こちらもすっかり久しぶりになった「ジョジョ」の登場人物紹介。
物語後半に登場するDIOの刺客、エジプト9栄神の刺客を一挙紹介します。
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3.敵のスタンド使い2(エジプト9栄神のスタンド使い)
承太郎達がエジプトに上陸した後登場した敵スタンド使い。エジプト神話に登場する「エジプト9柱の神々」の名前を冠したスタンドを持つ。
全員で9名おり、その中には「人間以外のスタンド使い」もいる。

ンドゥール
最初に登場したエジプト9栄神のスタンド使い。盲目の男性で、DIOに深い忠誠を誓っていた人物の一人。砂漠でイギーと合流した直後の承太郎達を襲撃した。
元は貧民であり、生まれつき盲目であったこととスタンド能力を持っていたことから犯罪も平然と行い、「恐怖」というものを全く知らなかった。しかしDIOに見いだされた際に初めて「恐怖」を覚え、それがきっかけとなってDIOに深い忠誠を誓うようになった。
目が見えない代わりに聴覚が非常に鋭く、音で相手の位置を探ることができる。更に杖を耳に当てることで地面の振動を聞き取り、相手の位置を更に正確に把握することができる。それ故、相手の位置を正確に捕捉してからスタンドで狙撃するという戦法を得意とする。
手始めにイギーを承太郎達の下へ連れてきたスピードワゴン財団のヘリを撃墜し、乗っていた職員を殺害。承太郎達がその墜落現場に駆け付けたところで攻撃を開始し、花京院とアヴドゥルを負傷させるが、イギーの嗅覚と彼の後を追いかけてきた承太郎によって自分が潜んでいた位置を見つけ出される。自身も彼らの位置を察知して承太郎を攻撃したが、スタープラチナが投げつけたイギーとの衝突を避けようとスタンドで防御した拍子に杖を取り落してしまい、その隙に承太郎に至近距離まで接近され反撃を食らった。
最後はDIOの秘密を明かさないために自ら命を絶ち、死の直前に自分のスタンド能力と「エジプト9栄神」のスタンド使い達が待ち構えていることを承太郎に教えた。
死後、遺体は彼の姿勢に敬意を表した承太郎によって砂漠に埋葬された。
ゲブ神
ンドゥールのスタンド。水そのものの姿をした不定形型スタンドで、射程距離が非常に長い。
不定形のためどこにでも入り込むことが可能であり、また体の形を自在に変形させることもできる。地面に潜行して相手を追い、鋭い爪のついた腕に変化して相手を斬りつけるのが主な攻撃方法。OVA版では飲料水やラジエーターの水と同化して質量を増していく描写がある。
テレビアニメ版では第24話で先行登場しており、DIOのアジトを監視していたスピードワゴン財団の職員を殺害した。

オインゴ
2番目に登場したエジプト9栄神のスタンド使い。帽子をかぶった長身の青年で、弟のボインゴと共に行動する。荒っぽい性格をしているが、弟には優しい。
アスワンで弟と共に承太郎達を待ち伏せし、ボインゴのスタンドの予言に従って彼らを始末しようと行動した。
最初は「承太郎達が毒入りの紅茶を飲む」という予言を受けて承太郎達に毒を盛った紅茶を飲ませようとしたが、イギーが偶然邪魔をしたため失敗(この直後に作戦が失敗した腹いせ(+トト神の予言)からたまたま通りがかった男を暴行し金を巻き上げた)。次に「承太郎が爆弾の爆発に巻き込まれる」という予言を受けて一行の車に爆弾を仕込んだオレンジを仕掛けようとしたが、車に戻って来たポルナレフとジョセフに見つかりそうになったため、スタンド能力で承太郎に変身しごまかす。しかしそのためにジョセフ達と同行することになり、このままでは「自分が承太郎の代わりに爆発に巻き込まれる」と気づき、予言を避けようと悪戦苦闘した末に病院へ到着する直前で何とか車から逃げ出した。
だがその直後にポルナレフが投げ捨てた爆弾仕掛けのオレンジの爆発に巻き込まれて重傷を負い、予想通り自分が承太郎の身代わりとなる形でトト神の予言を実現させてしまう。最後は腹いせで金を巻き上げた男の報復に遭い、更なる重傷を負わされてしばらく入院することになった。
