※参考:
『2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <前篇>』
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11012783889.html

2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <2>
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11015482908.html

2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <3>
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11085191711.html

2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <4>
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11107723250.html

2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <5>
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11107954423.html


場面は日本へ移ります。
「2002年 原爆投下から57年」のクレジットが画面に。
原爆ドームが映し出されます。

ナレーション「長崎に落とされた原爆にはハンフォードで造られたプルトニウムが使われていました。人口密集地の真ん中が放射能で汚染され、そこに暮らした人々は体内に入った放射線に被曝しました。
今、生存しているヒバクシャ30万人のほとんどがこの低線量の被曝を受けた人たちです。
これらの人々は高齢化し、その体験の多くは語られないままにまさに消えていこうとしています」

原爆が落とされた後9日目に疎開先から長崎の爆心地に帰ってきた、その当時は5歳だった横山さんが語ります。
横山さん「ここは絶対この世じゃないみたいなところを歩いていたんじゃないかなっていうのは、とにかくひしひしと何か、怖いものが押し寄せてくる--そういうのを感じて。ここどこ、ここどこっておばあさんのモンペ一生懸命引っ張っていたのを覚えていますね」

横山さんは体内から被曝し、若い時から慢性の貧血に苦しんできました。原爆を受けた両親はともにガンで亡くなり、妹も診断名もつかない病気に苦しんだ末、44歳で亡くなりました。

横山さん「母がある日突然胃ガンになって胃ガンで死んで、父が肺ガンで死んで、妹が亡くなって。という、妹なんかも言ってましたけれども、私はかわいそうでは生きていけないって、言ってたんですよね。だから、そのー、うん、そうだと思うんですよね、かわいそうだけでは、絶対生きていけませんもんね。で、自分はもうこの世の中に、必要ではないんじゃないかと、必要な人間ではないんじゃないかと、役にたたないしというふうなことで、言ってまして、死んだほうがましだというふうなことも若いときには言ってましたので、私も、あの一晩中........」
話しながら突然涙をこらえきれなくなる横山さん。観ているこちらの胸もしめつけられます。
横山さん「ごめんなさい、私もう...妹の話になるとだめなんですよ」
家族が自分よりも先に次々と亡くなっていく......どれだけ悲しいことなのだろうかと、観ていて本当に悲しくなります。

横山さんがたとえガンになっても国の補償はありません。爆心地から2キロ以内で被爆した人のみが補償の対象です。

横山さん「そりゃ怖いですよ。私はたぶんガンになって死ぬんじゃないかと思ってますので、そりゃうちの兄弟全部そうです。ガンになるんじゃないかと、ええ、熱傷と外傷というか、爆風による外傷というのは、これはわかりますよね。でも放射能というのは分からないんですよね。そいで同じような病気をするじゃないですか、ふつうの人と同じような病気を。だから、あのう、それは関係ないと言ってしまったら、それでおしまいなんですよね。だから、そこがやっぱりこわいですよね。甲状腺の病気というのは、ヒバクしてなくたって、甲状腺の病気はするし、白血病だって、普通のひともするわけだし、だから、あの、病気しててもそうじゃないと言われてしまえば、それで済んじゃうしということろが怖いですよね」


まるで“見えない爆弾”だ........身体の中を、時間をかけて攻撃していく見えない爆弾.........
ミクロの小さな爆弾が細胞を攻撃し続ける光景が、浮かんでくるような気がしてきます......。



※旧ログ「Qingxiangの日々的話話は」コチラ↓(過去ログ1512件!)
http://plaza.rakuten.co.jp/dawuyan/


ヒバクシャ ~世界の終わりに~ [DVD]
紀伊國屋書店 (2006-08-26)
売り上げランキング: 10915


ヒバクシャ―ドキュメンタリー映画の現場から
鎌仲 ひとみ
影書房
売り上げランキング: 54697