CHANEL FINE JEWELRY 2012-13 F+W !!! | ダイコ★ブログ

CHANEL FINE JEWELRY 2012-13 F+W !!!


ダイコ★ブログ

 はい、長らくお待たせしました。パリ・オートクチュールのお話に戻りたいと思います。自分の意志と反して、世界を駆け抜けておりますが。。。。

 続いては、CHANEL FINE JEWELRY(シャネル ファイン ジュエリー)です。、、、また、今回、、、びっくりすような事しちゃいましたから、、、、。

ダイコ★ブログ

 こちら、アルマ橋付近から、セーヌ抜けでエッフェル塔を眺めた状態です。左下にコロンと転がる黒真珠。。。。これが今回のプレゼンテーションの会場です。実はこちら、パリでも比較的新しい、ヨーロッパ以外のアフリカやアジア、オセアニア美術を中心に扱う、ケ・ブランリー美術館の屋上なんです。シャネルさん、景色迄変えちゃうなんて。。。。

 ジャングルのようなお庭を抜けて会場に行くと、プレゼンテーション専用の真っ黒なエレベーター。最上階まで行き、エレベーターが開くとそこは漆黒の世界。テーブルほどの大きさのタッチパネルで、画像を見たり、初めてシャネルがダイヤモンドジュエリーを発表した当時のニュース映像を楽しんだりして、ようやく謎の黒真珠の中に潜入です。

 この黒真珠、中に入るとそこは、満点の星空!!!!実はプラネタリウムだったんです。女性を星で飾りたいというマドモアゼルの意思と、また、場所も出来るだけ空に近い所という事で、このケ・ブランリー美術館の屋上が選ばれました。

 この為に特別に作られたプラネタリウムの映像は、流れ星が走ったり、小さな爆発の後に新しい星が誕生したり、星達が見せる大スペクタクルが、観客達の心を高揚させます。やがてその星達は一斉に下に向かって流れ落ちます。すると、プラネタリウムの廻りに展示されていた、80点のジュエリーに一斉にライトが灯ります。プレゼンテーションのスタートです。

 皆さん、想像出来ます?私、この時点でもう、ノックアウトです。最初、カメラの設定間違えて、撮影してしまう程でした。。。。
 
ダイコ★ブログ

 さて、今回のシャネル ファイン ジュエリーですが、1月のオートクチュールコレクションから引き続く、1932年、マドモアゼルが初めてのダイヤモンドジュエリーを発表してから80周年を祝う、アニバーサリーイヤーという事がメインテーマです。

 1932年11月7日から19日まで、フォーブルサントノーレ29番地にある、彼女の自宅にて、最初のシャネルによるダイヤモンドのジュエリー コレクションが発表されます。正規スケジュールの前日の6日、マスコミを呼んでのプレの取材を行いましたが、翌日からの開催を待ち切れなかった上流階級の人々が、マドモアゼルの自宅に押し寄せひしめき合ったそうです。

 そこで発表されたダイヤモンドジュエリーは、土台となる部分がシンプルに作られ、宝石を美しく輝かせるジュエリー。そして、いろんな形で身につける事が出来て、幾つもの用途に使用出来る、モダンで美しいコレクションでした。

 一般のジュエリーショップのようにトレーに乗せてのプレゼンテーションではなく、鑞で作ったマネキンに、実際に着用するのと同じように見せ、招待客はその美しさに感銘し、同時に彼女のライフスタイルを垣間見る事の出来た素晴らしい夜となったそうです。

 オートクチュールのコレクションと同じく、ファイン ジュエリーのデザインにおいても彼女の信条は変わりませんでした。女性が束縛されず自由に動き、それに美しく寄添う美しいジュエリーは、80年経った現在でもシャネル ファイン ジュエリーにおいて大切なメソッドとなり、現在もデザインに生かされています。

 80周年を記念して、用意された80ピースのジュエリーは、マドモアゼルが当時発表した、コメット、エトワール、太陽、フリンジ、リボン、泉、羽根等のモチーフに加え、新しくライオンのモチーフも加わりコレクションを盛り上げています。

 まず登場するのは、エトワール フィラント(流れ星)をモチーフにしたコレクションです。女性を星で飾りたいと言っていた彼女の想いが色濃く表現されたデザインで、初代コメット(彗星)を新たにデザインし、身につける際の自由さを表現し、取り外してブローチにも使えるモチーフの付いたネックレスや、シャネル ファイン ジュエリーにおいて、初めてのヘッドジュエルもコレクションを華やかにしています。

 こちら、ÉTOILE FILANTE(エトワール フィラント)ウォッチ。星のモチーフのセンターを飾るのは2.22カラットのラウンド カットダイヤモンド。他にファンシーカット ダイヤモンド、バゲットカットダイヤモンド、プリンセスカット ダイヤモンド、ブリリアントカット ダイヤモンド等で制作されています。

