NeIL BarreTT 2014 SS !!! | ダイコ★ブログ

NeIL BarreTT 2014 SS !!!



 はい、まずはVALENTINO(ヴァレンティノ)から素敵なニュースが入りましたのでお伝えしますね。

 
 クリエイティブディレクターのマリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリは、今回の為に新たに制作したPrêt-à-Porter、Haute Couture、そしてアクセサリーのCollectionをプラスした、初お披露目のエクスクルーシブなショーを上海で開催します。

 今回はShanghai International Cruise Terminalという上海でも最も中心にある、ランドマーク的な場所での開催で、話題になる事間違いなしな予感ですね。日本でのライブ中継は11月14日(木) 22:00からですので、美味しいシャンパンとキャビアなんぞご用意して、ご自宅でセレブ気分で楽しんでみるのも素敵なんじゃないでしょうか?


 VALENTINO スペシャルコレクション2013 @上海

 日本でのライブ中継 11月14日(木) 22:00から(日本時間)

 ファッションショーの模様はこちらからどうぞ。


 こちらのライブ中継は時間迄見れない場合がございますので、下のオフィシャルサイトと合わせて、こまめにチェックしてみて下さいね。またこちらでは今回オープンした上海のラグジュアリーなショップの模様や、2013-14 FW キャビネ・ド・キュリオジテをテーマにしたHaute couture Collectionの素敵なメイキング等もご覧になれます。私的にもこのムービーはかなりテンション上がりましたよ!!!


 VALENTINOのサイトへはこちらからどうぞ。







 はい、では今日のリポートです。いつも楽しみなNeIL BarreTT(ニール バレット)のプレゼンテーションにお邪魔して来ましたよ。



 恒例のパリ3区にある天井画が素敵な会場での開催でしたが、こうやっていつも通りの決まった場所でスケジュール通り行ってくれるブランドはほんと有り難いですね。いつもの場所だと勘違いして、右往左往させれる事も多々あります。しかもここはパリ、、、基本ノーインフォメーションですから。。。。



 今回はこちらの会場で、実際に作品を身近で感じ、触れる事の出来るプレゼンテーションとミニショーの開催となりました。いつもながりにイタリアブランドらしい、アットホームで和やかな感じです。


 今回デザイナーのニール・バレットがテーマに選んだのは、イームズのファニチャーです。チャールズ・イームズとレイ・イームズが生み出した、カリフォルニアミニマリズムのインテリアの世界にインスパイヤの源を求めました。


 イームズはファッション界にもファンが多いアメリカを代表するデザインオフィスです。このオフィスの創設者の一人でもあるチャールズ・イームズは、1907年、アメリカ、ミズーリー州セントルイスに生まれます。12歳で父を亡くし、父の遺品であったカメラの機材で写真を始め、高校の頃は家系を助ける為に、製図見習いとして勤め、設計や建築の楽しさを覚えます。その後奨学金を貰う程の優秀な成績でワシントン大学建築学科に進学しますが、授業のカリキュラムにフランク・ロイド・ライトを取り上げる事を教授陣に提案し、騒動を起こして退学になります。いやぁ、いつの時代も自分が自分の無知さを棚に上げて、新しい事に首を振らない人間が居るものですねぇ。。。。


 22歳で学友だったキャサリ・ウォーマンと結婚し、世界大恐慌の中、友人と建築事務所を立ち上げ建築家として仕事をします。31歳で彼に多大な影響を及ぼした、フィンランド人建築家エリエル・サーネリンの勧めで、奨学生でミシガン州のクランブリック美術学院に入学し、エリエル・サーネリンと供にニューヨーク近代美術館開催の『オーガニック家具デザイン』のコンペに応募し、二部門で優勝します。

 
 当学院の学芸員として務めている時にイームズのもう一人の創設者、レイ・カーザーが願書を持ってやって来て二人は出会います。急速に距離を縮めた二人はその後結婚し、1943年、ロサンゼルスに移住しイームズ・オフィスを開き、1978年、チャールズが心臓発作で亡くなる迄約40年間の間、世界の20世紀デザインに大きな影響を与える作品を発表し続けました。


 そんなイームズ・夫妻による家具は、それまでの家具の主流であった、ヨーロッパ的な装飾や、時間のかかる手工業的な徹底的を排除し、大量生産、軽量化、低価格というアメリアカ的合理主義に基づいた作品を基本とします。大量生産はより多くの人々の心を掴まなければなりません。彼らは徹底した人体工学に基づき、何十回もの実験とデザインの推敲を繰り返し、今日まで残るイームズチェアに代表されるエターナルな名作を生み出します。


