CHAUMET !!! | ダイコ★ブログ

CHAUMET !!!


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 続いてはCHAUMET(ショーメ)です。ショーメは今年、ウォッチを手掛けてちょうど200周年を迎え、そのお祝いを兼ねてクチュールコレクション会期中にヴァンドームの本店で素敵なカクテルパーティが催されました。

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 会場の様子です。ショーメのカラーでもあるロイヤルブルーで飾られた本店。いやぁ、ヴァンドームで、屋外でシャンパン飲むってのも、中々ない機会ですよね~。ほんとに楽しかったです。

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 会場スタッフのマドモワゼル達とパシャリ!んで、ちょっとマイナーチェンジ!実はこのスーツ、ショーパンとロングのパンツと2種類作って貰ってました。岡ちゃん、ありがとう!!!夜のパーティなので、長いパンツにして、インナーのタンクとバッグ、シューズは全てBOTTEGA VENETA。実はこのタンクを最初に買ったんで、それに合わせてこのスーツを作りました。

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 相当飲んで盛り上がってる中、本日のメインゲスト、ソフィー・マルソー嬢が登場です。彼女はショーメの広告もやっていらっしゃいます。凄くナチュラルな方で、パパラッチ達に気さくに答えていらっしゃいました。恐ろしい程、普通でした。。。大女優なのに。。。。。この後も、遅い夕暮れを楽しむようにパーティーは続きました。

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 さて、今回のショーメのプレゼンテーションですが、『ウォッチクリエーション200周年』がキーワードのようです。ナポレオンの時代から宝飾時計をずっと作り続けて来たショーメの伝統と、最高のエレガンスを体験出来る機会でした。

 会場の真ん中のサロンに飾られていたナポレオン帝政時代のティアラです。ティアラといえばショーメですものね。当時、こういう豊穣の象徴の麦の穂のモーチフは人気があり、大流行したそうです。これは可動式になっていて、麦の穂の向きを変える事が出来る優れもののティアラです。

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 今回は、会場にいくつかのセクションを作り、ショーメの宝飾時計の歴史を振り返るという企画です。まずは、ショーメの時計の歴史が始まったナポレオンの帝政時代のお話から。

 こちらは1813年に制作された、ナポレオンのモノグラム入りのギフトウォッチです。ナポレオンは宝飾品をギフトとして使い、やがて政治にも反映させる達人だったようで、こういう物を数々と制作し、諸外国との友好の為に使ったり、部下のモチベーションを上げる為のプレゼントにしたりしたそうです。こちらはゴールドにパール、青い部分はエナメルになってます。

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 こちらは皇后マリールイーズのシガレットケースです。上のナポレオンの時計と同様にLとMのモノグラムが入っています。蓋の細工も、廻りのエナメルの仕事も凄く美しいです。ナポレオンが作らせてマリー・ルィーズに送ったらしいのですが、凄く華奢で小さくて可愛いらしいものでした。

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 続いては第二帝政時代。1852年から1870年迄存在した君主政体で、ナポレオン・ボナパルトの甥である、ルイ・ナポレオン(ナポレオン三世)がクーデターによって、議会を解散し、新たな憲法を制定した上で国民投票によってフランス皇帝に即位した時代です。 

 イギリスから広がった、世界的に大流行したヴィクトリア調の影響が、色濃く出ている女性用のペンダントウォッチです。1853-54年に制作され、リュイヌ公爵夫人の為に作られた物です。ゴールド、シルバー、ダイヤモンド、ルビー、レッドジャスパー、天然パール、エナメルで仕上げられています。ムーブメントはブレゲで、細かい作業に職人のレベルの高さが伺えます。

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 第3共和性初代大統アドルフ・ティエール夫人、エリーゼの為に制作された1873-75年製のシャトレーヌ・ウォッチです。彼女はフランスの初代ファーストレディで、破壊されたヴァンドーム広場の塔の再建を祈って、塔のモチーフのミニチュアがぶら下がっています。赤、白、青は共和国の色で、ゴールド、シルバー、サファイア、ルビーで作られています。

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 続いてはベル・エポックの時代です。19世紀末から第一次世界大戦までの時期を総称して呼びます。産業革命後、科学の発展で世界は一変し、財を持った中産階級の人口が急激に増え、都市が活性化し、文化が生まれます。ロートレックがムーランルージュのポスターを描き、クリムト、ミュシャのようなアール.ヌーヴォーが生まれ、文化が花開きます。タイタニック号の沈没もこの時代。戦争が無かった享楽的で美しい時代ですね。