ちなみにポルナレフとジョセフはオインゴが承太郎に化けていることに最後まで気付かず、オインゴ達の襲撃は承太郎達に気付かれないまま終わった。
クヌム神
オインゴのスタンド。像を持たないタイプのスタンドで、本体と一体化している。
「本体を変装させる能力」を持ったスタンドで、顔をこねることで別人の容貌に変装することができる。容姿や声だけでなく、身長・体重や体臭も本物そっくりに似せることができるなど精密な変装が可能。更に髪の毛を変化させて帽子を作ることもできる(劇中では、オインゴはこれを利用して自分の髪を承太郎の学帽に変化させた)。
前半で登場したイエローテンパランスやエンプレスと似た能力を持つが、「スタンドそのものに戦闘能力がない」という大きな違いがある。

ボインゴ
オインゴの弟。非常に小柄な少年で、常に兄と共に行動しており、スタンド能力を使って彼の行動をサポートしている。兄以外の人物とはまともに話せないほどの内気な性格の持ち主。
普段は無口だが、自分達に有利な予言が出た時にはテンションが上がり気味の悪い笑い声を上げる。
アスワンで兄と共に承太郎一行を待ち受け、スタンドの予言に従って承太郎達を始末しようと行動したが作戦は失敗。その後自分の力で承太郎達に反撃しようと決意したが、直後にオインゴが腹いせで暴行した男の報復の巻き添えを食らい、兄共々重傷を負わされて入院することになってしまった。
その後、物語終盤でホル・ホースに誘拐されてカイロに連れて来られ、強引に彼とコンビを組まされて行動を共にすることになる。最初はホル・ホースを怖がっていたものの、兄の敵討ちのため彼に協力することを決意。トト神の予言でホル・ホースをサポートしながら承太郎一行を再度襲撃するが…。
トト神
ボインゴのスタンド。漫画本の姿をしたスタンドで、「近い未来に起こる出来事を予言する能力」を持つ。スタンド使いではない一般人にも見えている描写があることから、恐らく本と一体化したスタンドだと思われる。
予言は本の中に漫画の形で浮かび上がる。ボインゴは「予言の内容は絶対」だと豪語しているが、実際は予言が違う形で実現することがある。また、予言が実現した後に思わぬ事態が起きることもある。
余談だが、このスタンドの名前の由来になったエジプト神話の神「トト(トート)」は「魔術に長けた神」ともされており、アレイスター・クロウリーが作成したオリジナルのタロットカードはトトから名を取って「トート・タロット」と名付けられている。

アヌビス神
エジプト9栄神のスタンド使いの一員。刀と一体化したスタンドで、「本体を持たないスタンド」。元々は500年前のエジプトの刀鍛冶が持っていたスタンドだったが、彼の死後もスタンドが刀に宿って残り続けていた。スタンド像の姿はエジプトの壁画に描かれたアヌビスそのもの。
自我を持っているスタンドで、自信に満ちた性格をしている。「絶ッ~~~…対に」などと言葉を伸ばすのが特徴。原作では表情があまり変わらなかったが、アニメ版では追い詰められた時に焦った表情を見せるなど原作より表情豊かになっている。
かつては博物館の倉庫にしまわれていたが、DIOによって持ち出された。またDIOのスタンド能力を知っており、それ故彼に忠誠を誓っている。
「自分を鞘から抜いた人間や自分に触れた人間の心を支配して操る能力」を持ち、作中では計四人の人間を本体として操りポルナレフや承太郎と戦った。また「物質を透過して自分が指定したものだけを斬る」という機能も持っており、これを使って特定のものだけを自由に斬ることができる。成長性も高く、一度受けた攻撃は覚えて次からは見切ってしまう他、戦えば戦うほどパワーとスピードが上がっていく。反面、本体となる人間がいないと自力で動くことができないという弱点がある。
