ドイツ語の母音[e]の音Part2です Part1はコチラ
Schwa-Laut
<e>と書いてあるのに[e]とも[ä]とも発音しない音です。
Schwa-Lautというのは、この[e]の音声学的な言い方です。
この音は、これまでのドイツ語発音講座では、
beten [be:tn]のように、
綴りでは書いてあるのに、
発音する時はほとんど言わない音として登場してきました。
この音をマスターするだけで、ドイツ語がかなり上手に聞こえます。
日本人が良くしてしまう発音の間違えは、
Schwa-Lautをはっきりと発音してしまうことです。
仕方ないです
ドイツ語の授業では、大体ローマ字読みに読めば良いと教えられていますから。
もちろん、こんな音は日本語にはありません。
文字として書かれているものは、そのまま読む!
のが日本語ですよね。
ドイツ人からすると、Schwa-Lautを発音されると、
とても変な気持になるそうです。
では、分かりやすい例を
das Leben
どうやって発音してますか?
「れーべん」でしょうか
ドイツ語だと、
Leben [le:bn]
という感じの発音で、
日本語では表記しきれません
Schwa-Lautの発音方法は、
口は軽く開いたまま、上にも横にも動かしません。
舌は上あごにも下あごにも付かず(どちらかと言うと下あご寄り)。
日本語の「え」よりも口を動かしません。
ポケーとした感じです。
少しは「エ」のような音が聞こえますよ。
Schwa-Lautでは、更に日本語の「ん」が問題となってきます。
ドイツ語では、この音を分けるとしたら、
Le-ben (2シラバル)です。
日本語にしてしまうと、
「れー・べ・ん」 (3拍、又は3モーラ)です。
日本語はドイツ語とは違い、「ん」まで分けてしっかり発音しているんです。
シラバル、モーラに関しては次の機会に説明させて下さいな
ドイツ語は日本語のように分けることはせず、
Lebenの[e]はかなり弱く発音され、
それに伴ってLebenの[n]も弱く発音されるのです。
少し練習しましょう
なるべく鏡を使って下さい
今出てきた<Leben>で練習してみます。
まず書いてある通り、
日本語どおりに「れーべん」と発音します。
鏡で見ると、「れー」のときも、「べ」の時も、
口が左右に引っ張られている、
もしくは引っ張っているのを感じられると思います。
次にドイツ語の[le:bn]の発音です。
[le:] 「れーー」と長く発音し、
(左右に口が引っ張られ、唇が薄くなります)
[bn]を、口を元に戻して、発音します。
(左右には引っ張られていません)
唇は少しだけ開いており、緊張が解けた様子です。
まるで「ぼん」や「ぶん」みたいな音がします
できそうでしょうか。
口をしっかり左右に引っ張り、
最初の母音をしっかり伸ばし、
パッと戻す、というのがコツです。
leben [le:bn]
nehmen [ne:mn]
geben [ge:bn]
sehen [se:en]
reden [re:dn]
gehen [ge:en]
また、<ich>の後に来る動詞の発音の仕方にも注意して下さい。
ich lebe
ich nehme
ich gebe
ich sehe
ich rede
ich gehe
これらの語尾の[e]も、口は左右に引っ張られず、
緊張が解けた感じのときに発音されます。
Schwa-Lautの[e]は、もちろん「えー」の音の後以外にも登場し、
単語の語尾に<-en>が来る場合も弱く発音されます。
今回は、口の動きを確認するために、全て「えー」の音をチョイスしました
他の母音でも練習できるよう、次回から書きますね
ドイツ語の母音[a]でSchwa-Lautの練習はコチラ