10月18日渋谷ハチ公前街宣 SEALDs 和香子さんのスピーチ全文 


「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。
 しかし、国民を戦争に参加させるのは常に簡単なことだ。
 国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、
 国を危険に晒していると主張する以外には何もする必要がない。
 この方法はどんな国でも有効だ。」


これは、ドイツの政治家ヘルマン・ゲーリングの言葉です。

この言葉に異様な親近感を持ってしまうのは果たしてわたしだけでしょうか。 

2年前のこの時期、私は特定秘密保護法に反対する意を示すため、初めて路上に立ちました。それまでデモなんて私の生活の中にはどこにもなくて、けれどその時肌で感じた違和感に抗うことができなかった私はそれらを生活の中へ迎え入れることに決めました。 

あっという間に月日が流れ、1ヶ月前の9月19日に安保法制は成立しました。 

国民の過半数が説明が不十分だと感じている、そんな安保法制が違憲立法であることは既に周知された事実です。私は、戦争へ加担する可能性を高めるこの法案に対し、押し黙っていられるほど自分の未来に無責任になることはできませんでした。

今回、安保法制に対し反対の声をあげていく中で、私の手元にやってきたのは圧迫感でした。とにかく、息が苦しくて仕方ない。それは、安倍政権の行う政治そのものが私にとって恐ろしいほどに抑圧的であったからです。そしてそれは政権の行うことについてのみの話ではありません。

先日、ある一人の漫画家がシリア難民問題へ最悪のリアクションを起こした7人に選ばれました。己の排外主義と歪曲した解釈を基に描かれたその難民の少女の絵は海外でも広く取り上げられました。

街の公園で暮らすホームレスは排除され、金銭的余裕がなく風俗店に勤務する女子大生は貧乏なのに進学したことは罪だと言い、人々は、いつだって帰れる場所であったはずの故郷を永遠に失い今もなお苦しみ続ける人々が同じ土の上に立っていることを忘れ、本屋のウィークリーランキングのコーナーには根も葉もない偏った内容の盛り込まれたヘイト本が積み上げられ、人々はその情報を疑うことなくするりと飲み込み、眼の色を曇らせていきます。 

疑うことに未熟であったばかりか忘れるということに長けており、さらには言葉を紡ぐという行為を無礼なまでに放棄した人々の放つくぐもったそれらは私の肌にぴたりと張り付き呼吸を妨げるのには充分でした。 

法案成立後、何が変わったのか、と何度も聞かれました。まるで何かが成し遂げられたかのように、結果を、成果を求められました。私自身が、自分の声で、足で、民主主義に賭けたのはわずかここ2年間の話です。そんな短いあいだに社会を大きく変えることができたのならば、今なお世界中にはびこっている差別や戦争や貧困は、来年には全て消えてなくなるでしょうとお答えしました。 

70年間、日本はどこの国とも血を交えることなく平和を保ち続けてきました。 
けれどそれは、ただ憲法があったからというだけのことではありません。

いつだってどこかで、誰かが、日本国憲法の保障する自由と権利を保持するための不断の努力を積み重ねてきたからです。声をあげることは、おかしいことにおかしいと言うことは、決して特異なことではありません。


歴史の教科書の片隅にも載らないような誰かが、そんな多くの誰かがずっと、ならし続けてきたその道の上を私は今こうして歩くことができます。

日本が民主主義の国である以上、いつかその順番はやってくる。今回こうして廃れきった社会と荒れ狂った政治は思わぬタイミングで私にバトンを回してきました。


私達の、番なんです。
その道をならし続けることは決して容易ではないでしょう。しかし私はその役目を喜んで引き受けることができます。なぜなら私は思考することを放棄しないからです。そしてこの国の未来に対し極めて真剣であるからです。 

希望の光を未だ見ぬ絶望の世代は、いつだって前を向くことに長けている。 


これから明るくなるしかない場所に立って、やっと掴みかけたその淡い光を手探りで、しかし確かに繋げることを諦めることなく続けてきました。その明かりの火種はまたひとつ、時の政権とその暴挙を許した社会によって踏みつぶされてしまったのだけれど、私はもうその暗さを怖れる必要がないということも知っています。

在るべきものを守り続けるために、何度でも何度でも諦めることなく進んでゆく。それは絶望の世代の何よりの強さに違いないでしょう。

こうして集まった、不断の努力を体現する全ての人たちへ、私は感謝と敬意を述べたいと思います。いつだってどこでだって、こうして民主主義は、平和は、紡がれてきたのです。社会をよくするために、英雄になる必要はありません。知性への敬意を捨てず、想像し思考することを放棄せず、そうして前を向き続けること。 

私は30年後の未来で「戦後100年」という言葉が当たり前のようにそこに在ることを望みます。信じます。そしてそのための努力を続けることを、ここに誓います。 

2015年10月18日、私福田和香子は安保法制に反対し、安倍政権に退陣を求めます。
有難うございました。

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ネットでいろいろ回ってきました

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あべや石原はともかく すぎやまこういち?原口一博?




海外はこう思っている...




まさに...






米軍空母に喜んで乗るぼくちゃん...