 さて、そんなアメリカで起こった究極のミニマリズムと人体工学の概念は、実はイタリア出身のニール・バレットがこれまで追求して来た概念と重なります。このテーマは先日発表された2014 SS MILAN COLLECTIONとリンクして、今回のレディースはイームズ家具の基礎とも言える、有機的なフォルムや美しい曲線を生かした作品が目立ちます。


 人体工学という部分からそのデザインに影響を及ぼしているのが、アメリカンスポーツウエアに見られる心地良さです。マテリアルのラグジュアリーさはいつも素晴らしく、こちらで幾度かお伝えしていますが、だからこそ出来る、リラックスしたプルオーバーやTシャツのデザインが沢山登場し、フレッシュで爽やかな印象でしたね。


 ブラック、ホワイト、アッシュグレーのパレットの中に、目映いばかりのスカーレットを一滴落とし、ミニマムな中にもポジティブで軽さのある世界観を見事に作り出していたのが実に好感が持てましたね。



 では、作品を見て行きましょうね。ファーストルックに登場するのは、ビッシリと敷いた羽をプリントしたマテリアルのジップアップブルゾンに、プルオーバーのアンサンブルです。人間と自然の融合は今回のコレクション重要なテーマの一つでもあり、イームズのポリシーの一つでもあります。銀鶏の羽は並べられ、さらにモノトーンにデジタル処理され、プリントとしてアイテムに落とし込まれます。サイクリングショーツ、レザーのスケータースカートとコーディネイトされ、スポーティーですね。


 こちらのマテリアルのアイテムはタンクトップやパンツ、フレアースカートやキャップにも登場していて、ゲージの大きさも様々なので、あえてゲージを変えて楽しんで見るのも楽しいですね。




 はい、実はこのプリント、元々はこちらの手仕事を施したラグジュアリーな羽によるエンブロイダリーがベースのようですね。羽の持つ独特のテクスチャーが実に美しく、ディテールにはイームズ家具の特徴でもある、しなやかなカーブのカッティングが施されています。

 まぁ、こちらはかなりコストも行くでしょうし、数も限られると思います。それでもどうしても本物じゃなきゃ嫌!!!って方は、、、、、早めのチェックをおススメしますよ。



 こちらはさらにイームズの気分を感じられるルックですね。滑らかなブラックのレザーはラウンドネックにノースリーブのトップス、歩くと朝顔の花が開いたような軽やかな動きを見せるスケータースカートのドレスに仕立てられます。


 サイドには独特の有機的なカッティングを施し、そこにデジタルプリントによる木目のパターンを施したマテリアルが差し込まれます。絶妙なカティングで縫い合わせるのは一苦労な感じですが、サラリと美しく仕立てあり、このブランドのテーラリングの技術の高さを感じさせてくれます。



 ホワイトのレザーとのコンビネーションになるとまたテイストが変わり、個人的にはさらに家具っぽくなってキッチュで素敵ですね。このテクニックはミニスカートやお得意のスリーブがキルティングになった、シングルのライダースジャケットなんかにも落とし込まれていて、1アイテムだけ取入れてもコンテンポラリーなスタイリングが楽しめそうなアイテムでしたよ。



 有機的なカッティングはよりエスカレートしてウエアに落とし込まれます。メンズコレクションでも登場したこの種のカッティングは、レディースの凹凸のあるボディの上で、また違った、よりコントラストの強い表現でデザインされていましたね。


 目の大きさの違うネットを使用し、部分的にトランスペアレントのマテリアルを使い、軽やかです。細かい話をすると襟元のバインディングの幅は細めに仕上げてあるのに、ヘムはかなり幅広でコントラストを付けている辺り、マニアックで溜まりませんね。


 同じくネットのショートパンツを、今回ほぼ全てのルックに登場しているサイクリングパンツと重ね、同じ有機的なカッティングで素材を切り替えたバッグもスタイリングのポイントになっていましたね。
 



 ショー中盤には爽やかなホワイトのルックがいくつか登場しましたよ。コンセプトはやはり同じで、ミニマムな中にニール バレットらしい確かなサルトリアルテクニックと、品の良さが感じられます。


 こちらはボックスシルエットの襟元にシンプルなファスナーを付け、絶妙な位置で横に切り替え、究極的にミニマムなデザインですが、ボディやスリーブのボリュームや緻密に計算されているため、とてもコンテンポラリーな印象で素敵でしたね。


 
 ポイントのスカーレットは、流線型のカットワークのにも登場し、ドラマティックな印象でしたね。このテクニックはヒート加工で施してあるため、生地が厚く、重くならないそうで、デザイン的にも素敵でしたね。


