ミラノのアンブロジアーナ図書館は以前紹介したように、レオナルド・ダ・ヴィンチのアトランティコ手稿が所蔵される歴史と由緒ある図書館で、フェデリーコ・ボッロメオ枢機卿によって1607年に創立され、1609年に世界最初の公共図書館の一つとして開館されている。
そして1618年に同枢機卿による数多くの貴重な絵のコレクションの寄贈によりこの「絵画館」が設立された。ルクレッィア・ボルジァの有名な髪からティツィアーノの「三博士の礼拝」、ベルナルド・ルイーニの「聖なる家族」、レオナルド・ ダ・ヴィンチ風のジョヴァンニ・アンブロージオ・デ・プレディスの優雅な「貴婦人の肖像」等々、レオナルドと弟子達による作品まで、様々なお宝が展示・保存されている。
例えばこの「音楽家の肖像」。
レオナルドの友人だったミラノ大聖堂の聖歌隊指揮者フランキーノ・ガッフーリオか、ジョスカン・デ・プレを描いたとされる作品である。

音楽家の肖像、レオナルド・ダ・ヴィンチ
1485-1490年頃の作品
そしてこちらはカラバッジョの「果物籠」。

果物籠、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
1594-1598年頃の作品
ラファエロの間にはアテネの学堂の巨大なカルトーネ(下絵)が。

アテネの学堂のカルトーネ、ラファエロ・サンティ
1510年頃の作品
ちなみにこちらは完成したヴァティカン教皇庁の壁画。
中央の赤い服を着た老人が、プラトン(モデルはレオナルド・ダ・ヴィンチ)
その右の青い服の人物が、アリストテレスである。
中央下にはカルトーネにないヘラクレイトス(モデルはミケランジェロ)が書き加えられている。

ヴァティカン教皇庁のアテネの学堂、ラファエロ・サンティ
1510年頃の作品
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