ダイコ★ブログ

 こちらはCOMÈTE(コメット/彗星)ネックレス。1932年にマドモアゼル シャネルが最初に発表したオリジナルデザインを賞賛し、官能的なラインで首元を飾るデザインです。クラスプが無く、首に寄添うデザインというのも、実にオリジナリティー溢れるデザインです。

ダイコ★ブログ

 NUIT DE DIAMANTS(ニュイ ドゥ ディアマン)ネックレス。『ダイヤモンドの夜』と名付けられたコレクションです。こちらもコメットネックレスと同じく、クラスプのない首に寄添うデザインです。きらびやかなホワイトダイヤモンドと、ファセットカットの施されたブラックダイヤモンドのビーズが、変化に富んだ夜空の情景を、ミステリアスに美しく表現していました。

ダイコ★ブログ

 CIEL ETOILÉ(シエル エトワレ)のブレスレットとウォッチ、イヤリングのコレクションです。沢山の輝く星で飾られた空を表現した、繊細で可愛らしいコレクションです。

 星や月、夜空を構成する様々な要素は、1932年、マドモアゼル シャネルがコレクションを発表した時より、重要なテーマです。当時リリュストラシオン誌のアルベルト フラマンに語った話によると、マドモアゼルはネオンに輝くシャンゼリゼを歩きながら、パリの夜空を見上げてヒントを得たそうです。夜空に輝く満点の星と三日月、『それで、十分でしょう?』とマドモアゼルは言っています。

 自分のコレクションに対して、偽りの無い、とても詩的な回答をしたようですが、でも、それが真実でしょうか?幼い頃彼女は母親を無くし、12歳のマドモアゼルは父親に、コレーズのオーバジーヌの修道院に預けられます。毎朝、他の寄宿生達とミサに参加し、その中で目に映った礼拝堂へ続く、石畳の幾何学模様や、夜空に輝く星や、三日月、マルタ十字架等、様々なシンボルはしっかりと彼女の心に刻まれたのではないでしょうか。

 決して彼女が語る事のなかった子供時代のお話です。

ダイコ★ブログ

 CLAIR OBSCUR(クレア オブスキュール)リング、ブレスレット。18Kホワイトゴールド チタニウムの土台にラウンドカットダイヤモンドをふんだんに使い、少しポップで華やかな星空を表現し、指先や手元を飾ります。  

 土台のチタニウムのマットなテクスチャーと、どことなく、アールデコの香りがする所も素敵ですね。

ダイコ★ブログ

 SOLEIL(ソレイユ)リング、ブローチ、イヤリング。1932年の最初のコレクションにも登場した、太陽のモチーフは今回も壮麗な華やかさで様々なアイテムで発表されています。イエローダイヤモンドをポイントに使い、ブリリリアントカット、ラウンドカット等様々なカットで表現されたホワイトダイヤモンドで、放射状に広がる太陽の光の力強さを表現しています。

ダイコ★ブログ

 COSMOS DE CHANEL(コスモス ドゥ シャネル)ネックレスです。惑星や星、三日月等彼女の幼少の頃からの思い出や夢が詰まったような壮大なテーマのネックレスには様々なカットのダイヤモンドを組み合わせ、素晴らしいデザインになりました。一生に一度で良いので、、、、首から下げてみたいです。。。。

ダイコ★ブログ

 RUBAN MADEMOISELLE(リュバン マドモアゼル)ネックレス。常に女性を解放し、自由で、彼女達のライフスタイルに合うジュエリーを提案しようとしていたマドモアゼルにとって、リボンもまた重要なモチーフです。『女性の指に結んだリボンのようなジュエリーにしたい。』という言葉も残っています。

213個、14.71カラットのブリリアントカトダイヤモンドと289個のパールで作られたこのネックレスは、センターのリボンが、アンバランスのようで絶妙なバランスで斜めに胸元を飾ります。

ダイコ★ブログ

上、RUBAN MADEMOISELLE(リュバン マドモアゼル)ブレスレットと、下、RUBAN MADEMOISELLE(リュバン マドモアゼル)ウォッチ。手首にリボンを飾るというのは、やはり特別な事で、50‘s等では流行したスタイルです。装いの最後にキュッとリボンを結ぶ行為は、最後に女子力を注入するような、特別な行為に感じられます。

ダイコ★ブログ

UBAN COUTURE(リュバン クチュール)イヤリング。やはり、マドモゼルがそっと女性の指にリボンを結んだようにというメージが大切にされたこのコレクションですが、他のモチーフよりも華奢な気がします。こちらはブラックダイヤモンドを使い、エアリーで繊細なイヤリングです。

ダイコ★ブログ

 FRANGES DE CHANEL(フランジュ ドゥ シャネル)ネックレス。フリンジのモチーフも、最初のコレクションからあったテーマの一つです。1930年代、アールデコの時期にはこのモチーフは大流行し、ビーズ細工や糸で作られたモチーフとなりクチュールのドレスを飾ります。揺れるそのモチーフは女性の動きを美しく見せ、チャールストンの流行等により、ダンスの時も華やかに女性を彩るアイテムとなります。

