まぁるい、まぁるい、真ん丸い -小布施顛末記壱 あじこや(千歳烏山) | 丁稚烏龍帳

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                                                             9月21日(金)

国会議事堂前  夏の間って暑いですよね。特に今年の前半は冷夏の様相だったのが、盛夏到来とともに異常なまでの暑さ。山形県保有の最高気温記録も他県に持っていかれる始末。
 あたしにとって一番困るのは、野宿号には網戸がついてないってことなんです。そう、夏場は野宿不能なのです!
 でも、ひと夏の間に一度くらい行きたいじゃない、野宿。え、そんなことない(苦笑)?ともあれ、少し暑さの落ち着いた九月下旬、あたしの夏休み使用期限も近づいているということで、出かけることにいたしました。

 行き先は、信州小布施。理由はひとつ、「栗が食べたい」という某m蔵さんのお言葉によるものでした。


 ということで、金曜日の午後お休みをいただきまして、二ヶ月ぶりに野宿号のエンジンキーを回します。と、バッテリーランプが消えねぇじゃないか!そうなんですよね、都内におりますと車使う機会がないんですわ。ということで、バッテリーがへたりまくってしまったようでして…あらら、バッテリー交換しかないかと考えながら、いずれにしろ最寄のガソリンスタンドまでは走るしかないかと、クーラーもラジオも切って節電モード、ドキドキしながら走行すること約2km、スタンドが見えてきたところでランプが消えた!どうやら走行中に充電ができたようですね。ホッと胸をなでおろして、レギュラー満タン。一路都内を目指します。
 銀座で観光バスのため進路変更を妨げられ、遠く新橋回りで新宿通りでm蔵さんをピックアップ。旅の始まりは午後六時半であります。
 
あじこや外観  国道20号をまっすぐ長坂まで、清里経由で長野に入るコース取り。長旅になりますから、まずは腹ごしらえをしないとね。ということで、今日のお夕飯どうしようかなと上げた選択肢は三つ。南阿佐ヶ谷でラーメン、吉祥寺で豚肉丼、そして千歳烏山でお好み焼きです。この中から最近しばらく食べてないこともあり、お好み焼きが選ばれました。
 新宿通りは順調に流れ、一時間ほどで千歳烏山に到着。野宿号を駅前のライフに停めて、路地を入ると「広島流お好み焼き」と大書された長い赤提灯が、すぐに目に飛び込んできます。ここ、ここ。

 店内をのぞくと入り口左手に四人掛け席、目の前には鉄板の回りにカウンター席。しかし、残念ながら十二、三ある席はすべて埋まっています。これは少し待つしかないかと思ったら、お兄さんが威勢よく「奥へどうぞ」と声をかけてくれます。奥には四人掛けの掘りごたつ式の座敷が二席。先客は地元の高校生のようですね。


皿の上の双月
 こちらは多摩地区を中心に展開する居酒屋グループの経営するお好み焼き屋さんだそうで、同名のお店も何店舗かあるのですが、お好み焼きがメインなのはここ千歳烏山店のみ。メニューを見ますと、基本の具材、トッピングとともに、中に入る麺を生中華麺、焼きそば、焼きうどんの三種類の中から選ぶ形です。しかも、焼きそばと焼きうどんは、何玉でも増量可能とのことです。さて、どうするかと悩んでいると、隣の席に円盤が三つ運ばれてきます。「超ヤベェ」という高校生、しかも二人は女の子という事実。うっとひるみながらも、基本具材はキャベツ・もやし・豚肉・卵の豚玉子をセレクト、麺はm蔵さんは生麺、あたしは焼きそばを二玉お願いします。

 聞くともなく隣の席の会話を聞いていると、やれ誰と誰がつきあっていて、バイトがあって下北に行くの行かないのと、うーん、キャピキャピ若いのう。あたしゃ枯れた高校生でしたからなぁ、空がお友達みたいな。
 しかし人気店ですねぇ、どうも僕らが入ったあともお店にはどんどんお客さんがおこしのようで、表で待ちも出ている様子です。注文も次から次で、待つことしばし、でたぁ~、黄色い円盤。薄暗い間接照明の中でそれはまるで、お皿の上に満月が昇ったよう。ちなみに向こう側が、一玉の生麺です。明らかに倍の量じゃないよね(苦笑)。



満月のぼる
 さて、ではいただきます。広島流の名のとおり、生地はあくまで薄く、その下には大量の野菜の層が。それよりも更に倍するそばの層。豚肉の量もかなり多く、これは食べ応えがありそうだ~。へらで切り取り一口、口に運べば、口中に広がるおたふくソースの甘やかな香り。予想したよりも野菜感が多く爽やかな食べ応え、野菜の水分も十分で見た目のこってりさとは打って変わりどちらかといえばさっぱりした印象が強いです。


焼きそばの小山
 続いて、そばの方も一口。お、なんだか食べたことのない食感だなぁ。富士宮焼きそばのようにもちもちしておらず、かといってしっとりしたわけでもなく、水分が少し少ない感じかな、でもこれが美味しいのよ。外のソースが濃い分、そばのソース味は軽やかなウスター系。これは、見た目のインパクトより大分いける感じですよ~。隣の女子高生もバリバリ食べてるし、男子高校生に至ってはおかわりにじゃがバタまでオーダーしてるし(苦笑)。



クリスプ生麺
 では、ぼちぼちおすそ分けタイムですかね、m蔵さん、生麺頂戴な。一玉の方は、厚みが二玉の1/3以下ですね。ぎゅっと押し付けられて、かなりクリスプな食感。外はかりっと、そして生麺のもちっとした食感、これはまるで別のものですねぇ。二つ頼んでよかったわ~。
 気づけば円盤はさらりとおなかの中に。うーん、半玉ずつオーダーできるみたいだから、次は2.5玉にチャレンジだね。焼きうどんも試してみたいけど、焼きうどんはソースなのかな、醤油なのかな?


 どうも御馳走様のお会計は1400円。確かじゃがバタ値下げして280円だし、山芋焼きとかも美味しそうだったし、リーズナブルでやんすね。居酒屋系列だけあり、ホッピーもおいてあったし、飲みに行くのもありかなぁなんて思いながら、十二分に膨れたお腹をさすりながら、ライフでお買い物。枕も買い込んで、さぁ目指すは山梨県だ~!