※コメントやメールを戴いている皆様、いつも本当にありがとうございます。
現在実家に滞在しており、皆様から戴いたコメントやメールの返信が後日になってしまい恐縮ですが、
いつも有難く拝読させていただき、そのお気持ちに支えられています。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
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11日の夜に羽田に到着し、父の実家のあった蒲田で一泊。
我が夫は週末都内で用事があったので、12日の朝に私一人で実家方面へ。
年末からずっと体調不良だった父ですが、私が帰省したこのタイミングでどうしても家族旅行に行きたいという希望から、そのまま1泊2日の伊東旅行を決行しました。
実家の最寄駅までは母が運転し、そこで合流した私が運転をチェンジ。
姉の夫は海外出張中だったので、姪っ子二人が一緒の6人旅。
父が抗がん剤の投与(タキソテール3クール目)を11日にしたばかりだったし、父の不調ぶりが尋常ではないと聞いていただけに、行くと決まっていても、内心心配で心配で仕方が無かったのですが。
2ヶ月ぶりに再会した父は、予想に反して顔色も良く・・・
遠く離れて暮らす私に必要以上の心配をさせてはならないと、気が張っていたせいでしょう。
1日目の父は終始笑顔で過ごし、体の不調を一切吐かず、孫とじゃれあう余裕すらあり、宿の温泉にも一人で行っていました。
とは言え、さすがに運転は父に任せられる状況ではないし、宿の豪華な食事も殆ど食べることはなく、温泉に浸かった後はぐったり部屋で横になってしまう状況。
2日に至っては朝から不調を訴え、むくみの出た顔は顔色も悪く、立ち上がるのも辛そうで、1日目とは別人の父になってしまいました。
(結局、朝早くチェックアウトをし、寄り道を一切しないで帰宅しました)
それでも血縁の繋がった家族水いらずの旅行が出来たことは、今思い出してみても、まるで夢のような幸せな時間でした。
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姉と姪っ子たちは3連休が終わる14日の夜まで実家に滞在し、13日の夜には私の夫も実家に合流。
義理の息子である夫には、駄目な姿を晒せないと見栄っ張りな父。
「 単なる娘の夫 」だけではなく、父にとっては、やっぱり「 医者 」として見てしまうそうで。
・・・だとしても、医者に見栄張ってどーするの・・・って感じなんですが。
そんな父を見て、夫は
「 例え見栄だとしても、見栄を張れることはいいことだよ。
本当に駄目なときは、見栄すら張れなくなるんだから。」
と言い、その言葉に妙に納得する私。。。
それにしても、父は体調の波以上に精神的な波の高低差が激しく、2ヶ月前に比べて明らかに不安定になっています。
夫がまだ都内での用事が残っているので、今日はまた都内のホテルに宿泊しているのですが、夜に夫を見送った後、急に父の緊張(見栄)の糸が切れてしまいました。
夫がいなくなってから、ずっとお酒を手放せていません。
大量にガブガブ飲むわけではなく、とにかく、お酒の入ったコップを握り締めていないと心が落ち着かないのだと。
飲んでも美味しくないと言い、舐めるように口をつけるだけです。
だから、高いお酒を飲む必要なんてないのだと言い、100円パックの安いお酒を自分で買ってきていました。
(家族としては、今後父が飲むお酒はせめて良いものだけをと思い、高いお酒ばかり沢山買ってきているのですが、あまり積極的には飲みません。
それよりも、ついつい飲み過ぎないように飲みきりサイズの安いお酒が良いそうです。)
ただただ、お酒に逃げたいのだと思います。。。
そして先ほど、片手でお酒の入ったコップを握り締めながら、
「 こんな姿、○○ちゃん(私の夫)には見せられないよな。
俺さ、○○ちゃんの前では頑張っていたよな?
なんでだろーな、急にこんななっちまうんだもんな。
旅行の時はあんなにはしゃげたのが、本当に不思議。
・・・
しかしさ、娘っていいよな。
娘が二人とも専業主婦だから、こうしてすぐに駆けつけてくれるしさ。
孫をこんなにいっぱい預けてくれるのも、娘だからだよな。
息子じゃこうはいかないよな。
男は仕事に夢中になるし、仕事に夢中であるべきだし、
そもそも男親の心配なんてしてくれないもんな。
世間一般的には分かんないけど、俺はね、子供が二人とも娘で
良かったと思うよ。
昔な、仕事帰りに娘二人に駄菓子をお土産に買って帰るのが
楽しくて楽しくて仕方がなかったんだよ。
東急ストアで一個十円とか二十円の安いやつだけど、毎日毎日
買って帰ったなぁ。
当時の俺のお小遣いなんて○円くらいだったけど、そのうち□円
くらいは、娘へのお土産代に使っていたんじゃないの?
・・・
あ、そういえば明日が約定日の投信があるんだよ。
先週の時点で最低○%の利益が出るって目論んでいたんだけど、
今日の日経平均がガクッて下がったから、狸の皮算用になっちゃうな。
残りを売るときは、もっと慎重にならなくちゃな。
財産を少しでも多く残してあげたいんだよ。」
などと、まるで独り言を呟くように、思い出すがままにとくとくと語り、
その後ふと思いついたように自分の書類棚を指差し、
「 あそこに、遺言書関係の書類が全部あるんだよ。
遺書を遺すから、下書きを書いて。 」
とお願いをされました。
父には父にしか分からない「 何か 」をいろいろ感じているといるのでしょう。
実家での時間は、そんな風に淡々と過ぎ行き、あっという間に1週間の実家滞在も残り3日足らずとなってしまいました。
続きます。