最初に河岸で自分を拾ったチャカを操り、コム・オンボ遺跡でポルナレフと対決したが返り討ちに遭う。その後鞘に納められた状態でポルナレフに持ち去られ、一行と共にエドフへ移動し、ポルナレフと承太郎が床屋へ立ち寄った際に店主カーンを操って再度ポルナレフを襲撃した。最初の戦いでポルナレフの攻撃パターンを記憶していたことから優位に立つが、ポルナレフに同行していた承太郎が加勢したことで形勢が逆転、刀身を二つに折られてカーンから引き離された。
その直後、騒ぎに気付いてやってきた警官とのトラブルの最中に偶然自分を鞘から抜いたポルナレフを操って承太郎を襲撃。彼を苦戦させるが、とどめを刺そうとした瞬間に刀身と柄を粉砕されて敗北、ポルナレフから引き離された。
しかしその際に折れた切っ先の部分に乗り移っており、偶然切っ先を拾った子供を操って自分を承太郎に投げつけさせようとした。だがその子供が偶然現れたイギーに躓いたため標的を外れてナイル川の方へ飛んで行ってしまい、更に壁に刺さって止まろうとした時に誤って「物質を透過する能力」を使ったために壁をすり抜けて飛んで行き、最終的には川を渡っていた船に載せられていた牛の腹に突き刺さり、その牛が暴れたことでナイル川に転落し川底に沈んでしまった。
チャカ
アヌビス神の最初の本体となった牛飼いの青年。気弱で大人しい性格の人物だったが、アヌビス神に操られた後は性格が一変した。
仕事の帰りに河岸でたまたま拾ったアヌビス神を鞘から抜いたことで彼に操られ、その場にいた父と同僚を殺害してしまう。その後はアヌビス神に操られるまま承太郎一行を捜し、コム・オンボ遺跡で単独行動をとっていたポルナレフを見つけて彼を襲撃したが、戦闘の末にシルバーチャリオッツの「奥の手」を食らい敗北した。
カーン
二番目にアヌビス神に操られた人物。エドフに店を構える床屋の店主。
ポルナレフからアヌビス神を預かった際に彼に操られてポルナレフを襲撃するが、事態に気付いてポルナレフに加勢した承太郎に倒され、アヌビス神から解放された。
この戦闘で、ポルナレフと承太郎はアヌビス神が「刀と一体化したスタンド」であると同時に「本体を渡り歩くスタンド」だと気付いた。
ジャン=ピエール・ポルナレフ
三番目にアヌビス神に操られた人物。カーンを倒した直後に騒動に気付いて駆け付けた(注釈1)警官がアヌビス神を拾ったのを見て取り返そうとしたが、彼ともみ合っている最中に偶然アヌビス神を鞘から抜いてしまい、そのまま操られてしまう。先の戦いでアヌビス神がパワーアップしていたことに加えてポルナレフ自身がベテランのスタンド使いだったことから前述の二名を凌ぐ強敵と化し、更にシルバーチャリオッツがアヌビス神を持ち二刀流となって承太郎と戦うなど多彩な技も見せた。

マライア
エジプト9栄神のスタンド使いの紅一点。褐色の肌とスラリとした長い脚が特徴の美女。冷静沈着な性格をしているが、激昂すると顔が崩れ相手を口汚く罵る一面がある。スタンド能力の関係上、相手と「つかず離れず」の距離を取りながら自滅を誘う戦法を得意とする。
ルクソールで一行を待ち受けており、承太郎達と別行動を取っていたジョセフとアヴドゥルを襲撃した。
自身のスタンドを使って罠を仕掛け、最初にジョセフを、その翌日にアヴドゥルを磁石化させた。二人が自分の存在に気付いた後はジョセフ達からつかず離れずの距離でわざと二人の前に姿を見せながら逃げ、追いかけて来た二人を線路へ誘い込み、線路に体がくっつき身動きが取れなくなった二人を電車に轢かせようとしたが、アヴドゥルの機転によりそれをかわされて形勢が逆転。再度二人から追いかけられ、今度は本当に逃げる羽目になる。
最後はジョセフ達に挟み撃ちにされた際に大量の金属製品が体にまとわりつき動けなくなった彼らに高圧電線を引き寄せさせてとどめを刺そうとしたが、互いの磁力を利用し突進してきたジョセフとアヴドゥルに押しつぶされて文字通り「挟み撃ち」にされ、全身の骨を折られて倒された。
バステト女神
