先日、アメリカの大学教授がサイバーエージェントに来社されました。

経済広報センターが主催するプログラムとして米国のトップのビジネススクールの教授陣が日本企業を訪問され、サイバーエージェントにもご来社いただきました。

イェール・マネジメントスクール、ケロッグ経営大学院、コロンビアビジネススクール、タックビジネススクールより。

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90分の中で、プレゼンと質疑応答でした。

サイバーエージェントはオーガニックグロース(言い換えると「内部育成」のニュアンス)を重視しており、自分たちで事業をつくるための投資やしかけをたくさんチャレンジしているという話をしました。もっとM&Aやればいいのに、などのコメントを教授陣からいただくかと思いましたが、予想をはるかに超える形でオーガニックグロース(内部育成)の概念を評価いただけました。

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スライド資料はこちら。

CyberAgent organic growth framework
http://www.slideshare.net/tetsuhitosoyama/cyberagent-organic-growth-framework 


オーガニックグロースの全体像です。

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サイバーエージェントのオーガニックグロースフレームワークは4つのステップから構成されています。

■サイバーエージェント・オーガニックグロースフレームワーク

1)アイデア 大量にアイデアを出す。ジギョつくやつめきりセンター試験など
2)決断 経営が社員と一緒に決議する。あした会議など
3)撤退 事業の格付けと撤退基準を明文化。CAJJ制度など
4)セーフティネット 失敗してもセカンドチャンスを提供する。キャリアエージェントなど


これをぐるぐる回すことで、新規事業の創造が強くなるという仕組みです。2003年に経営陣が人事制度を拡充してから、すこしづつ柱や壁を積み重ねるように建築してきたことでできたフレームワークです。


はじめは四人の教授もどんな話を聞くのだろう、と緊張された面もちでしたが、話の途中からは「あと2時間くらい、議論の延長はできないかな?」と笑って相談されるくらい盛り上がりました。



当日もらった感想や質問の一部です。

・失敗することを許容する、ということがフレームワークになっていることがすばらしい。
・失敗を許容する会社として、失敗の記録を正式にとっているか。
・採用はどういう人材をとるのか。
・飲み会代5000円について、みんな使うのか。
・インターネット企業だけど、世界にも珍しい「インターナルベンチャー」の会社ですね。

失敗の記録については社内限の社史「ヒストリエ」が説明できてありがたかったです。この失敗をよりテンプレート化するといいよ、と言われたのでこれは今度取り組みの案に入れておこうと思います。


ある教授からは後日、このようなメッセージもいただきました。

Many thanks for your insightful presentation during our visit. I learned a lot about your company and the Japanese business environment.

Your company is the most impressive one that we visited, and was certainly a lot of fun too. I thank you and your delightful colleagues, Akiko Kashiwa and Amano Kana, for your most gracious and warm welcome.

As I told you during our visit, I am very impressed with the business processes that you have put in place to generate, identify, and nurture new businesses. 

帰り際にはこんなサインも。

 "I admire your company very much"

タックビジネススクールのPeter N. Golder教授。サイバーエージェントについてこのように言ってもらえたのはとてもうれしかったです。

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この議論をしながら感じたことは、

「何を目指すかを決めて粘り強くやれば、必ず伝わる」

ということでした。人事制度や新規事業の仕組みも、自分たちを信じてやり抜けば見えてくる景色が必ずある。


そして一方、まだまだまったく満足できるレベルではないということを改めて痛感しました。たとえばジギョつくは先日開催した「捨てる会議」で廃止することを決めました。しかし私の頭にも人事メンバーにもこのフレームワークを残しているので、アイデアがたくさん出てくる仕組みは改めてつくりなおしていくつもりです。


21世紀を代表する会社から逆算すれば、自分たちのやってることはまだまだ。

世界に通用する会社は、自分たちでつくる。チャレンジを続けます。