事業人事部を立ち上げて2ヵ月ちょっと経ちました。

アメーバなどのメディア管轄、ゲーム部門、広告部門、スタートアップ事業など多岐にわたる分野でそれぞれ担当人事がいて、定期的に話を聞いたり各部署での取り組みを役員にメールで報告するなどの取り組みを始めています。


各部門の人事と話している中で、大きく成果を出しているメンバーと、どのように成果を出せば良いか悩んでいるメンバーがいることがわかりました。そこで成果が出ている事業人事を観察してみると、ある視点を持っているかどうかが差となっていることがわかりました。


それは、


組織を開発する

という考え方を持っているかどうかです。


この言葉を必ずしも使っているわけではありませんが、大きな成果を上げている事業人事を整理してみると、下記の5つの段階に分かれることがわかりました。


■事業人事の成長モデル

第1段階:現場の声を幹部に届ける
第2段階:依頼や指示を忠実にこなす
第3段階:個別の人事案を提案・実行する
===個別人事と組織開発の境界線===
第4段階:組織全体への人事案を提案・実行する
第5段階:組織開発と人事で業績を上げる



個別人事(個人の異動や育成の対話)などがまずはすごく大事なので、これは一人一人向き合って実行していくことが大事ですが、これだけで終わってしまうとすべてが対処療法に近く俯瞰されたアクションがとれません。

個人個人で起きている事象の中から組織の課題を発見し、それが解決できると業績にどれくらいインパクトがあるかを見定めたり、事業責任者と目線を合わせる。そしてそれが重要な課題だと決めた後には、解決できる実効策を打つ。というものです。

たとえば管理職のマネジメントスキルが不足しているようなら、合宿を行ったり、定期的に面談したりするなどのフォロー体制を構築するなどは個別事象から経営課題に昇華させた組織開発のアプローチです。

「もっと考えたい」という人事メンバーが発言してくれるときは、だいたいこの組織開発の点を意味していることが多いことにも気づきました。個別人事を積み重ねているだけでは組織開発の領域にはなかなか進まず、視点の持ち方や概念を変える必要があります。


この気づきにつながったのは先日ある役員と話をしていた時でした。話をしていて印象に残ったキーワードがありました。


「事業開発と組織開発は両方やらないと」

という言葉です。


事業開発はいわゆるビジネスゴールとなる売上とかユーザー数を目標にした設計です。一方組織開発はその事業開発に連動する形で社員の力を最大限引き出すような仕組みや風土をつくること。

どちらかだけだと永続的な組織は創りにくく、この2つの概念が両輪のようにセットで強化されていく必要があるという考え方です。

事業の戦略がなにもないのに、いいチームをつくろう!と意気込んでも結局は成果が出ないので長続きしませんし、事業の成果が急激に伸びたりすることがあってもそこに組織を合わせておかないと急に破裂するような状態になったりします。もちろんどちらもベンチャーの場合は急速に立ち上がることがあるので臨機応変に対応が必要ですがこの「事業開発と組織開発はセットで考える」という概念をリーダーが持つことでより強い組織づくりにつながります。

事業人事を強化するに当たり、この2つの概念を頭に入れながらより業績に貢献できるような体制や支援を進めていきます!