ラテン・ヒップホップの逆襲 ──チリの女性MC、アナ・ティジュ より抜粋転載

アナ・ティジュ Ana Tijoux  「SHOCK 」


米国の新自由主義に踊らされたアウグスト・ピノチェトが

1973年に起こしたチリの軍事クーデターにより
フランスに亡命した活動家の両親から1977年に生まれた女性
アナ・ティジュ




チリ 2011年 何千もの若者が学校・大学を占拠
政府に質の高い無償教育を要求した。
それはチリ国家全体にとって目の覚めるような出来事であった。
学校運営の停止とハンストは知識の無償化の為に戦おうとする世代の
建設的な創造性に満ちたものとしてこの1年を記した。
私達学生は、私達の祖先であるマブーチェの血を忘れないでしょう。

歌詞

あんたの一人芝居は毒 あんたの演説はからっぽ
あんた気づかないの 私たちはひとりじゃない
いたるところに何万人もいるんだ
私たちはひとつの歌をうたい続ける
力をあわせて行進する 確信をもって叫ぶ
もう奪われるのはたくさんだ!

あんたの統制 あんたの腐った輝かしい王位
あんたの政治 あんたの富 あんたのくだらない宝物にノー

時が来た 時が来た もうあんたのショック・ドクトリンを許さない
時が来た 時が来た (ショック・ドクトリン)時が来た 時が来た

国なんてない ただのビジネス
多くを持って 多くを動かしてるのは一端の富裕層や権力者たち
いつでも彼らが決断をくだすのは金のため

ピノチェト支持者の憲法
ファシストでもあるオプス・ディ(スペインのカトリック宗教団体)の権限
エリート主義者はこっそりとクーデターを起こす

一発の銃弾が 経済をひっくり返し 壊れた機械のよう暴走する
ストリートは黙っていない ストリートは狂う
議論が炸裂する

すべてを奪い すべてを売る
人の生から死まで すべて儲けになる
すべてはあんたのビジネスのもとに
種もバスクア・ラマ鉱山も すべてその黄金のうち
あんたの一人芝居は毒 あんたの演説はからっぽ

あんた気づかないの 私たちはひとりじゃない 
いたるところに何万人もいるんだ

私たちはひとつの歌をうたい続ける
力をあわせて行進する 確信をもって叫ぶ
もう奪われるのはたくさんだ!

あんたの統制 あんたの腐った輝かしい王位
あんたの政治 あんたの富 あんたのくだらない宝物にノー

時が来た 時が来た
もうあんたのショック・ドクトリンを許さない
時が来た 時が来た (ショック・ドクトリン)時が来た 時が来た

俺たちはビジネスとしての教育を根絶したいと思う。
教育は社会的な権利であるべきだよ。
この運動は日に日に大きくなってる。
この運動はストリートに出て抗議している人たちだけの問題じゃなくて
参加している人たちの誓いと気づきを生み出すためのものでもあるの。

襲撃には襲撃 詩には詩を 
熱望と励ましとともに
灰と現在の記憶の炎とともに
確信と 勇気と 明確な意図とともに
想い出と 歴史とともに

未来は「今」だ
このすべてにリハーサルがあった すべては日々の研究
すべてを壊す 邪悪な経済モデルの恐竜
すべてが犯罪化して すべてをニュースで正当化する

すべてを奪い すべてを踏みつけ
すべてを位につけ すべてを分類する

でも あんたの政治やあんたの戦術
あんたの作り笑いや倫理あんたが操作した公式声明
いったい何人が無言になった?

機動警察隊 放水車 警棒機動警察隊 放水車 
警棒機動警察隊 放水車 警棒 それらは何も生み出さない
いったい何人が幸運を奪われた?

あんたの一人芝居は毒 あんたの演説はからっぽ
あんた気づかないの 私たちはひとりじゃない 
いたるところに何万人もいるんだ

私たちはひとつの歌をうたい続ける
力をあわせて行進する 確信をもって叫ぶ
もう奪われるのはたくさんだ!

あんたの統制 あんたの腐った輝かしい王位
あんたの政治 あんたの富 あんたのくだらない宝物にノー

時が来た 時が来た
もうあんたのショック・ドクトリンを許さない
時が来た 時が来た (ショック・ドクトリン)
時が来た 時が来た・・・・・

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アナ・ティジュの2作目の『ラ・バラ』は
ピノチェト政権末期の1990年3月にチリで公布された教育基本法により
教育の民営化が進み、学生や教員たちにとって
不利な状態が続いていた状況を打開するため
2011年に学生運動が激化した頃に制作された。

デモの参加者はのべ120万人以上。
中心となるのは中高生を含む学生たちだ。

同アルバムのシングル・カットされた曲“ショック”は
不正を繰り返す権力者たちへの怒りと
世の中を変えようと立ち上がる者たちへの惜しみないリスペクトを込めた曲だ。

それは、クーデターや大惨事といった衝撃に便乗し
復興や改革の裏に入り込む資本主義にメスを入れる
カナダのジャーナリストナオミ・クラインの著書『ショック・ドクトリン』に
インスパイアされ作られたという。

“ショック”のプロモーション・ヴィデオは
実際に占拠されている学校で撮影され
主人公は、運動に参加している学生や関係者たちの姿だ。

_________________________________転載終わり


ピノチェトのクーデターで殺されたのがサルバドール・アジェンデ大統領
この最後の演説を読めば素晴らしい人だったとわかる


あちらは米が支援したクーデターで
こちらは敗戦で...結果 植民地状態は同じなんだが
あちらは目覚めているのに...日本は...


「自由でないのに自由であると考えている人間ほど 奴隷になっている」ゲーテ