著者は精神科医であり、日本現代アートコレクターの高橋龍太郎さんです。
日本現代アートというと、草間彌生さん、奈良美智さんなどのお名前を聞いたことがある方もおられるでしょう。
僕もかなり好きです。
アートなどなくても死にはしません。
でも、人はなぜ美しいものにひかれるのだろう?
時代を超えて人に評価されているの美術とは何だろう?
アートに一生の恋をした作者の文章は熱を帯びていて説得力があります。
正解など無いのかもしれませんが、美に関する考えには腑に落ちる部分がありました。
僕などアートを所有するということを考えたこともなかったのですが、美術館に行って観るだけと、実際に気に行った作品をお金をやりくりして購入して手元で鑑賞するのは、まったく別次元の世界だなと感じました。
作者なりに、アート作品を購入するコツを公開してくださっているので、この本によってアートコレクターが増えるだろうなと思います。
自分が気にいった作品を購入することで、生活が一変するでしょうが、とんでもなく素晴らしい楽しみでしょうね。
日本と世界における現代美術コレクターからみた文化論も、過激で面白いです。
日々、人の顔に「美」を施すお仕事をしていると、僕の患者さんをもっとに綺麗にしたいという思いと、患者さんの理想やイメージとのせめぎ合いもあります。
「美」のイメージは、本当に人によって千差万別、奥が深く、苦しくも楽しい世界です。
美しいもの、美しい人、どうしてこんなに心ひかれるんでしょうね?