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・クリミアが投げかける少数民族問題

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☆クリミアが投げかける少数民族問題

欧米ロシアは、クリミア、ウクライナで行われる住民投票の結果を尊重すべきかと思う。住民がその意思を示すのに、「住民投票よりも流血デモ」などということが正当化できるはずがない。


・ロシアの下になりたくないウクライナ

ウクライナ情勢が改善しないことを受け、円キャリー・リスクオンの巻き戻しが起き、円高株安につながっている。

ウクライナの政変は経済的な行き詰まりが大きな要因の1つだ。ウィキペディアでは以下のように記述している。

「1999年の生産高は、1991年の40%にまで落ち込んだ。しかし、同年には貿易収支が初めて黒字を記録。その後もフリヴニャ安や鉄鋼業を中心とした重工業により、2000年の国内総生産は、輸出の伸びに支えられて6%という成長をみせ、工業生産高の成長も12.9%だった。これは独立以来初めての上方成長であった。

2001年から2004年までの間も、中国への鉄鋼輸出の急増などに起因して高度成長が続いた。

ところが2005年、ユシチェンコ政権の成立後暗転し始める。それまでの好調なウクライナ経済は、ロシアからの安価なエネルギー資源および原料の供給、経済発展を続けるロシアや中国への輸出等によって支えられていた。しかしユシチェンコ大統領は就任直後、ロシアとは距離を置き、EUやアメリカなどとの関係を強化する姿勢を示した。大統領はアメリカなど西欧諸国からの投資拡大を見込んでいたが、実際にはそれほど投資は増えず、逆にロシアからの安価なエネルギー資源供給が受けられなくなった(ロシア・ウクライナガス紛争を参照)。またロシアに並ぶ輸出相手国であった中国の需要が減少するなど経済環境が悪化。

2008年以降は世界金融危機の影響を受けてウクライナ経済は再び落ち込み、債務不履行の瀬戸際まで追い込まれた。経済安定化のため2008年10月にはIMFより総額165億ドルに及ぶ緊急融資を受けた。2010年7月にはIMFより新たに152億ドルの融資を受けることで合意した。」


ウィキペディアの記述はここまでだが、以降もパッとしない。政府の外貨準備高は2011年の約380億ドルから150億ドルにまで急減、民間の銀行預金は2月の前半だけで3%以上減少した。税収は激減。年金の支払いも遅れている。

政権転覆につながった流血デモは、ヤヌコビッチ前大統領がEUとの交渉を打ち切り、ロシアから150億ドルの融資を受けることにしたことが引き金となった。少なくともデモの参加者たちはウクライナのロシア回帰を望んでいない。ロシア回帰はロシアへの経済的な従属を意味するからだ。

ソ連邦はロシア中心ではあったが、ブレジネフ書記長がウクライナ共産党幹部からソ連のトップになったように、ロシアがウクライナを支配していた訳ではない。むしろソ連邦の屋台骨を共に支えるコアの共和国として、軍事的な最重要拠点のクリミアを与え、ブレジネフを抜擢するなど、最恵国待遇以上の扱いで接してきた。そのことをロシア人が羨むほどだった。

ソ連邦の崩壊後も、ロシアは天然ガスを安価で供給し、資金を供給し、最大の貿易相手となってきている。ロシアにとって、ウクライナは今も最恵国の1つではある。しかし、もはや隣国に過ぎないウクライナに、以前のように必要以上に気をつかう必要はないのだ。

ソ連邦崩壊によって、ロシアは世界を2分したパワーから、新興国と呼ばれる立場になり下がった。とはいえ、未だに世界で5か国しかない常任理事国の1つだ。シリアの内戦でも示したように、政治的なパワーは維持している。軍事、経済的なパワーも決して侮れるものではない。

ソ連邦の崩壊は1991年だ。それまではロシアとウクライナは同じ国だった。崩壊によりロシアが多くを失ったことには間違いがないが、ウクライナは独立と引き換えに、ほぼすべてを失った。ソ連邦の屋台骨を支えるコアの共和国としての世界を2分したパワーからも、世界で5か国しかない常任理事国のプライドからも、政治的、軍事的な影響力のすべてを失った。そして、経済的にも「隣国ロシア」の支援なしには立ち行かない。これ以上、ロシアに近付くことは、最後の拠り所、独立さえも有名無実となる。私は、ウクライナが頑なな理由は、こういう根深いところにあると見ている。


・ロシア、クリミア半島を併合か?

