coutureで実に高いテクニックを見せてくれているこのブランドで、もっと緻密にエンブロイダリーを施すなんて簡単でしょうが、あえてこのプリミティブな仕事が、サーカスの持つ刹那なワクワク感を表現していて趣深いですねぇ~。
アラベスクのモチーフは折りたたみ式の観覧車や回転木馬等に施されたデコレーションをイメージさせ、サーカスフリークスの私には溜まらないアイテですね。。。。大きめのサイズだったら着れないかなと虎視眈々と狙っております。。。
実際にこういうハンサムなスタイルで、華やかなラメのアイテムを取入れるのが次シーズンのおすすめのコーディネイトです。レッドのラメのジレはインナーに着て、サロペットタイプのブラックのゆったりしたパンツ、レッドのカッチリしたチェスターコートとコーディネイトして、フロントにチラ見せするのが憎いですねぇ~。
デイリーのスタイルに少しだけ遊びをプラスして、輝くアイテムは肌映りを華やかに見せてくれる効果もありますよ。
曲芸師達のキラキラとしたコスチュームを強く感じさせるビスチェも、このメゾンにかかるとオリジナリティー溢れるアバンギャルドなスタイルに解釈されるのが実に楽しいですね。
きちんとした考察と研究の結果から、当時のコスチュームの持つレトロなムードを見事に再現し、50'Sのクラシカルなパターンやカラーリングのエンブロイダリーは、ずっしり重い印象を作り出します。あえて緻密な違和感を見事に作り出したルックは、実にこのメゾンらしい愛情溢れる解釈に思わず笑みがこぼれますね。
シャープに作り上げたショートパンツとアーム・アクセサリーで個性的なスタイリングを楽しみ、只のキラキラなスタイルに落とし込まない所がこのメゾンのマニアックな拘りを感じさせてくれて素敵ですね。
トレンチコートなどの典型的なアイテムはこのメゾンにとっては最高の研究材料で、レディース、メンズ、Haute Coutureと様々に解釈され名作を生み出して来ました。今シーズンはなんとドレス。。。。大胆に身頃の真ん中で切り落としたかのようなボディ部分には供布で幅広のストラップが施されます。
インナーには緻密にVゾーンを合わせたスパンコールのビスチェをコーディネイトし、フェミニンとマスキュリンの相反する要素が美しく融合したメゾン マルタン マルジェラらしいスタイルを作り出します。このアイテム実に好評だったようでプレゼンテーションの会場でも皆さん大はしゃぎしてましたね。
他にベーシックに着れるトレンチコート等も登場していましたが、程よいボリュームが施され、チラリと前立てから覗く部分にスパンコールのトップスをコーディネイトして、きっちりコントロールされた煌びやかさが見事でしたね。
今回、アームアクセサリーと供にコーディネイトを個性的に楽しむアイテムとして登場するのがこちらのビブ(胸当て)です。躍動する馬や舞い散る花々を描いた楽しいサーカスのハンドペイントにはビジューが飾られ、実に楽しいアイテムでしたね。このペイントはアームアクセサリーでも登場していましたよ。
他にアクロバティック・フラワーと呼ばれていた、サーカスのフィナーレにピエロが巻く花吹雪のような軽やかなフラワーモチーフのプリントや、ピエロの涙をイメージさせるティアドロップ型のパールをニットのスリーブ等に施し、揺れる感じを楽しむアイテムなんかも注目でしたね。
ヨーロッパの人々に取ってサーカスとは実に馴染み深いものです。恐らく人生で一番最初に体験するシアターエンターテイメンであり、フェスティバルの時にやってくる移動式のサーカスから、象や馬が登場する大掛かりな物迄その種類は様々で、フランスの名作、『天井桟敷の人々』にもガストンという美しいピエロが登場しますし、映画監督ジャック・タチもサーカスの情景をそのまま映画にしたような『パレード』という作品を残しています。パリの北マレにある150年以上も続くCirque d'hiver(冬のサーカス)と呼ばれるサーカス劇場は現在でもとても人気で、それほど文化に深く根付いたカルチャーです。
とかくファッションをシニカルに解釈してしてこのメゾンにとって、煌びやかな夢の世界の情景を真っ正面から取入れるというテーマは少し以外な感じがしてしまうかも知れませんが、もちろんそこは大丈夫。タキシードジャケットやトレンチコード等の典型的なアイテムを独自のユーモアで捻って来たように、この普遍的な誰もが愛するテーマにも彼ら流のユーモアが込められます。
普遍的だからこそアレンジのやり甲斐があり、ユーモアの題材としてうってつけ。全く相反するスポットライトの中のスパンコールのアイテムは、シックでハンサムなデイリーのジャケットやコートと融合し、新たなメロディーを奏でます。
是非、貴女なりの匙加減で甘くも辛くもなる、次のシーズンのメゾン マルタン マルジェラの煌びやかなサーカスの世界を楽しんで下さいね。
2013-14 FW Maison Martin Margiela PARIS Prêt-à-Porter COLLECTIONはこちら からどうぞ。
2013-14 FW Maison martin Margiera ’Artisanal’@PARIS Haute Couture Collectionはこちら からどうぞ。
2013-14 FW Maison Martin Margiela PARIS MEN'S COLLECTIONはこちら からどうぞ。
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