実は今まで眠りがあまり得意ではありませんでした。
何かイベントごとのある日の前夜は決まって眠れません。
心配事があっても、やはり眠ることができません。
コーヒーを一杯飲んだだけでも眠れません(笑)
意外に神経が細やかにできているようです…
そんなことですから、とりあえず睡眠薬以外のことは何でもやって、快適な睡眠を確保しようというモチベーションは高いのです。
睡眠は重要です。
食事、運動など、生活習慣を改善させ、各種治療法を積極的に受けても、十分に睡眠がとれなければ、本当の意味で心身が好転することはないでしょう。
なぜなら、人間の体は睡眠中に最も自然治癒力、排泄力、解毒食が高まるのですから、このゴールデンタイムとも言える睡眠時間が確保できないということは、画竜点睛を欠くことになるのです。
それでは眠れないとき、まず最初に大事なこと。
「無理に布団に入らないこと」です。
眠れない、どうしよう、のネガティブな堂々巡りに陥って良い事はひとつもありません。
寝ようとすると返って眼が冴えてしまいますので、眠れないときは、この「安眠3点セット」を行います。
一つ目は「スロー首回し」
とにかくゆっくり首を回します。
どのくらいかといえば、1周10秒以上はかけます。
頭の重みで首の筋を気持ちよく伸ばしながら、呼吸は吸いながら上を向いて、吐きながらうつむいていきます。
心身の緊張は首に端的に現れます。
反対に首を効果的に緩めていくと、心身ともにリラックスします。
頚椎症など首に疾患のある人は無理しないで下さい。
反らさないで、うつむくだけの半周を繰り返すだけでも効果があります。
二つ目は「アロマ腹式呼吸」です。
好みのアロマオイルをアロマキャンドルやランプにたらして、部屋を香りで充満させます。
薄暗い室内で、座位で、またはあお向けの状態でおなかに手を当てて、腹式呼吸を行っていきます。
腹式呼吸が分からなければ、アロマの香りを体中に吸い込んで、その有効成分が染み渡ることをイメージしながら呼吸していきます。
香りをかぐという行為はきわめて原初的でそこに高度な理屈はいりません。
いとも簡単に思考を離れ感覚に身をゆだねることができます。
何度か行っていくと、気分が落ち着いてぼんやりしてきたり、あくびが出てきたりします。
そしたら最後締めくくりの「めちゃくちゃ動き」です。
これは自働運動というジャンルで、過去の民間療法では活元運動とか霊動とか自然修正法などと呼ばれていました。
効果の高いものですが、やり方は簡単、自分の気持ちの良いように、ただひたすら動くというものです。
座っても、寝た状態でもいいでしょう。
まず最初に体を意識的にユラユラゆするようにしていくと、次第に内側から自然と動きが生まれてくるようになります。
ここぞとばかり恥じらいを捨てて大胆に動いてみると案外気持ちの良いものです。
幼少時代、寝相の悪さで迷惑をかけたかもしれませんが、深い眠りとさわやかな目覚めを得られていたかと思います。
本来人間の体には、その日の疲れや体の歪みを寝ている間にリセットする機構が備わっているのです。
心身ともにしなやかな子供のときは、それが活発に行われていたのですが、いつからか感覚が鈍く凝り固まって、寝た姿勢と起きる姿勢が微動だにしなくなっていきます。
寝相の硬直化はつつましやかな大人の象徴と言えなくもありませんが、心身の異常を顕著に表していることには違いないでしょう。
あえて強調して寝相を悪くしてみると、本来持っていた感度が戻ってくるようです。
気持ち良く動ききったら、そのまま布団に仰向けになって、完全な弛緩。
体を床に完全に預けて全身に力を抜きます。
この期に及んでも寝ようと考えないことです。
今行っている自然な呼吸を観察していきます。
その成り行きをいかなる作為を手放して、ただ観ていきます。
分析や判断を排して観察していると、当初浅かった呼吸も深まっていくことを感じられるでしょう。
そこが睡眠の入口です。