先週、オバマ大統領はホワイトハウスでウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相と会談し、クリミアにおけるロシア編入に関する住民投票を「完全に拒否する」と述べた。プーチン大統領が手を引かなければ「ロシアは侵略の代償を強いられる」として、制裁を強化する意向を示した。制裁とは経済制裁の意味だが、NATOの結束を固めるなど、軍事面でもロシアを牽制している。

ケリー米国務長官も16日にロシア編入を問う住民投票が実施されれば、欧米が17日に「重大な措置をとる」と述べ、共同でロシアに制裁を発動すると警告した。資産凍結や欧米への渡航禁止などが念頭にあるとみられている。

クリントン米前国務長官などは、プーチン大統領をヒットラーに例えて非難した。

G7とEUの首脳は12日の共同声明で、住民投票はウクライナ憲法に違反するうえに「威嚇的なロシア軍の存在を踏まえれば道徳的効力を持たない」と無効を主張した。


一方のロシアのプーチン大統領は、クリミア半島の編入に向けた準備を加速している。タタール民族会議の指導者と目されるジェミレフ元議長との電話協議は、「実りが多かった」とされる。クリミア半島のタタール人は人口の12%だとされているが、ロシア当局は編入後に同民族が反ロ姿勢を強めればイスラム原理主義勢力が半島に浸透する可能性もあるとみており、懐柔を迫られている。

親ロ派のクリミア自治共和国議会はタタール人の権利拡大を定めた決議を採択。ロシアのマトビエンコ上院議長は同日の国営テレビ番組で半島の編入後に「タタール人は民族、文化的に完全な自治権を持つことになる」と強調した。

そして、16日に住民投票が始まった。


・上記の事実関係における疑問点

1、ヤツェニュク首相はウクライナの正当な代表なのか?

ウクライナ暫定政権は、過激デモによるクーデタでできた政権だ。議会は承認したが、ウクライナでは、まだ住民投票も行われていない。この政権をなし崩し的に正当だと認めることは、悪しき前例をつくることにはならないか?

2、クリミアでの住民投票は果たして違法なのか?

クリミア自治共和国議会は、ウクライナ議会に倣って、時の政権を武装勢力によって追放した。しかし、そのことの是非を住民投票によって問うことを決めた。住民投票はウクライナ憲法に違反するとされているが、G7とEUの首脳は住民投票は民主主義に反すると見なしているのか?

ユーロ圏の諸国はユーロの参加について住民投票を行い、多くの国は僅差で参加を決め、英国は僅差で不参加を決めた。結果として、ユーロ圏の諸国は自国の事情に応じた金融政策を失い、サブプライムショック、リーマンショック時に各国経済の明暗が分かれた。それでも、住民投票で決めたことは絶対だった。

ウクライナ、クリミアでの住民投票を禁じる法律があるとすれば、そのことの方を問題視すべきではないか?

3、「威嚇的なロシア軍の存在を踏まえれば道徳的効力を持たない」ので無効とあるが、一方の欧米は威嚇していないのか?

また、ウクライナの幾分ロシア寄りだった前政権が武力で追放されたとなると、クリミアのロシア人が不安に感じるのは自然な成り行きだといえる。また、ロシアによるクリミアのウクライナへの割譲のいきさつや、現在も大半の住民がロシア人であることを鑑みると、ロシアがクリミアの住民投票を支援することは自然ではないのか?


・少数民族問題

クリミア問題が複雑なのは、少数民族問題を含むので、自国に少数民族を抱える諸国がその対応に慎重にならざるをえないことだ。

ウクライナの人口約4500万人のうち、約8割はウクライナ人で、ロシア人は約2割を占める。つまり、ここではロシア人が少数民族だ。

一方、クリミア自治共和国に限っては人口の6割がロシア人、ウクライナ人は2割強でしかない。つまり、ここではウクライナ人が少数民族だ。これは、1954年にソ連政府がクリミアをロシアからウクライナに帰属替えさせたことに由来する。


中国が自国内の少数民族が多数を占める地域で、独立の是非を問う住民投票を違法とするのは分かる。もし、そんなことをすれば、チベット族やウイグル族などが独立してしまう可能性が高いからだ。

しかし、そのことで中国を非難する欧米が、非合法な手段で前大統領を追放したウクライナ暫定政権を支持し、同じ手段を用いたクリミアを非難し、最も民主主義的な手段だとされる住民投票を阻止しようと圧力をかけることに「義」があるだろうか? それとも、自国内に少数民族を抱える欧州諸国の本音が出ているのだろうか?


ウクライナ問題の難しさは、経済問題、民族問題、そこに付込み、内政干渉しようとする各国のエゴが絡んでいるからだ。ウクライナとロシアの関係は複雑で深い。欧米の干渉には義がなく、ウクライナをロシアから引き離しても、得られるものは少ない。真の目的がロシア潰しだとすれば、ロシアは本気で反撃する。

欧米ロシアは、クリミア、ウクライナで行われる住民投票の結果を尊重すべきかと思う。住民がその意思を示すのに、「住民投票よりも流血デモ」などということが正当化できるはずがない。



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