田中角栄流「生き抜くための智恵」全伝授 (ロング新書)/ロングセラーズ


政治の話題になると必ず上がってくる
田中角栄氏。

1972年の第一次田中内閣開始から
1974年12月9日の総辞職までわずか約2年。

私は当時生まれたばかりだったので
何もわからないですが、
なぜここまでインパクトがあるのか、
この本を読んであらためて感じることがありました。


人を動かすリーダーシップの重要なポイントが
本質論でたくさん書かれている本です。

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その「勝負勘」には「数字と歴史」の裏付けを重視せよ。

物事は「3分間が勝負」と知れ。
交渉、説得すべてここで決まる。
長話は部下もヘキエキする。

名上司とは、部下をどう「叱る」「ほめる」かに尽きる。
「叱る技術」があれば、部下は必ず目を覚ます。

「スピーチ(会話)上手」を目指せ。
決め手は、相手との一体感をかもす・換骨奪胎能力・笑いの3つ。

「真理は常に中間にある」。
これを理解することが人の集まる最大のポイント。

「自分の言葉」で話すことだ。
借り物は必ず人が見抜く。

人への「悪口は呑み込め」。
自分の頭の上のハエを追うことが先決。

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などなど。中でも一番響いたことがこれ。


内閣はできた時に最も力がある。
会社の社長も同じ。
力のあるうちにスピード感を持って
大きな仕事をやるべき。
熟慮もヘチマもあるものか。


当社でもベンチャーをたくさん立ち上げていますが、
最初は何より立ち上げるメンバーの情熱の量が違う。

情熱はどんどん下がり、冷静になっていく。
熱狂の状態をつくり、継続するには早めに
大きな仕事をしかけてチャレンジすることが大事。

確かにできるリーダーは何かの新しい立ち上げの時の
最初の勢いやスピードがまったく違います。
どんどんしかけて、どんどんホウレンソウして
どんどん成果を出す。

こういうものすごい情熱をもってがんばる人が
いる社会ですから、ベンチャーや新規プロジェクトで
スピードが遅いというのは致命的です。

人事もどんなプロジェクトでも、ベンチャーでも
社内で立ち上がる新しいチャレンジには
そういう垂直立ち上げを応援するようにしていきます。