本日、 テレビの国会中継で「代表質問」が 参議院本会議場から中継


されておりました。 私は、 リビングで絵を描きながら聞いておりましたが、


民主党・新緑風会の広野ただし議員に大変感激を受けました。


昼間働いていてテレビを見られなかった方々も多いと思いますので、 


ここに、 ご紹介いたします。



平成23年1月28日


政府四演説に対する代表質問


〝 民主党・新緑風会を代表し、平成二十三年度


予算、 政府四演説について質問をいたします。


(Ⅰ)マニフェストの見直し問題


二〇〇九年夏、 民主党が、 歴史的な政権交代を果たしてから、 


約一年半が経ちます。


平成二十三年度予算案は、 民主党が、最初から本格的に係わる初めての


予算です。 私は、 その予算編成に当たっての根本的な基本方針は、


政権交代の二〇〇九年マニフェストと考えていますが、 最近、 財源問題等を


理由に、 マニフェストの検証、見直し論が、 横行しております。 マニフェスト


は国民との間の公約であり、 民主主義の下で政権を担う場合、 「より高い


正当性」を持つ政策として、政治主導の根本を形成するものです。


また、 民主党のマニフェストは、 衆院任期の四年間に達成する手順をも


示しています。


そこで、菅総理に伺います。


① 政権交代から約一年半しか経過していない今から、 マニフェストの見直し


をいうのは、 余りにも早すぎるのではないでしょうか。 少なくとも、 最重要


公約については、 もっと、 もっと実現の努力に全力を注ぐべきではないで


しょうか。


② 勿論、 マニフェストの細部について 、絶対に変更すべきではないと申し上


げているのではありません。 しかし、 最重要の公約は国民との約束であり、 


契約的な意味合いを持つものです。 


(ⅰ)約束は守るものです。 最重要公約の大幅な変更は、 国民との約束を


やぶることになるのではないでしょうか。 また、


(ⅱ)最重要公約を大きく変更する場合の責任はどうなるのでしょうか。


(ⅲ)最重要公約の大きな変更で、 国民に信を問う場合があるかどうかに


ついても答弁願います。


民主党は衆議院任期の四年間、 即ち二〇一三年までは、 消費税は上げ


ない。 上げる場合は、 選挙で信を問うというのが、 マニフェストの最大


最重要公約であったと考えますが、その点も確認させて下さい。


(Ⅱ)政治主導について


政権交代時に国民に公約した第一番は、 政治主導の確立でした。 国民は、


「省あって国益なし」の各省の縦割り的官僚主導政治の脱却を民主党に期待


しました。 大臣、 副大臣、 政務官の政務三役を数十人配置し、 国会答弁


も三役で担当することが、 非常に多くなりました。 これは 大きな進展です。


しかし、 最近は、 どうも、 実際のところは、 官僚政治が復活しつつあるの


ではないかという懸念が、大きくなってきています。


①二〇〇七年度、 四五〇〇以上の政府関係法人に二万五000人以上が


天下っていましたが、 天下り、 渡りが、 全面的に、 本当に禁止されて


いるのでしょうか。 総理に伺います。


② また、 昨年暮れになって、 突然、国際協力銀行(JBIC)が、 日本政策


金融公庫から、 分離独立することとなりました。 統合して二年余りしか


経っていません。 原子力発電、 水、 新幹線等のインフラを海外に 輸出


するための投融資を迅速かつ機動的にという理由ですが、 どうも、 


財務・金融関係省庁の官僚に乗せられたとしか思えません。 財務大臣に


伺います。


③特別会計、 独立行政法人、 特殊法人、 政府関係公益法人等への


切り込みも、 まだまだ不十分で、全く道半ば!! という状態です。


先日、 「武士の家計簿」という映画を見ました。 江戸末期加賀藩の


「そろばん武士」とさげすまれていた猪山家が、 まず自分の家の借金を、 


妻や祖母の嫁入り道具等を売り払ったりして、 苦労して、 まず家の生活を


立て直し、 更に「そろばん武士」の帳簿感覚を基に、 加賀百万石の


