すれ違う母娘 1 | 脱!マイナス思考。~私の母はパチンコ依存症~

すれ違う母娘 1



目を覚まして欲しい…
そう願いつづった手紙。

しかし母からはなんの音沙汰も無い。
いつも通り、何も変わらない日々が続いた。


私は苛立っていた。


『手紙、読んだ?』


私の問いに母は


『読んだよ。お母さんも返事の手紙、書いてるから…』


なんだ。


母はきちんと私と向き合おうとしているではないか。
私は手紙を書いたことで自分の気持ちが伝わったのだと喜んだ。


だか数日後、母から渡された手紙には
まったく予想もつかないことが書かれていた。


お姉ちゃんを悲しませてごめんなさい。
でも、お母さんはどうしてもパチンコがしたいのです。
辞めることは出来ません。
迷惑をかけたりしないから・・
お願いですからパチンコだけは続けさせてください。



ショックだった。

数日かかって書いた手紙の内容が
パチンコを続けたいというものだったのだ。

しかもその手紙はたった1枚しかなく、非常に読みづらい。
いつも綺麗な文字を書く母が書いたものとは思えない・・ほど。

一体この手紙を書くのにかかった時間は何分だったのだろう。

数日待たされたのだから、それなりの内容が書かれているだろうと思っていたのに。

書くことを先延ばししていただけなのではないか?

走り書きのような手紙を見ていると
自分の気持ちを分かってもらおうと
泣きながら何時間もかけて手紙を書いた自分の行動が馬鹿馬鹿しく思えた。




泣くどころか、笑ってしまった。



手紙を渡し、返事をもらった事で分かったことは

私の気持ちはまったくと言っていいほど、母に伝わっていない。

この1点のみだったのだ。



この事で私は疲れてしまい
入社して以来、どんなに体調が優れなくても休まなかった会社を3日休んだ。

高熱を伴う風邪と胃痛。胃カメラまで飲んだ。
結果、異常は無かったがしばらく胃痛は治まらなかった。

当たり前だ。

胃痛の原因は
毎日一緒に生活している母なのだから・・・




成人式当日、私は着付けをしてもらう為美容院へ。
ついて行くと言う母の言葉に、聞こえない振りをした。

胃はキリキリするし、熱があるから体も思うように動かない。
本当は誰かに付き添ってもらいたい状況だった。





成人式の会場は
煌びやかに着物を着た成人達の笑顔で溢れていた。




楽しそうに写真を撮る友達の中で



ぎこちない笑顔で写る私がいた・・・。




つづく。。