 ホワイトとスカーレットのレザーに、ブラックの部分はネットを使っています。ボーダーのリブ編み風のマテリアルのスカートをコーディネイトして、爽やかでしたね。


 今回シューズもとても素敵でしたね。まさにイームズの家具のようなミッドセンチュリーテイストたっぷりで、好きな人にはたまらないんじゃないでしょうか。。。ポリッシュされたウッドのヒールに、それを支えるメタルのボルトが実に個性的で、アンクルまでホールドするタイプやブーティー等登場していましたよ。




 はい、こちらはスカートのバージョンです、同じ有機的なカッティングをプリントに落とし込み、さらにプリーツを施しています。これ、たたんだ後にパターンが揃うように計算されていて、実に見事!!!ショーではブラックのメッシュのジップアップブルゾンとコーディネイトされクリーンな印象でしたね。



 リブのようなテクスチャーを使ったルックですが、スカーレットのカラーがとても華やかなルックです。アームホールにボリュームを持たせたスウェットシャツのデザインは、実にスポーティーで、短めの丈がレディースらしくコンパクトな印象ですね。


 スケータースカートとサイクリングパンツも同じマテリアルで仕立て、オール1マテリアルのルックですが、大袈裟な感じにならずにドレスのような感覚のルックですね。こちらは、ノースリーブにスケータースカートのドレスもあり、カラーもホワイトやグレー等バリエーション豊かでしたよ。


 そこまでフォーマルでなければパーティーに着て行くのも素敵ですね、インパクトはありつつも、肩肘張ってない感じでかなり上級者な着こなしですね。

 



 メンズウエアの長い経験から培われた見事なサリトリアルテクニックも、ニール・バレットを語る上でなくてはならない重要なエレメンツです。特にタキシードスタイルは見事で、私ももちろん大好きですし、美しくサイジングされ、メンズのディテールで構成されたジャケットは凛とした佇まいが見事ですね。


 コレクションには登場しませんでしたが、会場にはこんな素敵なジャケットもちゃんとあって、ファン達を安心させていましたね。大きめのラペルと襟に個性的な切り替えが施され、心なしかいつもよりソフトに仕立ててあるのも次シーズンのリラックスムードを感じさましたね。


 インナーに先に登場した羽根のプリントのカットソー等着て、エッジィなスタイルで楽しんでみるのも素敵なんじゃないでしょうか???




 アクセサリーも素敵でしたねぇ~。イメージとなったイームズの代表作とも言えるラウンジチェアと一緒にディスプレイされていたのは、ウッドを使った底のデザインが印象的なバッグ達で、これは構造的にもしっかりとしていて良く考えられています。ウッドとレザーのコンビネーションが美しく、大きめのトートや二つ折りで使うクラッチまで、幅広く登場していいましたよ。


 こちら、イームズファンの男子にも良いんじゃないでしょうか?遊び心たっぷりですね。



 はい、証拠写真でございます。私の後ろにディスプレイされているのが、先に登場したアクセサリーのブラックレザーを使ったバージョンです。ホワイトとはまた違ったクールな印象が素敵ですね。え?邪魔ですか?私???詳しくは来春夏、ショップで直接確認して下さいね!




 会場にいらしたニール・ヴァレット氏。このプレゼンテーションではいつもご自身でゲスト達をもてなしてらしてハートフルな感じですね。なんと会場にはDsquared²(ディー スクエアード)のデザイナー、ディーンとダンもいらしてて、和気あいあいとプレゼンテーションを楽しんでいましたね。。。。にしても、やっぱりどっちがどっちか解りません。。。。


 
 人体工学に基づいたアメリカンミニマリズムをコンセプトにし、イームズの家具というテーマから作品をクリエイトしたニール バレットですが、恐らくご本人がお好きなんだろうなぁ~という、愛情を持って作品を制作した感じを強く受けました。前回のバウハウスのコレクションに続き、ファインアートと言うよりデザインとしての偉人や集団をヒューチャーしている辺りも、彼の好みと生み出される作品のテイストを彷彿させ、なんだかニール バレット氏本人の頭の中を覗いたような楽しいプレゼンテーションでした。


 2014 SSはよりミニマムなスポーツスタイルようですが、これ気を付けないと、ただのスゥエットになりますから。。。。ニール バレットが作り出すオーバーシルエットは、ボディと洋服の間にあるスペースまでデザインした、実に緻密なフォルムなので、そのゆとりのような部分にもちゃんとケアして下さい。決してゆとりの部分まで肉が収まるという話ではありませんので!!!


 是非小枝のような細い腕と、子鹿ちゃんのような細いお御足を手に入れて、オーバーシルエットのトップスと、ヒラヒラ揺れるスケータースカートにサイクリングパンツで、ノンシャランと楽しんで下さいね。



 2013-14 FW Neil BarreTT Prêt-à-Porter COLLECTIONはこちらからどうぞ。



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