 左は今回のメインのプレゼンテーションになった、1910年製のダークブルーのエナメルの時計です。恐らくチェーンに通してペンダントとして使用されたものでしょう。ゴールド、ローズカットのダイヤモンド、エメラルドとエナメルが使われています。お見せ出来ないのが残念ですが、裏の文字盤はとても美しいゴールドです。

 右は同じく1910年のピンクオレンジのエナメルのジュエリーウォッチです。プラチナ、ローズカットのダイヤモンド、ルビーとエナメルで出来ています。

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 こちらも美しいジュエリーウォッチです。左はすみれと薔薇のモチーフの時計です。1911年に制作され、こちらの面はエナメルのすみれですが、反対側にはバラのモチーフが付いています。すみれの花言葉は『思慮深い』とか『物思い』とか。日本では青いスミレは『貞節』『誠実』等の意味があります。

 裏面のバラは愛の象徴ですので、さながら、 『私は貴女を想い、愛しています。』みたいな意味になるロマンティックな時計です。

 右もまたありえない仕事の天然パールの時計です。これ、全て天然物なので、まず、同じ形を見つける迄に相当の時間がかかり、1本、1本馬の毛で繋いでいる為に、今、その技術が無くなってしまい、修理が出来ないそうです。

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 続いてはアール・デコの時代。ショーメが一番輝いた時代の一つでもあります。1910年から30年代くらいまでの時代で、有機的で曲線的なアール・ヌーヴォーに対して、直線的でよりモダンなデザインを中心とする文化です。

 画家ではピカソが登場し、マティスのフォービズム、ブラックのキュビズム、カンディンスキーの表現主義やバウハウス、バレエ・リュッスが活躍したのもこの時代ですし、ファッションでは、CHANELの登場等、華々しい、現代の始まりの時代です。

 人々の好みはよりモダンでシンプルなスタイルへ変化して行きます。左のペンダント ウォッチは1924年製で、プラチナ、エメラルド、ローズカットのダイヤモンド、クリスタルやエナメルで出来ています。まさにデコって感じのミニマルでモダンなデザインです。

 右は1915年に作られたシャトレーヌ ウォッチです。プラチナ、ダイヤモンド、オニキスです。シャトレーヌ ウォッチというのは、ブローチのように服に付ける時計で、腕時計という物が一般化するのは大分後の話で、大半はこのシャトレーヌウォッチやペンダントウォッチを使っていたそうです。裏返して使うので文字盤が逆さまに付いていたそうです。

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 1925年製のハンドバッグ・ウォッチです。旅行等の文化が発達したり、誰もがハンドバッグを持つようになったこの時代、こういう時計が登場します。ゴールド、ダイヤモンド、エナメルでシノワズリーな模様が描かれています。ムーブメントはパテック・フィリップです。

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 もう一つの部屋には今迄、時計の為に描かれたデザイン画がビッシリと飾られていました。こちらは何とも可愛らしい、音符や竪琴のモチーフの時計です。

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 ラリックがデザインしたデザイン画もありました。ショーメには何万枚という今迄のデザイン画が残されており、新しいデザインの構想を練る時は、いつもこのアーカイブスを紐解くそうです。アトラップ・モワの原型になったようなデザインもありましたよ。

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 そしてもう一つの部屋は現代のショーメの紹介のお部屋です。このお部屋には、新作のウォッチがコレクションごとに展示されていました。

 こちらは、クラス・ワンのハイジュエリーウォッチ。バゲットカットのダイヤモンドが、ダイヤル、ベゼル、ブレスレット、そしてケースサイドまでびっしりとセッティングされています。39mmケース、自動巻きムーブメントが搭載されています。

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 新作のフェミニンウォッチ、ケイシス スタークリスタルです。ブレスレットにセットされたクリスタルカボションは新しい素材で、 光を受けて反射し、星のような輝きを放っていました。まるで、時間を知らせる宝石のようですね。


 時代と供に素晴らしい名作を残して来たショーメの、今迄と今、そして未来へと繋がる、ブランドの存続して来た長い時間と、伝統と所以に思いを馳せた、とても充実した美しい時間でした。