先日は人材開発本部のロングミーティングを行いました。

3月からこの部門を立ち上げて、まずは人材開発という観点で様々なレイヤーの社員との対話を行いました。

・人材覚醒会議 (役員ごとに行う人材の発見や育成計画を競う会議)
・覚醒パイプライン (管理職5名ほどと一緒にチームメンバーの育成計画を議論する)
・キーマンとの面談 (たとえば技術幹部20人弱との面談。経営に声を提言)
・CA36 (30歳以下のリーダー育成プログラム)
・トップテンリスト (あらゆるジャンルのトップ10人材を役員に共有)

などなど。


こういう取組を通じていろんな良い点と課題が見えてたこともあり、今回のロングミーティングでは人材開発本部のリーダー陣と今後どのような方向で進めるべきかを全体像から議論しました。事前にお願いして一人一人に提案を持ってきてもらったこともあり、非常に建設的で効果的な会議ができました。


こういう議論を通じて、今後の方向性を決めました。

人材開発本部は、「発見と配置」に集中する。

というものです。


人材開発というと「育成プログラム」づくりに意識が向きがちなのですが、本当に目覚ましい成長を遂げている人材をよく観察してみると、「仕事を通じて成長している」ということに気づきます。

人材開発の取り組みにおいては、この「仕事を通じて成長する」という状況をどれだけ生み出せるかが重要だと決めました。


そのためには、「才能を発見して、適材適所に配置する」という流れが必要です。


まずは発見。

・その本人にはどのような能力があるのか
・パフォーマンスはその能力どおりに発揮できているか
・配属は合っているのか、配属ミスはないか


などをくまなく見ていくことが必要です。

能力があるのに、その能力通りにパフォーマンスを思うように発揮できていない人を見つけて、適材適所を部署内・部署外問わず経営陣や事業責任者に提言していきます。もっとよい役割が見つかれば組織の成果にもつながります。あくまで業績をあげることに意識を向けて動きます。


人材を成長させるのが上手なリーダーは、そのメンバーの持つ強みや意思をよくしっています。


「どんな能力があって、何が向いているのか」


そういう意味で人材育成は「発見」から始まるという考え方が大事だと気づきました。


人材開発本部は発見した人を適所で活躍してもらうため取り組みも複数実行していきます。具体的には、役員会に対して自主的な異動提案である、「中長期のジョブロ(ジョブローテーション)」の提案を増やします。

これは必ずしもすぐの異動提案ではありkません。

「このメンバーにはこういう力があるので、中期的にこういう仕事をやってもらうとよい」

という提案です。同じ部門内で抜擢をしてもらう提案だったり、別の役割を担う提案をして経営陣や事業責任者にどれだけの気づきをもってもらうかが大事。

役員全員での議論の場に提案することによって、会社全体の次世代のリーダーとして意識を向けることに力を入れます。

一人一人との対話にもさらに力をかけ、個々人の才能の開花を推進します。


最近読み直した本。

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「経営者人材の育成というのは、気骨のある人を掘り出して、あくまで個人として力をつけてもらわないといけません。平均的な集団教育の発想では育たないと思います。結局、人材育成はベンチャー投資と同じなんです。悪い投資ほど早く結果が出てきて、実る時は時間がかかって、あとから全体としての投資結果は良かったのかどうかという話になる。」


「人材育成はベンチャー投資と同じ」という概念は本当にそのとおりだと思いました。


まずは一人一人のどんな才能があるのか「発見する」こと。管理職やキーマンにも力を仮ながら、どんどん進めていきます。