 バゲットカットとラウンドカットのダイヤモンドを駆使し、その軽やかで揺れるような、サラリと首に巻いたようなネックレスには、偶然の瞬間を形にしたような、危うげで美しいアンバラス感を表現され、美しい一品でしたね。

ダイコ★ブログ

 FONTAINE DE CHANEL(ファンテーヌ ドゥ シャネル)ネックレス。泉、または噴水をイメージしたモチーフも、最初のコレクションで登場したモチーフの一つです。幾重にも重なるファンシー カットのダイヤモンドと、ラウンドカットのダイヤモンドが、湧いては流れる泉のように美しく女性の胸元を飾ります。

ダイコ★ブログ  

 FONTAINE SAPHIR(フォンテーヌ サフィール)ネックレス。こちらはサファイアが使われています。鮮やかで美しいブルーが加わる事で、より官能的でミステリアスなムードになりますね。しかも着けるとサラサラと揺れます。

 いやぁ~それにしても美しいです。

ダイコ★ブログ

 今回、新しく加わったモチーフがライオン。彼女自身が1883年8月19日生まれ、獅子座という事や、雄大で力強いその姿をボタンに刻み、ドレスを飾ったりもしました。獅子をイメージした数多くの作品を彼女のアパルトマンに飾ったり、彼女が愛したヴェネツィアの街の紋章でもあります。そういう意味でもマドモアゼルにとって、とても縁のあるモチーフです。

 この新しいモチーフはコレクション全体に力強さと雄大さをプラスし、80ピースのコレクションの中で重要な役割を果たしています。

 CONSTELLATION DU LION(コンステラシオン デュ リオン)ネックレス。中央の307カラットのルチルクオーツをライオンの姿に見事にカットし、センターのクッションカットのビビットイエローダイヤモンドはこのコレクションに因んで、32カラットです。

ダイコ★ブログ

 CONSTELLATION DU LION(コンステラシオン デュ リオン)ブレスレット。これも実にユニークなピースです。センターに1.01カラットのラウンドカットダイヤモンドを配した星のモチーフに、349カラットのクリスタルのライオンがガオォォォ!!!と乗り出して来るような、楽しいデザインです。

ダイコ★ブログ

  CONSTELLATION DU LION(コンステラシオン デュ リオン)ブローチ。抽象的な他のモチーフに比べ、このライオンというモチーフは具体的なイメージがあるので、新しいコレクションならではの、斬新さとおもしろさが感じられます。

 ホワイト、イエロー、コニャックカラーダイヤモンドで飾られたこちらのブローチは、どこか中国の獅子や麒麟のイメージにも通じるシノワズリーなムードです。

 アパルトマンに螺鈿の屏風や、鹿の剥製を飾り、日常的にシノワズリーを楽しんでいたマドモアゼルの趣向が色濃く表現された作品です。

ダイコ★ブログ

 あっという間の夢のようなプレゼンテーションでしたが、実に素晴らしい体験をさせて頂きました。もはや、コレクションとかプレゼンテーションとかではなく、それは一種のエンターテインメント。上質や美しいのは当たり前、それ以上に感動まで与えてくれるなんて、こんな機会はめったにないと思います。

 シャネルはお洋服もそうですが、常に女性の心を刺激し、感動を与えてくれて、それがただのファッションというだけではなく、文化であり、フランスが世界に誇る最高のプライドである事を、いつも強く感じさせてくれます。

 マドモアゼルがそうであったように、自由に好きな物を選び、自らが生きたいように生きる。そんな女性讃歌の歌が、このメゾンのコレクションには、いつもBGMとして聞こえて来ます。

 プレゼンテーションの後は、そのままケ・ブランリー美術館の屋上に素敵なテラスが用意され、そこでドリンクサービスを楽しむ事が出来ました。カメラのほうを向いてる私の目の前には壮大なエッフェル塔、私の後ろには遠くモンマルトルを見渡せる最高のパリの景色。

 高揚した心でこのパリの美しい景色を見ながらお茶を飲んでいると、ちっぽけな事は忘れて、人生って、世界ってこんなに楽しく素晴らしいんだよって、言われてるみたいで、心がジーンと熱くなる気がしましたね。

 それって、私だけでしょうかねぇ。。。。www



 CHANEL FINE JEWELRYの2012 S+S オートクチュールのパリでのプレゼンテーションの模様はこちら からどうぞ。

 CHANEL 2012-13 A+Wのプレタポルテの模様はこちら からどうぞ。
 CHANEL 2012-13 A+Wのオートクチュールの模様はこちら からどうぞ。

 CHANELのサイトへはこちらからどうぞ。

 Numero.jpでブログ始めました。こちら からどうぞ。