財政改革をなしとげ、 またその息子が、 明治維新後の海軍省の主計


として、 国家財政改革にも貢献するという映画ですが、 本当に感銘を


受けました。 各省庁の会計責任者や事業仕分け関係者にも是非お勧め


したい映画です。


また、 日本の軽自動車メーカーのカリスマ会長が、 リーマンショック後、 


社長職に戻られ、 カラーコピーは、 お客さん相手以外使わないということで、


二百数十台の機械を無くしたり、 ホッチキス等の文具の集中管理、 


新聞各紙の回し読み等で、 一社で百数十億円の節約をされたことも有名な


逸話です。 小中学校の耐震工事、 数十校分にあたるお金で、 無視できま


せん。 民間では、「乾いたぞうきん」でも、絞って絞って、 工夫して、 大変な


節約や、 無駄を省いています。 それに比べると役所並びに関係機関は、


まだまだ、 「ずぶずぶの濡れぞうきん」です。 チョットしぼっただけで、


もっともっと、 大きな節約や無駄を省けるものと思います。 更なる工夫、


節約が可能と考えますが、 改めて総理の見解を伺います。


④地域主権について伺います。


地域主権は、民主党政権の目玉政策です。


地域主権改革の目玉として、 一括交付金約五〇〇〇億円の計上、


二十四年度一兆円が提示されていますが、 地方が本当に自由に使える


ものなのか、お答えください。


また、 昨年、参院を通過した、 地域主権改革関連三法案は、現在継続審議


中であります。 地域主権改革を、更 に強力に推進し、 「地方の事は地方が


決める」、 真の地域主権改革、 即ち、 財源も、 権限も 地方に思い切って


移譲して、 速やかに、実現すべきと考えますが、 総理の見解を伺います。


⑤ 国家公務員問題について


 マニフェストにあるように、 国の出先機関と地方との二重行政を解消し、


地方に大幅に移譲することにより国家公務員の総人件費を大幅に削減する


方針。 また、 公務員の労働基本権の制約問題を解決し、 自律的労使関係


を実現することにより 労働条件を民間と同様 交渉で決めれるような柔軟性


を持たせる考えなど、 公務員制度改革についての総理の見解を伺います。


⑥ 政治主導とリーダーシップ、 そして挙党体制について伺います。


選挙によって勝利し、 民から信任を受けたマニフェストや政党そして政治家


は、民主主義のもとでは官僚と違って、 「より高い正当性」を与えられ


リーダーシップを得ることにもなります。


議会制民主主義では、 内閣は、 与党に支えられての内閣だと考えます。


総理、 各大臣などのリーダーシップの根源はそういう意味では 挙党体制を


如何に構築するかにあると思います。 強いリーダーシップを築くためにも、 


挙党体制が極めて重要と考えますし、 真の挙党体制が築かれていないと


野党の協力も得られないし、スキをつかれることにもなりかねません。


総理の見解を伺います。


(Ⅲ)経済関係の問題について伺います。


年初頭からの経済人の声は「今年の日本経済は 薄あかり」というものです。 


しかし、 その回復は、 いわば、 病み上がりの状態で、 いつまた再入院に


なるかわからないわけで、 政府は、 注意深く経済運営を図らなければ


なりません。 とくに 昨年は、平成21年補正予算の活用もあり日本経済には、


大きなカンフル、 注射即ち、 刺激策がなされましたが、 平成23年度は 財政


事情もあり、 前年度程の景気刺激策はなく、 いわば出口戦略が求められて


いると思います。 政治の責任で、 大手企業の薄明かり感が、 早く中小企業


や地方経済に及ぶようにしなければなりません。


ところで、 世界経済の大不況を招いたリーマン・ショックがどうして起こった


かを我々は、 肝に銘じ、 二度とその轍を踏まぬようにしなければなりません。


① 「グローバル化の光と影」とローカル尊重


 リーマン・ショックは、 一言でいえば、世界中でマネーゲームをし、 それが