マライアのスタンド。コンセントの姿をしており、色々な場所に設置することで相手に対し罠を仕掛ける。
「スタンドに触れた人間に磁力を帯びさせる能力」を持ち、磁力を帯びた人間はいろいろな金属製品を引き寄せるようになってしまう。磁力は時間が経つと徐々に強くなっていき、大型の金属製品(自転車や自動車など)も引き寄せられるほどになる。
また、磁力を帯びた人間同士が近くにいるとお互いの体がくっついてしまうことがあり、これにより相手の動きを封じることができる。
スタンドの射程距離は本体から「つかず離れず」の距離であり、能力を持続させるには本体が能力をかけた相手の近くにいることが必要。マライアはこれを利用してジョセフ達の前にわざと姿を現し、二人が自滅するのを待とうとしていた。

アレッシー
エジプト9栄神のスタンド使いの一人。サングラスをかけた男性で、ナレーションによると年齢は38歳で独身。武器として拳銃と斧を隠し持っている。
「弱い者いじめが何よりも大好き」だという卑劣な性格の持ち主で、子供などの弱い者に対しては強気に出るが、その反面大人などの強い者の前では気弱になる。その性格とスタンド能力の関係上、相手を弱体化させてから一気に倒しにかかる戦法を得意とする。
マライア同様ルクソールで承太郎一行を待ち受けており、ジョセフ達がマライアと戦っていたのとほぼ同時刻にジョセフ達と別行動を取っていたポルナレフと承太郎を襲撃した。
最初にジョセフ達を捜しに出た承太郎達を尾行するがポルナレフに気付かれ、隙を突いてセト神の能力を発動しポルナレフを子供に若返らせた。子供化したポルナレフが承太郎と離れて一人になった所で彼を襲撃し追い詰めたが、偶然折れたシルバーチャリオッツの剣で負傷した隙に逃げられてしまう。その後はポルナレフの後を追って彼を助けた女性(マレーナ)の家に侵入し、隙を突いてポルナレフを更に若返らせた上にマレーナもスタンド攻撃の巻き添えにして胎児にまで若返らせ、ポルナレフを再度襲撃した。
しかし、ポルナレフを追い詰めた先で彼から不意打ちの反撃を食らい形勢が逆転。逃走を図るもそこで承太郎と遭遇し、隙を突いて彼も子供化させ始末しようとしたが、その直後に子供時代から「やる時はやる性格」だった承太郎に殴り飛ばされてまたしても反撃を食らい気絶。二人やマレーナにかけていたスタンド能力を解いてしまった。
最後は意識を取り戻した直後に元の姿に戻った承太郎とポルナレフの合同スタンドラッシュでボコボコにされ、はるか彼方へ吹き飛ばされた。
セト神
アレッシーのスタンド。本体の影と一体化しており、見た目は二つの目がついている人型の影。実は横を向くと鳥の姿をしている。立体的な姿になって動くことも可能で、本体が武器を持つことでセト神も武器を持った姿に変化し戦うことができる(アレッシーが斧を持った時にはセト神も斧を持った姿になっていた)。
「人間を若返らせる能力」を持ち、アレッシーの影と相手の影が交差すると能力が発動する。相手は影が交差していた時間が長いほど幼いころの姿に若返り、交わったのが一瞬なら10歳前後の姿になるが、影が十数秒も交差し続けると胎児にまで若返ってしまう。また、若返った人間は精神も子供時代に退行し、記憶の一部を失う(注釈2)。
スタンド使いに対して使った場合、生まれつきのスタンド使いだった人物は子供化するとスタンドがパワーダウンしてしまう(前述のように精神が退行するため)。承太郎のようについ最近スタンドを発現したスタンド使いは子供化するとスタンドが使えなくなる。

ダニエル・J・ダービー
エジプト9栄神のスタンド使いの一人。ベテランのギャンブラーで、ギャンブルに関わるスタンド能力を持つ。カイロの喫茶店にて承太郎達を待ち受けていた。年齢は30歳で、弟が一人いる。
落ち着いた性格の持ち主で、常に堂々と構えている。ポーカーを初めとするあらゆるギャンブルに長けており、誰にも気づかれずイカサマを行うほどの腕の持ち主でもある(注釈3)。反面、相手のイカサマを見抜くため細かい動作にまで気を配る神経質な一面があり、これが敗因に繋がった。
