DDT両国ピーターパン2014 ~Run for the future~ | コアドラのプロレス研究室

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飯伏幸太 vs.近藤修司
近藤はふてぶてしく、飯伏は気迫を前に出していきます。
近藤のふてぶてしさから突然来る重たい一撃は怖さを感じさせます。脳震盪明けの飯伏に対して、容赦なく、ジュニアヘビーらしからぬ彼独特の重たい一撃を見せていきます。この怖さ、重さを、同じ階級で表現できるのは近藤だけでしょう。
しかし飯伏も飯伏です。独創的な引き出し、相手の意表を突く強烈な返し。多少複雑なことをしようともしていますが、紐解いていくと、とてもシンプルに、パワーvsトリッキーを描き出します。近藤はそのパワーを首や頭部に集中させればよかったこともあり、いつも以上にえぐさが増しましたね。
苛烈な攻めの前に、稀に出てくるブチ切れの狂気の飯伏。語るべきテーマはしっかりと整理されていましたが、特に障壁のない状での二人の遭遇であれば、これ以上、「今の二人」では先の景色は開けないかもしれません。良質な試合。



竹下幸之助 vs.棚橋弘至
ジェネリコとのデビュー戦以来ですね。竹下君。継続して見続けていないので、約二年の空白が私にはあります。初々しさが抜けて、ビッグマウスになりましたがその実力はいかほどまでに進化を遂げたのか。
いざ対峙をしてみても、ふてぶてしい立ち回りを見せていきます。ベーシックな攻防をとってみても、竹下が追随していく。棚橋は、アウェーということも踏まえて、ややヒールに寄った試合運びをして見せながら、雄弁に語っていきます。
インサイドワークのうまさ、細かな内容で、ひとつひとつをかみしめるような試合運びをしています。あえて基本に忠実な試合運びで竹下を試してます。
棚橋の所作に呼応して見せるのは確かですが、自ら奇をてらって、意表をついて見せます。
竹下は乗ってくると、ダメージ表現こそ弱くなりますが独創的な切り口を使って出し抜こうとする。フィジカルでは竹下のほうが上でしょう。可能性を感じさせる動きの数々。粗はまだまだ多いですが、2年の時を経て、彼はまだまだ発展途上にいると感じさせた。埋まらない経験の差を、この先どうやって埋めていくのか、期待しましょう。良質な試合。




HARASHIMA(ch) vs.ケニー・オメガ vs.木高イサミ KO-D無差別級王座サバイバル3WAYマッチ
探り合い。教科書通りにいくのであれば、ひとりを排除して1vs1が定石です。
しかし、アメリカンスタイルでもないですから、特にHARASHIMAとイサミは方法論の確立もうまくできていないのでしょう。排除ではなく様子を伺うという形で、3人目が出たり入ったりを繰り返します。
作業的なトリオムーブも見られますね。戦略的な要素まで昇華できていません。故に、試合中の試行錯誤が伺えます。排除を使うべきか、刹那の共闘を使うべきか。ワンフォールルールではないので、見せ方は多様にあったと思いますが、ひとつに絞りきれなかった印象です。飛翔からビッグスポットへ。自己犠牲を払っていきます。
ようやく噛み合いだした終盤戦。ベビーフェイス3人なので、あくまで自分で2人ともを仕留めたいという、スタンスを誇示し続けたのは、方向性を決定づけるうえで重要でした。
ケニー落ちから、危険ではありますが、流血覚悟のヘッドバット。狂ったイサミと狂気のHARASHIMA。ニアフォール合戦はやばさを感じさせる鬼気迫るものでした。改善点も多いですが、メインとしての及第点は容易に超えている。好勝負です。





試合結果
○飯伏幸太 vs.近藤修司
竹下幸之助 vs.○棚橋弘至
○HARASHIMA(ch) vs.ケニー・オメガ vs.木高イサミ KO-D無差別級王座サバイバル3WAYマッチ