「資本主義の終焉と歴史の危機」水野 和夫

この本についてはこちらのサイトで
「資本主義の終焉と歴史の危機」特設サイト





元「三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフエコノミスト」
内閣府大臣官房審議官・内閣官房審議官
という経歴をお持ちの水野さん


資本と雇用者が共存関係にあった時代は過ぎ
グローバリゼーションによって雇用者と資本家が切り離され
資本家だけに利益が集中し 
中間層を没落させることによる成長になってしまった


「資本のための資本主義」は民主主義も破壊するもの
もはや資本主義というシステムは終焉を迎えている
「成長を目指さない経済戦略を」と説く著者

とてもわかりやすい本


「近づきつつある「資本主義の死期」を前に、日本がなすべきこととは?」より

・・・抜粋 転載・・・

「どのみち搾取する側は1%、搾取される側は99%ですから、
 仮にあなたが1%の側に回りたいと思っても、ほぼ不可能でしょう。
 だとしたら自分たちで今の社会の仕組みを変えていくしかない。
 幸い日本では辛うじて『ひとり一票』の権利が残っています。
 99%の自分たちのための社会をどうやってつくるのか?という意識を持って
 政治に働きかけてゆく以外に方法はないと思います」


「資本主義の死が近づいているなかで、
 『成長』を前提とした金融緩和を無理やり続けても、
 バブルの醸成と崩壊が繰り返されるだけでしょう。

 次はおそらく中国バブルの崩壊だと思いますが、
 そうやってバブルが崩壊するたびに働く人たちが疲弊し、
 『中間層』が失われてゆくのです。

 最近、雇用の流動化や解雇の自由化がしきりに議論されているのも、
 次に来るバブル崩壊のツケを、
 そうした『働く人たち』に払わせるための準備だと思います」

「まずは成長戦略を捨てて、格差の是正を進めなければならない。
 所得税の累進性を高め、富裕層への最高税率は50%に戻せばいい。
 もちろん、法人税を下げるなどもってのほかで、むしろ上げるべきでしょう。
 政治の本来の役割というのは『富の再分配』なのだということを、
 いま一度、思い起こすことが大切だと思います」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アベノなんちゃらなんて一時の対処療法にすぎない
結局つけは国民にまわってくるのだ...
こんなことはいつまでも続かない...


「永続敗戦論」の白井聡さんと水野さんの対談 めちゃ納得です


「資本主義の完成は、奴隷制の完成に帰結しつつある
 現代はそういう状況にあるんじゃないか
 そして中間層が没落するとファシズムが台頭する」

    ↓
「資本主義の死の時代を生き抜く」


資本主義の実態 Twitterより


政治の役割である富の再配分については 次の記事で...つづく