DIOの館を探して聞き込みを行っていた承太郎達に「自分に勝つことができればDIOの館の場所とDIOの秘密を教える」と持ち掛け、彼らとギャンブルによる勝負を行う。ポルナレフとジョセフを立て続けに破って二人の魂を奪い、続いて承太郎とポーカーでの勝負に突入。一度は優位に立つが、レイズ(賭け金の上乗せ)を行った際にその場にいる「入院中の花京院の魂」と「その場にいたアヴドゥルの魂」、「日本にいる母の魂」を賭けたことから「自分が気付かないうちにイカサマを仕掛けているのではないか」と疑いを抱き、それにより冷静さを失い形勢が逆転。更に、承太郎が「ダービーが負けたらDIOの秘密を明かすこと」を賭けの対象にしたことで恐怖が頂点に達し、自分が「心の中で負けを認めた」ことで敗北。最後は恐怖のあまり気を失い、意識が戻った後は錯乱状態に陥ってしまった。
当初は自分の名字である「ダービー」しか名乗っておらず、後に登場した弟テレンスのセリフでフルネームが判明した。ジョセフとの対決時には彼に何度も名前を呼び間違えられて激怒していた(注釈4)。
OVA版では最初から自分でフルネームを名乗っており、また敗北後に錯乱しながらもDIOの館の位置を明かしていた(原作とテレビアニメ版では錯乱してまともに話せなくなってしまったため、館の位置は聞き出せずじまいに終わっている)。
オシリス神
ダービーのスタンド。人型のスタンドで、指先がない手と困り顔に見える顔が特徴。
「本体との勝負に負けた人間の魂を奪う能力」を持ち、負けた相手の魂を引きずり出してポーカー用コインに変える。魂を引きずり出すには相手が「心の中で負けを認める」ことが条件。
魂を元に戻す方法は「ダービー自身に心の中で負けを認めさせること」。ダービーが死ぬとコインにされた人の魂も死んでしまうため、魂を元に戻すには勝負でダービーを負かすしかない。
ちなみに、魂のコインは分割することもできる(承太郎とのポーカー対決の際にジョセフとポルナレフの魂を6つに分割している)。

ペット・ショップ
エジプト9栄神のスタンド使いの一名で、人間ではなくハヤブサのスタンド使い。額当てとスカーフを身に着けている。
DIOの館の門番を任されており、館に近付いた者を自分のスタンドで迎撃していた。敵と認識したものを殺すまで追い続ける凄まじい執念の持ち主で、ハヤブサ特有の高い視力や急降下のスピードなどをフルに活かして戦う。また、人間の様な仕草を取るなど鳥らしからぬ一面も持っている。
たまたまDIOの館を見つけたイギーと遭遇した際、館の敷地に迷い込んだ犬達とアヴドゥルの依頼を受けてDIOの館を捜していた物乞いを相次いで殺害し、その力を見せつけた。イギーにも不審の目を向けたものの彼が馬鹿な犬のふりをしたことで見逃したが、飼い犬を捜して館の敷地内に迷い込んだ子供を攻撃しようとした際に彼を助けようとしたイギーに阻まれ、彼を敵と見なして戦闘に突入する。
館の外へ逃げたイギーを執拗に追跡して下水道へと追い詰め、彼に右前脚を失う重傷を負わせるも川へと逃げられる。その後土を掘って川底に隠れていたイギーの下に現れ彼を追い詰めるが、至近距離から氷柱を撃ち込もうとした瞬間にイギーにくちばしをかみ砕かれ、その衝撃で氷柱が暴発して敗北・死亡した。
テレビアニメ版では第5話のポルナレフの回想シーンで原作より早く登場している。また、第40話の花京院の回想シーンでもDIOと共に登場している。
ホルス神
ペット・ショップのスタンド。骨だけの翼竜のような姿をしており、腕が六本ある。
「冷気や氷を操る能力」を持ち、氷柱をミサイルの様に撃ち出すのが主な戦法。氷柱はペット・ショップ本体の口の中から発射されるほか、スタンドの腕からも発射することができる。また、周囲を凍らせることで相手の逃げ道を塞ぐ・本体が負傷した時に傷を凍らせることで止血するなどの応用技も持っている。

