多くの企業の人事や経営のコンサルタントをされている水谷さんの本。
急成長する会社に共通するワナがたくさん書かれています。
「いやー、これはサイバーエージェントでもあったなあ」という話題ばかり。
起業家はもちろん、組織を担っているリーダーにお勧めです。
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「優秀すぎる人材」を採用するがマネジメントできず翻弄される
上司の顔色ばかりをうかがうヒラメ管理職が評価される
自分で決断できる人材が育たない
成功体験にとらわれて新しいチャレンジができない
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などなど。
この中で急成長組織に限らず、印象的だったのが
「数字管理ばかりでモチベーション管理がされていない(日々の自分の仕事と、会社の仕事の意義を結び付けれていない)」
というケース。
とかく業務が忙しい時には、目の前のことで忙殺されがちです。
たとえば営業組織の場合だと、毎月の目標に忙殺されるなどのケースがそれにあたります。
ただその中でも、「メンバーがいきいきと働いている部署」と「疲れている人が多い部署」でわかれるのはどういう点かというと、
自分の仕事の意義がわかっている
という点が非常に重要になります。
自分の仕事がどんな意味を持つのか、どのような意義があるのかを理解できると、将来何に繋がるかを自分で解釈できるようになるのです。
できるリーダーは部下に仕事を渡す時でも、「その仕事はどのような意味があるのか」「経営にどのようなインパクトがあるのか」を伝えることが上手です。
もし上司からその意味が伝わってない時には、自分から聞いてみるのも良いと思います。少しハードルは高いかもしれませんが、そのまま意味も分からずやるよりよほど効果的です。
上司という視点だけではなく、成長するメンバーは「自分で意義付けする」という習慣をもっています。受身で上司から教えてもらうだけでなく、「この仕事は組織にどのように貢献できるのか」「これができるとどのような効果があるのか」などを自分で考える。
成長を加速したいときには、自分の仕事の意味づけを再度やるようにすることで視点が高まり結果的に成長も早くなっていきます。
組織も個人も急成長をするときには何かしらの障害が必ず出てきます。それまでの自分たちとは違うステージに立つ以上、その障害があるからこそ成長ができるともいえるので負けずに向き合ってひとつひとつ乗り越えていくことが、他者との競争優位になっていきます。
事前にトラブルのイメージトレーニングができるという意味でも、この本は良い気づきが得られる本でした。