2016六ヶ所ピースサイクルの報告「核燃料サイクルを止めたい!」原子力半島(下北半島)を訪ねて | 脱原発の日のブログ

脱原発の日のブログ

12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

2016六ヶ所ピースサイクルの報告

核燃料サイクルを止めたい!

原子力半島(下北半島)を訪ねて

 

 お元気でお過ごしでしょうか。2016六ヶ所ピースサイクルの際には、六ヶ所村村長、原燃本社社長、青森県知事宛のピースメッセージ、ありがとうございました。8月29日、それぞれの担当責任者に渡すことができました、感謝します。

 

下北半島は原子力半島

 8月19日、東海村行動をスタートしたピース隊は、8月27日の六ヶ所役場前まで9日の走行と大間町、Jパワー、東通り原発等への申し入れと要請行動後に六ヶ所役場に到着しました(私は19日東海村行動に参加して、六ヶ所に向かうピース隊の仲間を見送り、27日に六ヶ所役場前で迎えた)。役場前には20名ほどの仲間が参加(添付写真)。

 ミニ集会後に昼食、菊川慶子さんから六ヶ所の現状報告後、申し入れ先の3組織から22年かけてやっと事前の文書回答がされたことが報告される。その後、2ヶ所に分かれて交流会を開催(菊川さんの牛小屋と浅虫温泉の宿)。牛小屋では、『河北新報』の原発に詳しい記者や地元の生産者たちとの懇談会となり充実した意見交換ができました。

 28日の午前中は、むつ市内で「核の『中間貯蔵施設』はいらない!下北の会」との交流会。昼食は大間崎で“大間まぐろどん”などをいただく。午後に大間原発の隣で建設反対を訴えている「あさこハウス」の小笠原厚子さんとの交流会。夕食後は、北海道新聞函館支局の副デスクを交えて核燃料サイクル・再処理工場等々で多方面にわたる論議をしました。2夜にわたって、原発・核燃料サイクルに詳しい記者たちと、どうすれば原子力半島の現実を変えられるのか論議できたことは幸いでした。

 

武藤類子さんのピースメッセージを読み上げて

 29日は、9時から六ヶ所役場で、初めて会う戸田村長との要請行動。始めに、村長に託された全国各地からのピースメッセージを渡しました。その際に、寄せられた福島在住の武藤類子さんのメッセージを読み上げ、他のメッセージも同じ思いで書かれている、よく読んでほしいと要請しました。武藤類子さんのメッセージを紹介します(添付写真)。

 

六ヶ所村村長 戸田 衛さま

核燃料サイクル施設の即時閉鎖を求めます。 福島県在住 武藤類子

                          

私は、昨年もお便り致しました福島県在住の原発事故の被害者です。

原発事故から5年経ち、福島では帰還政策が推し進められ、復興が進んでいるように報道されていますが、実際はそうではありません。

 今も放出される放射性物質、困難極まりない状態に陥っている汚染水、家に帰ることができない何万もの人々、子どもたちに増え続ける甲状腺癌、強引な帰還政策によって引き起こされる被曝と貧困そして分断。

ひとたび原子力による事故が起きれば何百年にもわたり、もとには戻らないのです。

人々の人権を侵害し、あらゆる命を危険にさらし続けます。

人類は核という、掘りだしてはいけないものに手を付けてしまったのです。福島の事故は、そのことを教えてくれました。日本中の原発から六ヶ所村に運ばれた核のゴミについて、今山積みにされた除染による放射性廃棄物の中に暮らす私たちは、ようやく気づくことができました。

これ以上核の危険と核のゴミを増やしてはなりません。

私たちの犠牲から、どうか学んで下さい。人類に本当の幸せをもたらすものは何かを考えて下さい。核燃料サイクル施設を、即時閉鎖して下さい。

 2016年8月17日

22年目で3組織から事前回答が出る

 

 その後、事前に文書回答がされたので、すぐに再質問を40分ほど行い、再処理工場の完成また延期の恐れが指摘されていること(先送り20回を超える)、核燃料サイクルの撤退を決断する時。過酷事故が起きれば避難は不可能だ。最終処分場問題など次々と難題を突き付けましたが、国を信じきっている村長にどう届いたのか?

 

 10時30分からは原燃本社との再質問を1時間ほど重ねました。昨年は、とても挑発的な態度を見せていましたが、今年は「再処理等拠出金法」ができ、再処理事業の実施主体の認可法人「使用済燃料再処理機構」が設立できたことで安心していのか、穏やかでした。ただ、規制委員会との対応には苦慮している状況が見て取れました。

 

 昼食をはさんで、六ヶ所村から青森市内の県庁に向かいました。今年は、担当部門が県内の核燃関連の行事参加で、事前の文書回答のみでした。メッセージを担当責任者に渡しました。ここ数年、古村県議(数少ない反核燃派)が同席していただくために、職員の態度が大きく変わりました。

 六ヶ所行動の最後は、青森の仲間から、10月8日、9日に開催される「さよなら原発北海道集会」「泊原発再稼働阻止現地集会」への参加と10月3日から8日まで六ヶ所~札幌まで走るリレーサイクルへの協力要請がされたところです。

 22回目の六ヶ所行動にご協力いただいたみなさまに感謝いたします。ありがとうございました。6月20日、沖縄ピースサイクルがスタートしてから3ヶ月、2016ピースサイクルは総べて完了しました。また来年も挑戦します。         

  (文責 吉野信次)