テレンス・T・ダービー
最後に登場したエジプト9栄神のスタンド使い。DIOの館の執事で、ダニエル・J・ダービーの弟。年齢は21歳。両耳に自分のイニシャルをかたどったイヤリングをつけている。
兄ダニエルに似た慇懃な性格の持ち主で、花京院曰く「神経に触る」ほど丁寧な態度をとる。
兄ダニエルのことは「ギャンブルとイカサマの天才」だと評価しているが、その一方では彼のことを「古いタイプの人間」だとも語っている。また兄の仇討合戦をするつもりかと問われた際には「負けた方が悪」だと言い放って兄のことを気にかけていない様子を見せていた。更にテレンス本人の言によると、6年前(注釈5)に自分のガールフレンドに手を出した兄に重傷を負わせたことがあるらしい。
兄同様「勝負に負けた相手の魂を奪う能力」を持つスタンド使いで、「対戦型テレビゲームでの勝負」を得意としている。その腕前は達人級で、レースゲームや野球ゲームなどあらゆるゲームをやり込んでいる。兄と同様に暴力を使わずゲームの腕前で勝負するスタンド使いだが、テレンスのスタンドには兄のスタンドにはなかったある能力(後述)が備わっているため、その能力と自分の腕前を織り交ぜて相手を追い詰めていく戦法を得意とする。同時に、兄とは異なり「スタンド能力」の方を重視していたことが敗因に繋がってしまった。
負けた相手の魂を入れた人形を自分の部屋にコレクションしており、時にはその人形達と話したり着せ替えをして遊ぶこともある(テレンスのセリフより)。承太郎達はその様子を「ムカツキ具合が兄以上」「最低のサイコ野郎」と酷評していた。
DIOの館に乗り込んできた承太郎一行の前に現れ、彼らを二手に分断。承太郎・花京院・ジョセフの三人を自分の部屋へと連れていき、彼らに対戦型テレビゲームでの勝負を挑んだ。
最初に花京院を相手に指名してレースゲームで対戦し、彼を破って魂を奪った。次に野球ゲームで承太郎と対戦し、彼がテレビゲーム初心者だったこともあって優位に立ったが、「相手の心を読む能力」で更に彼を追い詰めようとした際にそれを見抜いた承太郎が仕掛けた「初歩のイカサマ」にひっかかって考えを読み切れなくなっていき、最終的に心の中で負けを認めてしまい敗北。最後は承太郎達を背後から不意討ちしようとしたが失敗し(注釈6)、スタープラチナのラッシュでボコボコにされた。
アトゥム神
テレンスのスタンド。細身のロボットのような姿をした人型のスタンドで、目の下にテレンスのイニシャルである「T」「D」の模様があり、体のあちこちにハートの模様がついている。
オシリス神と同様「勝負に負けた人間の魂を奪う能力」を持ち、相手が心の中で敗北を認めると相手の魂を奪う。奪われた魂はテレンスの手作りの人形に入れられてコレクションされる。本体が死亡すると奪われた魂も死んでしまうため、魂を取り戻すためには「テレンスに負けを認めさせること」が必要となる。
また「相手の心を読む力」も持っており、相手の魂に質問を投げかけることで考えを読むことができる。質問は「YES」か「NO」で答えられるものでなくてはならず、相手の考えを細かく読めないことが欠点(注釈7)。


<注釈>
注1…テレビアニメ版では床屋の騒動を目撃した町の住人に呼ばれてやって来た。
注2…ポルナレフは子供になった際に記憶が退行し、承太郎の名前が思い出せなくなっていた。
注3…ただし、承太郎との勝負前にイカサマを仕掛けようとした時にはスタープラチナの視力でそれを見抜かれた。
注4…実はジョセフがダービーを怒らせて冷静さを失わせるためにわざと呼び間違えていた。
注5…テレンスのセリフで「私が15歳の時」とあることから。
注6…花京院の魂が戻った後で「後ろから…」と呟いている描写があり、背後から不意討ちしようとしていたことが示唆されている。
注7…例外として、承太郎に「イカサマをしているな」と質問した時には「I DO」という答えを返されている。