脉の反応とツボの反応が違う時 | 《和魂漢才鍼灸》

脉の反応とツボの反応が違う時

こんにちは。
和魂漢才鍼灸の岡井志帆です。


2015年度ビギナーコースを
担当させていただいています。


ビギナーコースのセミナー生の質問に
「気口九道脉診で実脉がでているのに、
その経脉の原穴をみたら虚しているのです。
左右反対の原穴の方が強く感じました。
これはどういうことですか?」

というものがありました。





例えば、
右の脉を診て実脉が出ているのなら、
右の原穴も実の反応が出ている。


これなら理解できるのに。

右の脉に実脉がでていて、
右の原穴に虚の反応がツボに出ていたら



脉とツボの反応が合わないように感じて、
治療するのに戸惑ってしまうんですね。


でも、これは「脉で何を診ているか」を意識すれば
以外と容易に理解できます。


ビギナーコースでは、
まず、気口九道脉診
実脉を探す練習からしていきます。


実脉があるのであれば、
その経脉に邪があるのは間違いありません。


では、原穴の反応は何を診ているのでしょうか?



それは、その経脉に流れる気のパワーです。


ちゃんと食事をして、
食べたものからエネルギーを取り出して、
経脉中にめぐらせることが出来ているかどうか。
これを診ているのですね


これは、今年のビギナーのテーマの一つです。
毎回、繰り返しお話ししてきました。


もし、ツボの反応が虚しているのであれば、
「何かしら気をめぐらせるのを邪魔しているものがある。」
 (たとえば、邪にやられているとか)
そのために、「流れている気のパワーが足りない。」
ということも考えられます。




治療方法としては
ビギナー生であれば、
「先補後瀉」をするのがいいでしょう。


先に足りないものを補って、
その後に邪を抜く治療法です。


・経脉の気を補う
・邪を取り除く


場合によっては
瀉から先にする必要がありますが、
その判断は、中級以上のレベルになります。



邪を取り除く方法としては
もちろん方法は色々ありますが、
「脉状」を診ることができれば
さらに世界は広がります。


虚と実だけでは「邪の種類」を
判断することが出来ません。


「脉状」がわかれば、
邪の種類を判断することが出来ます。
すると、治療法もより精密になります。



ただ、「脉状」をよみとるには
すこし訓練が必要です。


「脉状」を学ぶと
脉が虚の反応であっても
そのなかに邪があることが
わかります。


実=邪の反応だけでは
ありません。

虚=邪の「脉状」も
もちろんあります。


邪の種類がわかれれば、
それに対応した治療が出来ます。



なので、ビギナー生の間に
しっかり脉を診ることを練習してください。



気口九道脈診を練習していきましょう。

実脉を診る練習。
虚脉を診る練習。
浮中沈の脉を診る練習。


そうすることで、微(すこ)しい脉の変化を
感じ取れるようになっていきますよ。


それを繰り返していると、
「脉状」もヒトより早く
診れちゃうかもですよ。


中級が楽しみですね♪