実体経済から余りにもかけ離れ、 バブルが一挙に破裂したことから生じたと


いっても過言ではありません。


グローバル化は、 国境を越え、 ジンギスハーンではありませんが 「天尽き


地果つる」まで、 野を焼き尽くすかの如く、 市場化・マネー化を推し進めて


いきます。 しかし、 これには「光と影」があります。 ローカルなものや、 


国の発展度合いの違いなどが、 無視され 、伝統ある、 良い物が、 


失なわれてしまうのではないでしょうか。


いわば、 強者の論理です。 しかし、 今回のリーマン・ショックは、 強者の


はずのアメリカ・ウォール街の金融投資関係企業が、 真先に、 破たんまたは


破たん寸前の状態にまでとなりました。 皮肉なことです。


つまり、 市場原理主義やグローバル化だけでは、 だめで、 「ローカル尊重、


伝統や歴史の尊重、 人間尊重」でなければならないという教訓になったの


ではないでしょうか。


 菅総理は、 「平成の開国」と銘打って突っ走られようとしていますが、 


「グローバル化」で、 「天尽き地果つる」先まで、 日本を導こうとしておられる


のか、 「ローカル尊重、地域や人間尊重、国民生活第一の考え」をどう考え


られるのか、お伺いします。


② マネーゲームの再発防止


 ここ一~二ヶ月、 石油や穀物、 国際商品等の値上がりが顕著になってきて


います。


国際経済の需給によるものだけではなく、 世界的金余り現象の中で、


マネーゲーム 投機的動きが一部みえてきているのではないかと懸念します。



実体経済からかけ離れた過度のマネーゲームや過度の投機筋の動きは、


必ずいつか世界経済に悪影響をもたらします。


 「投機マネー的色彩の強いファンド」などの透明性確保など、 軽い規制に


ついて国際協調のもとG20などで話し合う用意はないのか、 野田財務大臣


に伺います。



③ 石油


 現在の世界情勢は、 石油本位制ともいうべき実態にあります。 石油が、


急速に高騰した場合、 IEA(国際エネルギー機構)などで、 国際協調で


国家備蓄を放出することも、 検討するという話し合いの場設定だけでも


石油価格安定に好影響を与えると思いますが、海江田大臣の所見を


求めます。


④ TPPと農業問題について伺います。


先の臨時国会で、 菅総理は、 突然 (環太平洋経済連携協定) TPP参加の


検討をいい出されました。 農業関係者や農業と密着する地方の方々は、


TPP反対の大合唱です。 六月までに、 農業強化策をまとめることとなって


いますが、 ウルグアイラウンドの時も、 六年間六兆円規模の農業強化策が


取られました。 もっともこの時は、 土地改良などの農業土木が中心で、


本当の農業強化策とは、 ならなかったのは、 ご承知のとおりです。


このことを考えると、 TPP参加の大前提として、 現在疲弊している日本農業


の抜本的立て直しと強化のために、 財政難ではあるが、 ここ数年間で、


例えば十兆円規模の大胆な農業強化策を上乗せで必ず実施する。


その詳細な内容は、 六月までに策定すると、 まずは、菅総理自からが、


早急に決意を表明すべきと考えますが、 総理の見解を伺います。


また、 農業強化策の大筋・概要を農水大臣に伺います。


また、 地域ブロック化のおそれもあるTPPへ一足飛びにいくのではなく、


世界的なWTO(世界貿易機関)交渉の実現と、 まず二国間の


(自由貿易協定) FTAや(経済連携協定)EPAの積み上げで、 着実に開国を


進める道が、 日本の行くべき道と考えますが、 海江田大臣の所見を


伺います。


(Ⅳ)外交問題


外交問題について伺います。


① 昨年秋の尖閣列島沖の事件について、 国民の皆さんの総体的な受け


止めは、 「もっと日本は毅然と対応すべきだった」と言う事だと思います。


尖閣列島には、 一八〇〇年台から、 海鳥から羽毛布団の原料を採取する


日本人や、 漁や狩りをする日本人が住んでいた記録があります。勿論日本の


固有の領土であります。 民有地で、 所有者との関係があります  政府は、


