宝塚記念2週前の追い切りが明日に迫ったオルフェ。
「気持ちがうせているようにも見える」
池江師のコメントが、そうであってはならない
一番恐れていたものを決定付けた気がした。

オルフェーヴルの「気持ち」

春天からどれくらいが経ったのかと
カレンダーを戻して
過ぎ去った月日を数えようとしたけれど
1週間と少し指でなぞったところでやめてしまった。
誰かに失恋でもしたわけじゃないのに
時間なんかが解決してくれるはずはないと思ったからだ。

阪神大賞典までのオルフェは
ただの「間違い」レースで事が済んでいたし
みんなだって「あそこからの2着」という結果を見せつけられて
さらにオルフェの怪物記録を更新したはず。
ヤンチャな三冠馬の愛嬌だと笑う余裕さえあった。

黒メンコのオルフェーヴルを見るまでは…。

天皇賞春は
池江ブランドの根幹を揺るがす事件だった。

一線を退いたといっても
泰寿師の傍らで見守る泰郎さんの経験や知恵と工夫が
今でも大きな支えになっている。
それが通用しない試行錯誤の渦中にオルフェがいた。



オルフェ、まだそんなところにいたの…?

「もう平気だよ」って言ってほしかった。。。

傷ついた脚や爪ならカレンダーをめくるたびに
治っていってくれるから
まだ3日くらい日にちが残っていても
「完治」を確信して破り捨ててしまうのに。。。



明日は追い切り。
オルフェの一番そばで、寝食を共にしている
池江一家の苦悩が伝わってくるような夜。

日本競馬史上7頭しかいない
三冠馬を預かる重圧と
迷宮から抜け出せずにいるオルフェーヴルが
天秤の上で傾くことを神は許さない。