早急に、 海上保安庁の巡視船の寄港地や灯台を建設するべきだと考え


ますが、 総理の決意を伺います。


②次に拉致問題について伺います。 私は、 拉致特別委員会に長年所属して


いますが、 菅政権になってから、 拉致問題担当大臣が、 中井大臣、


柳田大臣、 仙谷大臣、 そして現在の中野大臣と約半年の間に四人も


代わっています。 大臣が代わるたびに、 『「また一からやり直しだ」ガッカリ


する』と拉致被害者の方々が言っておられます。 二〇〇三年拉致被害者が


五人、 家族関係者含めて十三人が帰国されてからもう六年が経ち、


被害者家族の方々も高齢化されつつあり、 しかも、 現在、 拉致問題は、


いわば膠着状態にあります。


また、 昨年秋のヨンビョン(延坪)島砲撃事件以後の不穏な朝鮮半島情勢を


考えた時、 総理は、 どのような手順で、 拉致問題や核、 ミサイル等の


問題に取り組まれるのか、 拉致被害者家族の不安を少しでも取り除くよう


その実行手順をお答えください。


③沖縄基地問題


沖縄の基地負担軽減問題と日米同盟関係について伺います。


本土復帰から約四十年が過ぎましたが、 沖縄に約75%も集中する


米軍基地の負担軽減の問題は、 今も大きな課題となって残っています。


この現状を打開するため、 鳩山前総理は、 非常な努力をされましたが、


まさに志半ばで、 退陣となりました。 沖縄の負担軽減のため、 歴代総理


以上に、 沖縄の側に立って、 日米交渉等に当たられたと思います。


太平洋戦争末期、 昭和二十年六月沖縄戦での大田実中将の「沖縄県民斯く


戦えり、 県民に対し、 後世、 特別の高覧を賜らんことを」の電文に集約


されるように、 私達は、 日米同盟関係を維持しつつも、 沖縄の更なる


負担軽減のために、 誠意をもって、 最大限努力していくべきではないかと


考えますが、総理の見解を伺います。


(Ⅴ)井戸を掘った人を大切にする政治


私「広野ただし」の座右の銘は「徳ハ孤ナラズ」であります。 人徳の徳の


ことで、 徳のある人の所には、 自ずと人が集まって来る、 という意味です。


政治のモットーも「徳のある政治」です。 ところで、 中国では、 「水を飲む時


には、 井戸を掘った人の恩を大切に思い起こせ」という事を言うそうです。


民主党が、 二〇〇九年夏に政権交代を実現したことの最大の功労者は、


鳩山前総理と小沢一郎元代表だということに異論はないと思います。


現在の菅政権及び民主党執行部は、 一部の人を除き恩を忘れた政治に


陥っているのではないでしょうか。


私は、 現行「検察審査会法」は、 一方的な人権侵害をもたらす憲法違反の


恐れのある法律だと思っています。 プロの検察が、 徹底的に捜査をし、


二度も不起訴にした案件を、 新たな証拠も無しに、 強制起訴をする。 もし、


足利事件や厚生労働省の村木事件のように裁判で無罪になった場合、


つまり冤罪ということになった場合の責任は、 検察審査会は、 どう取るので


しょうか? また、 その「冤罪」を煽り、 著しく人権を侵害したマスコミや


それに加担した人たちは、 どう責任を取るのでしょうか?


裁判は、 「冷静に見守るべきです」し、 最後まで、 人権は守られなければ


なりません。


菅政権及び民主党は、 井戸を掘った人を大切にする政治をすべきです。


「恩を忘れた政治」は、 子供達の教育にも良くありません。 親の恩を忘れて


しまう事にもなり兼ねません。


菅政権そして民主党は、 この案件を含め、 国民に「徳のある政治」


「国民の生活第一」の政治、 二〇〇九年夏に国民に約束したマニフェストの


原点に返り、 この公約を、 真剣、か つ真正面から、 誠意を尽くして実行


すべきだと、 強く訴えまして、 私の質問を終わります。 〟



皆さん 民主党の中に こんな素晴らしい方が いらっしゃったのですね。


小沢氏は 何故 菅・仙谷氏らを見限って 新しい党をつくらないのでしょうか。



皆さん、 どう思われますか?